新しい日々
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とにかく南はリンゴが一旦制圧したので、敵がヤバいくらい強いけど停滞している。
……ブレアが本気だ。もう遊びみたいなものを感じない。……なんかもう、出し惜しみしていた戦力も出してきそうだね。エリーシアだっけ? ブレアの主力が来る。
警戒はしているけど北もまだまだ終わらない。帝国はニターナとやりあっているからボクらはあんまり戦力を割くつもりはないんだけど、それでもセレナとアイリスをぶつけているからね。本気っちゃ本気だよ。対アンデッドなら最強の二人だもの。
今後は南を睨みながらパン屋をする。
……パン屋しなきゃダメ?!
まあまだまだパン屋しなきゃダメか。新しい日々が訪れた気がしたけどそんなことはなかったぜ。クラリスさんが心なしか痩せ細ってるぜ。魔王を倒すのは問屋だったんだぜ。
だいたい何千万ものパンを選んでぶつかることもなく問屋から出して荷馬車に積み込むってどんな作業量だよ。死ぬわ。
今後は……正直ブレアと激戦して北を治めてなんだけど、政治的なところはもう北のクレスタールと繋がってるし南はクラリスさんいるし、どっちも終わってる感あるんだよねえ。
どうやったらパン屋が天下取るんだろうねえ……。賢王って呼ばれる人はたぶん周りが優秀なんだろうなあ。頭に入りきらんもの。
北でセレナたちがにらみあってるウエネー公爵は、案の定アンデッドのせいで畑とかダメになってる。
当たり前だ。農家なめんな。ゾンビやスケルトンに畑なんかできんわ。小さな虫とか病気を見つけて報告して対処して、そんなことアンデッドができるならそりゃ不死者だわ。リッチに手工業やらせてるようなもんだ。コストお。
スキルありでリッチレベルの手工業してる人はうちにいっぱいいるけどね!
なんでか才能が集まるなあ。……そんなにサンドイッチやハンバーガー好きなのか。
そういえばセレナが「そもそもサンドイッチやハンバーガーは作業の片手間に食べるために作られた」とか言ってたなあ。産業革命やらは意味が分からなかったけど。スキル持ちがいなくなれば産業は壊滅するのがこの世界らしいけど。
ボクやリンゴみたいな生産スキル持ちは多いんだけどねえ。こういうことを考えてるとボクも国を運営してるんだなって思うよ。役に立ってるかは察しろ!
サラダサンドと冷たいスポドリうまいね。そういえばサッカーや野球の運動施設も作るらしい。
セレナにしてみると時代的にはそろそろ娯楽を必要とし始めて子供向けのスポーツだったものに正式にルールができてプロスポーツ選手も出始めるみたいなんだよね。
ただ、セレナが忙しすぎて爆発してるのでアイデアだけ流してるらしく、それで儲けてる人はもうセレナに頭が上がらない。セレナはカエデ女王国の産業界は牛耳ってるね。
フランベルジュ伯爵家がカエデで復活したと言われてる。ちょっと泣いた。
しかしセレナとかクラリスさんが死にかけてるから思うけど本当に国家運営は大変だよね。
モアリースト司教なんかあの年で内政から外交から宗教関係のまとめもやらされてるしハスターくんも外交に内政にとテレポーターのタクシーさんをつけて走り回ってるし。そもそもモアリースト司教いくつ? ほとんど魔物だよあのひと。活力を上げる系統のポーションなら無尽蔵に出してるけど。
誰かが国が起こるタイミングは忙しいって言ってたけど忙しいの終わる気配ないよ?
教育も必要だけど先生がまだ少ない。この国始まったばかりだしなあ。でもすでに識字率は高い。だいたいセレナのせい。
内政でいうとスキル製品を上回る物を作るムーブメントは起こってる。セレナもスキルだよりなんて経済的に危なすぎるって言ってたな。
実質ボクが死んだらこの辺りは終わると言われてるしねえ。それでみんな過保護なくらい守ってくれるし。うらやましい? ブラックパン屋やる?
スキルは平等だよ。ちなみに影ですごい頑張ってるパンの紙袋作ってるスキル持ちがいることを覚えていてあげて。幽閉してるわけじゃないけど塔にこもりきって紙袋を作り続けている少女を。なんか吟遊詩人が吟ってた。……いや、なにしてるのよ。存在すら知らなかったわ。
まあブラック被災者なのでレベルは高いけど戦闘しないからそっとしておいてあげようね。
それからしばらくはなぜかブレアは動かなかった。なんかあったな。知りたくないけど。
そう思っていたらシルフェイスがパンを買いにきた。
「激烈ニューショッキングヒートカレーパン」
「それ本当に辛いよ?」
みんなが普通にショッキングヒートカレーパンを食べるようになったのでチャレンジメニューのつもりで作った奴だ。残してもボクが消すだけだ。ちなみにライムに食べさせたらピンポン玉くらいに縮まった代物だったり。
ライムが『絶対食べれない』なんて言うとは……あの子溶岩食べてたんだけどなあ。戦場を溶岩まみれにするパン屋がいるからね。パンメテオ回収しないともったいないから食べさせた。消せるけど。ちなみにライムとはもう念話できるよ。長年の相棒だからね。
「チャレンジメニューなら『巨大ドラゴンステーキサンドハンバーガー十キロ』とか『味の変わる各種フルーツの氷結アイススムージー二リットル』とか、『ホットドッグ五十本一気食い』とかあるけど。あと個人メニューで『メルフィーナおすすめハンバーガーセット五十選』とかはあるね」
「女王ルーフィアの求める方向性に光の精霊が混乱しました」
「ボクは普通のパン屋だねえ」
「普通のパン屋はドラゴンを倒したり大国を制圧したりはしません」
「しないねえ」
ボクだってしたいわけじゃないんだよ!! パン屋もしたくないけどねえ?!
なにをしていたいかって、のんびり暮らしたいよ。隠居しようかな。
このままいくつも国を落とし、知り合い会話を交わした相手を殺す、そんなの幸せじゃないからねえ。
「はあ、まあ出すよ、パンを。あと受付で頼んでね?」
「ルーフィアと話せと言われています」
「なにかんがえてんのブレアは」
「……精霊兵の中には意志疎通できる者もある。よってその者たちのカエデ女王国への移籍を希望いたします」
「は?」
ん? なんでこの段階でブレアは自陣を解体しにかかってるんだ? 新しい研究も進んでいると聞いてるのに。シルフェイスにだけど。
「覚悟するのだな、と。次が最後なのだと」
そういうことらしい。
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まとめるのが難しいです。でも終わりはもう決まっています。




