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テルナ:クレモットとニターナの争い

 一回だけ更新します。体調が悪くて作品をあまり更新できなくてすみません。



 いよいよ終盤が近づいている。世界がある限り戦乱が無くならないのはセレナに指摘されてはいるが、平和な時代が長く訪れる勝ち方があることもまた、セレナに指摘されている。私にできるならば、そうは思っている。しかしながらカエデにニターナを取り込ませるのも戦略というものであろう。


 セレナはニターナに滅んで欲しくないそうだ。カエデが間違えない保証などどこにもないと。だからこそにらみ合いでもいい、対等な国が欲しいと。


 恐ろしい。セレナは本物の天才だ。そして私はすでにそれに飲み込まれている。


 魅力的なのだ、奴は。平和を愛しながら全てを焼き尽くす力を得てしまった、それなのにスキルに頼ることもなく世界を変えていく。……美しい。


 だから私は奴に乗るのではなく、その上を行ってやる。カジェルだったか、死者を弄ぶ男、私が殺してやろう。くくく、我はニターナの女王である!


「陛下、いい顔をしていますね」


「今の私はどう考えても物語の主人公であろう?」


「かっこいいですよ、女王陛下」


 新しく参謀に置いたレンナルはなかなかに分かっている。本人も魔法少女を謳っているからな。ただの風術使いだが。


 さて、私自身はソックセンに陣を構えてるのだが帝国とは王都と海戦の方が早いかもしれん。そっちは血族に任せているが、どうかな。


 ぶっちゃけると王都が崩れるならカエデに逃げ込めと言ってある。……負ける前提じゃないがな? まあ保険として。


 正直な話、ブレアがいない帝国などルーフィアに支えられたニターナが負けるはずがない。最近は水の四天王により聖水を無尽蔵に補給されている。……カエデの臣民がみんな死ぬほど働いてるのがちょっと可哀想だが。


 まあだからこそ、我らは負けるわけには行くまいな。そもそもルーフィアのエリクサーで守られてガチンコしまくったうちの騎士団はみんな化け物のようにレベルが上がっている。


 ……本体のカエデの騎士団がどれくらい強いかは推して知るべし。


 うーむ、まあソックセンは返さないとだからなあ。それまでにどれだけ帝国を切り取れるかは我が国次第だ。


 ……あのなんと言ったか、ブレアの紛い物みたいな奴、カジェルな、奴は我らで倒してやろう。間抜けな研究者に戦略も練れまいが。


 帝国を本格的に潰すとなると一番厄介なのはカジェルなんとかという研究員ではなく、宰相のアンナだろう。奴を仕留めなければ帝国を傾けることすら無理だろう。実質カエデに負け戦ばかりしてるのに帝国はまだ沈んでいない。


 勝負だな。


 危険ではあるが東は海上の制圧を命じてある。本気で争うなら東だ。ソックセンからクレスタールまでは我らとカエデの連合軍に作り替えていく。一気に東進し、この戦を終わらせる。


 永き因縁のクレモット帝国、ここが滅びの時よ。ふふふ、バックにルーフィアがいる安心感。我が軍も意気軒昂。負ける気がしない。東と西で大戦争と行こう。


 カジェルとやらに研究させる隙など与えねばいい。シルフェイスとやらからカジェルにブレアの研究を盗まれたとすでに聞いているが、……馬鹿め。私たちがなにもしていないと思っているのか?


「開戦であるな」


「なんでパスタにパテが乗ってるみたいにご機嫌なんですかねえ」


「最近パテに頼るの増えたよね。ルーフィアに影響され過ぎだと思う。セレナによるとたんぱく質は大切だが肉ばかりはコレステロールがヤバイらしいぞ」


「コレステロールがなにか分かりませんけど魚なら大丈夫らしいですよ」


 本当にセレナは神のごとき知力がある、奴はヤバイ。もう我が国の秘奥すら抜き出していそうな威圧感?


 そんな感じがあるのだ。


 ……私はルーフィアには気持ち良く負けてやりたいんだがな。私が高価な商品を負けてやろう!


 ルーフィアっぽく言ったらセレナがなんか優遇してくれた。本気で好きなのだな。可愛い。ルーフィアはなんか神酒を大量におごってくれた。


 これ、あれだよな、アンデッドキモいんでニターナがやっちゃってください的な。


 言っておこう。私も女の子である。ゾンビはキモい。女の子って年じゃないが。


 はあ、まあこういうのも大人の責任なのかね。やったりましょう。ニターナがどんな国になったか見せつけてやろう。我がスキルは軍神、戦こそ我が道よ!


 それでまあチマチマゾンビを焼きながら北進しているんだが、……弱いぞ? おかしいな、なにか出てくると思ったんだが、逆に不気味だ。


 ゾンビは焼くけど有限なんだよな。畑から生えてくるわけじゃないんだから。


 うーん、このまま終わりとは思えん。北はデーモンと繋がっているんだからな。


 実は魔物の軍団をカエデに借りてるんだ。これで終わったら困る。ゴブリンたちもちょっと申し訳なさそうにしてるしな。まあまあ金は払ってるから。


 セレナとアイリスも控えてもらってるしな。正直この二人がいるだけで負ける気がしないが、それにデーモンが出てくるのが怖いとは言うが、デーモンが出たらこっちも熾天使のティファナとアークデーモンのローランドが戦ってくれる。


「ゾンビは全部焼く。ルーが怖がるから」


「まったく存在する意義もない気持ち悪い腐れた脳ミソの大群はさっさと聖なる光で薙ぎ払ってやりたいわ!」


「聖女口悪いな? まああれだ、セレナもアイリスも実はうちの軍属だったりするんだがな」


「お、確かに」


「どういうこと?!」


「実はまだ聖女がニターナを巡回している設定は続いてるんだな、これが」


「亡命する」


「と、いうか、そういう扱いにしないとお前たちを捕らえないと駄目だから、そんな危ないことはできないからな。亡命と言われると困るんで移住にして欲しいかな」


「そうする」


 セレナはやっぱり頭の回転が早い。ただのこっちの都合でしかないけどな。普通にカエデ女王国もまだ存在を認めてないんだよなあ。早すぎるんだよ大国化するのが。物理的に認めないと駄目になってるからな。一応はニターナ議会も認めるしかないとなってる。よく女神が降臨するしな。宗教的にも認めざるを得なくなってる。なんなのあの女神様。可愛いけど。





 魔物軍含めセレナとアイリス、限定的な戦力ではあるがまあ半端なものではない。相手がデーモンであれば負けるわけにはいかない戦いだが、負ける気がしない。


 ルーフィアたちは南でブレアと最後の殴り合いとなりそうだとか。……これで大陸は落ち着くのか?


 なんだ。磐石なはずなのに、妙な不安感を感じるのはなぜなのだ?






 少しでも面白いな、続きを読みたいなって思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!


 評価はできれば☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします!_(:3」 ∠)_


 ちなみにモアリースト司教は教会所属です。



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