商売の邪魔をするなら排除する
ストックないっつーの!
と言いながら更新します!
「つっかれた~」
「うむ、ルーフィアは働きすぎにして儲けすぎである。拠点までどんどんと整えていくしな」
店は夜もやってくれと言われたが、寒いのは辛いので二時上がりです、ごめんなさい、で、躱した。
帰ったら三時か四時で、暗くなるまでは拠点の整備。とはいっても区画を考えているだけだけど。あ、ちなみに儲かりすぎなので懐中時計を買った。
大きいぬいぐるみとか服とかもバンバン買ったら町の人の受けがさらに良くなった。パン屋貴族の坊っちゃんとかよく分からないこと言われたよ。店に拠点にツッコミまで忙しくなったら回らないよ。
それで今日もいつも通りに、と思ったら、まあ来るよね。荒稼ぎしすぎた。
「てめえらか、俺らのシマ荒してんのは?」
基本的にうちのパンを食べた人は好感度が高まるのでこういうのは客じゃない。忙しいんだからよそに行け。リンゴに目線で合図する。
実はリンゴのステータスボクの倍くらいあったんだよね。えーとね、Sランク冒険者くらいかな? 上位の。
「商売の邪魔してんじゃねーぞー」
「あいつバクダ一家じゃねーか」
「うわ、さいてー!」
「帰ってよお! ケーキ買うんだからあ!」
「か・え・れ! か・え・れ!」
帰れコール上がったよ。バカだファミリーだっけ? か・え・れ!
「うるっせ、ってえ~?!」
屋台を蹴ろうとした瞬間にリンゴが超硬い土壁を出した。陶器に近い成分でちょっとした宝石くらい硬いらしい。思いっきり小指に当たるように出した。あれは痛い!
かがんで泣きそうな男を見てさすがにシーンってなったと思ったら前二人は普通に注文した。カツサンド二十個とカレーパン十個ね、まいど!
ボクも普通に商売を開始したら客も普通に流れた。男は片足を引きずって逃げながら「覚えてろ~」とか涙声で言ってたけどインパクト強すぎて忘れられないよ。
いつものように世話好きロンさんが仕事終わりに指輪をくれた。
「プロポーズですか? ボクもかなり儲けてますからね。寄生ですね?」
「ちげーよ?! こいつはちょっとした魔道具でな」
なんと、攻撃を受けたら魔力を消費してバリアを自動で張ってくれる優れものらしい。でもお高いんでしょ?
「三万グリンくらいか」
お家賃かなり高めで十月分。即金で。払おうとした手を払われた。
「バ、バカ! ってホントに儲けてんな?! やるよ! お前にどんだけタダ酒飲まされたと思ってる!」
いや、さすがに悪いよ? まあまあ儲けてる人の三ヶ月分だよ? うちだと一日だけど。儲けすぎにも程がある。これを五人で回してるんだから高級レストランもかくや、でしょ。
「ロンさんもなかなか儲けてるんだね、露店なのに」
「俺は別の仕事しててそっちがメインなんだ」
「情報屋?」
「知ってたのか」
いいえ。舌を出す。そんなに儲かる仕事他に考えられない。ボクみたいなスキルで荒稼ぎはあるけど。
「かまかけた」
「やられた、いやプロの俺が引っかかるなよ!」
「ロンさんはしっかり隠せてるよ」
「隠してるってバレてんのか」
「ボクもおんなじだから」
「あ、あー。そうか。確かにそのむやみに明るいのはおんなじだな」
感情を隠す一番の方法はリアルな別の感情を面に出すことだからね。慣れてるよ。
「もちろんこれをくれるんだから黙ってるさ」
「おう、すまねえな」
「何人かに聞こえてると思うけど」
「下手こいた~」
でもそんなの関係ねえ。友達は友達だから守るよ。
「武力が必要なら任せてね?」
「? 強いのか?」
「ボクとリンゴ、レベルだけなら二人ともSランクくらい」
「強すぎんだろが!?」
いやね、スキル使ってるだけでガシガシレベルまで上がっちゃって。シンプルなスキルが成長性が高いっていうけどレベルまでとは思わないよ。そのうち職業が商人になりそうだけど。ちなみに冒険者ランクはFが一番下でE、D~A、S~SSSまである。
SSSは歴史上一人でSSが現在1パーティーの四人だけ。ほとんどボクとリンゴでてっぺん取ってる。そこに一番の大食らいのライムと変態的に強いロバの非常食がいる。もう非常食にはできないから改名するか? え、変えなくていいの?
ちなみにこれはレベルだけの評価なので実際の戦闘力はもっと低いと思う。戦闘経験がないボクはBが限界かな。リンゴは普通にS上位。めちゃくちゃ強い。
森の行き来で魔物が出るんだけどギガントグリズリーという8メートル超えるグリズリーを土の槍を一本投げただけで倒してた。ちなみにAランク冒険者がパーティーで討伐するモンスター。深い森だとたまにこういうドラゴンレベルが出るんだよねぇ。ギガントグリズリーは美味しく売却しました。リンゴが作った台車を非常食が引っ張ってくれた。パワフル!
商業ギルドでさばこうとしたらセトラさんが卒倒して医務室に運ばれ、ギルド長に冒険者ギルドに回せと言われた。なぜかカツサンド十個ねだられたから売った。個人的なやり取りだから税金無しでいいって。太っ腹! いや、痩せてたけどね。
「たまげたって言葉を人生で使うのはこれが初めてだわ」
「そのうちもっとたまげることになろう」
「なにリンゴちゃん、それ予言? やめて?」
そのうちダンジョン作って森の魔物と抗争するんだから驚くよ。ちなみにある考えの元、防壁はまだ作ってない。ダンジョンは昼間は入り口閉ざしてるから見つからないよ。
そろそろ商売をやめて一年くらいバカンスしたいくらいだ。自宅で。
「まあおまけだ、バクダファミリー、お前を狙ってるから帰り道気をつけな」
「有り難う、気をつけるよ。ロンさんもね」
「俺は逃げ足だけは負けねえから大丈夫だ」
そう言ってロンさんはその場で地面に沈んだ?!
「影術、影渡り。人間に使える者がいたか」
「スキルか、なら当然だね」
「……お主のそのスキルに対する信用度はなんなのだ?」
「決まってる、愛だよ!」
「スキルと結婚するがよい」
「したいな~」
「ダメだな、これは」
スキルと結婚式するとひとりぼっちで寂しいからしないけどさ~。
そして帰り道、人が集まってきた。前から四人、後ろから十人、影には六人、魔力感知で見えてるよ。女の子のパン屋さん二人を相手に二十人、大袈裟だな~。
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