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テルナ:群れる

 最終戦へ向かいます。



 東からも西からも、クレモット帝国からアンデッドが群れて出てくる。正直に言ってキモい。私も女の子という年ではないが清潔を旨としているしな。キモい。泣いて良いかな?


 本当にアンデッドとは生理的に受け付けないものだ。なんであんなものを戦場に出してくるのか!! カジェルとやらの正気を疑うわ。


 しかしまあ大人としてこっちは私が受け持ってやらねばな。セレナとアイリスも実はアンデッド苦手っぽいし。可愛いな。私も女の子が欲しかったわ。ルーフィアも入れて女子会したいなあ。


 息子二人とも馬鹿だったし。教育が悪かったな。そんなに甘やかしてはいなかったんだが……。まあ王族なので人任せになってしまったのは仕方がないのだが。乳母とかも私以外の息がかかっていたし。無念と言えば無念なのだ。


 自分の子じゃないスージーやハスターの方が可愛いんだよな。不思議と。……乳母? 誰だったかな。親友の子の乳母だから気を使ったさ。内緒だ。そもそも……。そちらにも手を伸ばされた、と言えば分かるだろうか。


 この国はクソだ。自分の国にしたからには浄化しているさ。


 さて、帝国戦だが、正直死人しかいないなら躊躇しなくていいからな。メテオとか津波とかなんでもやれる。こちらも群れなんだ。悪いな。


 そもそも私が女王になった経緯も強引だし緊急措置としている。未だに私が女王で揺らがないのは王子三人全員排除しているからだ。第一王子はブレアに付き、第二王子は幽閉、第三王子はカエデ女王国の名宰相と来た!


 ……んー、やっぱりハスターが一番優秀だな。可愛いのだ。


 まあ、なので私の女王位というのは実は揺るがないのだ。そろそろ王にも死んでもらおうと思ってるしな。毒殺、暗殺、そんなもの王族なら日常の嗜みだ。防げない方が悪い。ルーフィアや、特にセレナには嫌われそうだがな。……セレナは反動で残酷になってる気はするが。ぶちギレという奴であるな。


 私はルーフィアに万全の態勢を作られている。テレポーターも常にルーフィアを補足しているので私がヤバかったらすぐに救援要請に向かえる。ルーフィアはたぶんしれっとした顔で助けてくれるであろう。あれはそういう女だ。


 まあそこは置いとこう。どうせうちもカエデの属国みたいなものなのはもう変わらないのだ。それでいい。そもそもハスターしか子供が作れないしな、カエデが逆にニターナに取り込まれた、みたいな見方もできよう。


 だからそれは置いといて。さて、ゾンビとデーモンどもだな。デーモン兵はどうも精霊ともゾンビとも相性が悪いらしい。あいつらは気ぐらいだけ高いからな。そしてゾンビと精霊兵どもなんだが、……おかしい。強くなってる。ゾンビが炎や雷を放っているのだ。


 セレナに確認を取る。


「……ブレア、盗まれた? 精霊化の過程で魔石を使うのは既定路線だったはず。まさかそれをアンデッドに使うとは……いや、ブレアなら閃く。盗まれた」


「ブレアの技術が盗まれたって、そんな簡単に侵入されたのか?」


「いや、カジェルが思ったよりブレアに近かったのかもしれない」


「……!!」


 なるほどな、私たちには理解できないが結界などはコードがあるらしい。当たり前だが「味方は通し敵は通さない」そういった仕組みが魔法にはある。


 カジェルごときに遅れを取った格好か。割りとブレアとカジェルが親しかったとか? あ、いや、同期だからか。……ブレア、けっこういい加減そうだから学生時代から鍵を変えてないとか?


 まあ結果はこの戦場にある。


「思ったんだが、やはりデーモンの技術はカジェルどころかブレアにも使えないのか」


「理由はいくらか思い付くけれど、逆にそれが成ってしまったらヤバいわね」


 セレナがヤバいと言うのだから死ぬほどヤバそうだ。幸いカジェルはそこまで到達していないようだな。そう思っていたらセレナがいきなり騒ぎだした。


「ヤバい、ヤバい、ヤバいわよ! 私たちはまだデーモンエンペラーを補足していないのよ!」


「あっ……! 奴らがカジェルに協力する可能性は?!」


「分かるわけ無い。でもヤバイ」


 可能性の域は出ないがセレナがヤバいと評価する以上、私は女王として対策を打つ!


「スキル:軍神:魔法無効フィールド!!」


 セレナやアイリスのハイレベルなスキルは防げないが、中位の魔法や精霊は確実に妨げるスキルだ! 今のうちに強いデーモンや精霊の反応を掴め!!


「やる……!! 軍神、伊達なスキルじゃない!!」


「当然だ! だが、油断はするな!!」


「アイリス!!」


「分かってるわよぉ、カビだらけ変顔で気持ち悪ド腐れ発酵悪臭よれよれズタボロアンデッドどもは早めに浄化浄化あ!!」


「アンデッドたちがアイリスの悪口だけで浄化されている?!」


「今はそれどころじゃない……けどなんで聖術じゃなく悪口で?!」


 私もセレナも動揺を隠せない。やはりアイリスは聖女、頭おかしい。


「聖女、って頭おかしいの?」


「だいたい昔からそうであるな!」


「ちょっとお!! 誰がおかしいのよお!! これ程真摯に神に仕えている清くたおやかにしておおらかな聖女を捕まえてえええ!!」


 まじおかしいな聖女。まあそれは置いといて。おかしい聖女のお陰でアンデッドは吹き飛んでいってるのだからな。デーモンも聖女には敵わん。そもそも聖女だの魔祓い師だのは悪魔こそを敵としているんだからな。


「おっらあーーー!! 誰が変顔で卑しくてルーフィアのパンが大好きでママのオッパイみたいにルーフィアにしがみついてるセクハラ聖女よおおおおおっ!!」


「「誰もそこまで言ってないいいい!!」」


「聖術:星の雨:聖彗星!!」


 世界が光で薙ぎ払われていくな。


「大変、テルナ様、アイリスが思ったよりだいぶおかしかった」


「想定内であるぞ。しかしデーモンもぼちぼち出始めて……アイリスがボコっておるな」


「聖術:天聖光滅:光精大海嘯!!」


 おかしいな、ここに魔王いたかな?


「大変、テルナ様、アイリスが思ったよりだいぶおかしかった」


「その台詞繰り返し聞きたくなかったぞ!」


 う、うーん。聖女って戦場で無双するものだったかな?


 まあ敵がゾンビやデーモンだから独壇場と言えばそうなんだが。


 まあ雑魚の露祓いが済んだと思えば良いのだが。


 戦争というのは、勝ちすぎというのもよくないのだ。


 相手の奥の手、なりふり構わぬ攻撃が来るぞ。






 少しでも面白いな、続きを読みたいなって思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!


 評価はできれば☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします!_(:3」 ∠)_


 あっれー。テルナ様に活躍させようとしたらなぜか聖女がおかしい話になった。


 またしばらくお休みです。



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