表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

140/167

驚異

 リンゴが暴れます。



 リンゴの戦いをレグイーナンさんの水の術で見る。距離にして三キロほど離れているんだが、便利だね水術。音の方もウィリーちゃんの眷属の人が担当してくれてるよ。


 敵はリンゴたちの突然の攻撃に狼狽えている。夜襲だしね。コヨリ姫の一撃から始めたようだ。あれはヤバいからねえ。色々な属性のブレスが放てるのに火の四天王ってなんだよ。まあ本人が楽しそうだから良いけどね。夜中にやられた敵は堪ったもんじゃないだろうけど。


 むこうにはリナレアさんたち四天王が揃ってるからそうそう敗走したりはならないはず。みんな生きて帰ってね!


 まあリンゴがすごい強い。絶対ボクより強い。変身するし。たぶんなにごともないだろう。ただ、リンゴの戦闘スタイルだと地道に削るしかないらしいけど。隕石とか火山とか広範囲すぎて味方がヤバい攻撃はあるんだけどね。リンゴ自身それらの技は使い勝手が悪そうなんだけど。


 ……うーん、ボクも奥の手はあるんだけどねえ。というかみんないつ修業してるのか知らないけど奥の手は持ってるんだよね。ボクなんてパンを作ってるだけだけどねえ?


 リンゴは第二形態?で戦場に立ったよ。一応油断はしないってことかな。


 クラリスさんによると第三形態の魔王はほぼ無敵だけど長くはもたないらしい。本当に奥の手なんだろう。逆に言えば第二形態でも大抵の魔物や魔族は抗えないんだろうね。四天王はみんな第二形態できるんだよねえ。


「食らえ、メテオ!」


「うわあっ?!」


 いきなり大技で敵の砦を潰しにかかるリンゴ。映像だけでボクはビックリしたよ。


 だけど敵兵があんまり死んでない。魔族はただでさえタフなのに精霊化していてダメージが入りにくいようだ。リンゴには威力偵察だけして早めに引いてもらうように言ってあるけど、変身している影響なのか好戦的になっているようだ。ガシガシと攻めていく。


 そもそもこの形態になったら魔王側も引けなくなるらしい。……敵も逃げられるものではないけど。セレナに言わせると「大魔王からは逃げられない」らしい。


「周辺の魔力をコントロール下に置くからテレポートなどの空間に作用する魔法はほぼ妨害できるし、粘土の中にいるようなものだからな、逃げられまいな」


「その状態でどうやったら魔王を倒せるの?」


 普通にあのリンゴに勝てる気がしないけど。


「力ずく?」


「魔王に聞いたボクがバカだった」


「ひどくない?」


 そもそもクラリスさんはあのリンゴより強くなるんだよね。怖すぎる。いつもは二人とも可愛いのになあ。


 リンゴは土の大剣で身長五メートルは超えてるジャイアントを撫で斬りにしていく。しかし、敵も精霊化しているためかすぐに傷が塞がっていく。鬱陶しいな!


「相性が悪いのだ。まあ、倒せなくはないか……。雑魚でこれとはな」


 さすがにブレアの本気が見て取れる。リンゴも物理主体だから厳しそうだ。クラリスさんは無表情で余裕そうだけど。リンゴはこんなものじゃないってことかな?


「千切る。千切る。千切る」


 リンゴが何事か呟きながらゆっくりと歩いていくと、巨人が次々にバラバラになっていく。なにが起こってるのか分からないが、リンゴの第二形態の力なのだろう。


「瞬間的に爪を伸ばして撫でているだけだな」


「え、すごくない?」


 パワーだけで倒してる? この状態のリンゴってドラゴンでも抗えるのかな? いや、魔王の力ってこういうことだよね。力だけで王様になれるんだから。うーん、普通にこれは戦争に使っていい力なんだろうか?


 虐殺にしかならないよねえ。まあだから魔王なんだけど。


「……思ったより強いのだ……。仕方あるまいか、あれをやるのだ」


「む、リンゴの気配が変わったぞ」


「うん、すごいプレッシャーだ!」


 戦場の中にあるのに全身の力が抜けたようなリンゴの様子は異様と言える。ただ、魔力は更に暴走気味に集まっていく。……これが、魔王?


 背筋が凍りそうだ。ボクなんてただのパン屋の社長だね!


「第三形態……ツキ姫」


 その瞬間、リンゴの体が敵対している巨人たちより大きくなった気がした。気配が、存在の大きさが変わった。


「この力を使わねばならんとは、かなり厄介であるな。……かあさまやルーなら余裕か?」


 いや、なんか言ってるけど、遠く離れたところで見ているのに死の恐怖を感じているんだけど?


「魔王の本気だ。見ておくがいい」


「……うーん、ブレアはボクを超えれるかもしれないけど、魔王はもっと凄いようだね……」


 リンゴは全身を青く光らせている。まるで超高温の炎のような魔力が噴き出している。


 ……ねえ、リンゴ、威力偵察のはずだよね? 終わらせに行ってない? たまに暴走するな。


「我は魔王なり」


 ……うん、なんか嵐?


 リンゴが歩いていく、敵が襲いかかる、チリになる。あれ、ボクでも前に立ったら死ぬやつじゃない?


「いや? ルーフィアならあれくらい耐えるであろう?」


「なんですかねえその過大評価?!」


 ボクは普通の女の子ぉ!!


「無理を言うな」


「ただのブラック企業の社長! 普通の女の子!」


 クラリスさん、可哀想な子を見る目はやめて!? なでない!


 リンゴは次々に巨人を灰にしていく。どうやらサンドペーパーみたいに空気中を砂で満たして削っているらしい。こええ。


 さすがに魔力が尽きたのか収まってきたけど。大規模魔術過ぎるね。


「さすがにここまでであるか。では、奥の手を見せよう」


 またリンゴが魔力を噴き出している。すごいな。こんなに離れてるのに圧力がヤバい。というかまだ余力を残してたんだ。……リンゴの本気が見れるんだね……。


 それは、圧倒的な、魔王を目指す者の力。




「土津波」




 瞬間、月明かりに照らされていた世界が暗転した。


 土というか岩の嵐である。火山とかメテオとかではなく、地面が捲れ上がり、全てが押し潰されていく。


 リンゴさあん?! 強すぎ!


 これが、リンゴの奥の手か。世界がひっくり返っていく。地面がなくなり、天が無くなる。暴虐の嵐。


 リンゴの前には土砂しかない。


 ……。


 だから威力ていさつぅ!! 倒しちゃったらダメえ! ……いや、いいんだけど。リンゴを敵に回さないようにしよう。敵より味方の方が脅威だったわ。


 あっという間に敵領地が土に埋まる。まだ死んでない敵もいるけれども、ボクらはリンゴを迎えに行くことにした。残った雑魚はボクらで倒すさ。


 まったく、リンゴは頑張りすぎだよお。






 少しでも面白いな、続きを読みたいなって思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!


 評価はできれば☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします!_(:3」 ∠)_


 ルーフィアも強いんですけどね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 リンゴさん強過ぎィ!?ちゃんと魔王だったんだなぁ···(ハイパー失礼) こんなんを筆頭に強者がゴロゴロいるルーフィア軍(?)に勝とうと頑張る(悪知恵をフル回転させてる…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ