いろいろ改善するぞ!
今日は二回更新しよう。ストック全然ないけどね。二回目は夕方さ!
孤児院に来た。ふわふわ甘いパンをたっぷり詰めた袋を三つ用意。目的は戦力の確保だ。売り子ひとりでも助かる。ちなみに紙袋は結構安く売られているのでそれを買っている。百枚で10グリンくらいかな。パン一個で買える。
「ごめんくださーい!」
声をかけると子供が出てきて、すぐ帰っていく。しばらく待つとシスターさんを連れてきてくれた。いいね、この女の子。小さいけど元気だし気が利く。小さいと言ってもリンゴくらいだから大丈夫。
「ボウヤ、なにかご用かしら?」
シスターはおっとりした感じ。頭巾をしていて髪色は分からないけど瞳はボクと同じアクアマリンだ。
「ボク成人してるんですけどね、お店をやってるんです。露店ですけど」
「あらあら~ごめんなさい。もしかしてお手伝い? ひとりで一日二百グリンよ?」
話が早いな。こういうお客も多いのかな。二百グリンならかなり安い。明日の売り上げは一万は超えるはずだし。
「じゃあ明日から頼みます。開店は不定期で露店商ですけど大丈夫ですか?」
「それで大丈夫ですよ」
「それで、その元気な女の子を雇いたいんですが」
「この子は十二才だけどいいかしら?」
「元気だし気が利きそうなので大丈夫です!」
こうしてあっさり商談が決まる。ちなみにシスターはウィンリーさん、女の子はミーヤちゃんだ。年のわりに小さいけどボクもこんなものだった。ご飯食べさせてあげなきゃ。やった!って喜ぶミーヤちゃん。この子は大丈夫だ。
翌日は早めに出ることにした。抱き枕状態のリンゴを起こすとやはり眠そう。お茶を飲ませて起こすとしゃっきりしたらしい。洗面を済ませてご飯を食べる。朝は軽めのサンドイッチがいい。今日のはクラブハウスサンドとかいうボリュームのあるサンドイッチだけど。一日頑張らないとだからね。
歯を磨いてしゃっきりしたら出かけよう。薬草や山菜は商業ギルドでさばける。これも数百グリンにはなるのでパンを数十個さばくのと同じ、かなり美味しい。子供が二人雇えるかどうかだからね。
孤児院にミーヤちゃんを迎えに行く。一応ミーヤちゃんたちにはボクが女の子だと話してある。ボクは子供に好かれるのかよく結婚を迫られるからね。なぜか同性で成人してる友人に結婚を迫られたこともあるけどね。女の子だからね?
まあ露店商するなら坊主って言われる方がいいんで。
ギルドで今日の予定を話してリンゴ入りパンを渡すと受付のお姉さん、セトラさんに色々言われる。
「いつも有り難いけど、気を遣わなくてもいいのよ? あと原価は税金かからないんだからちゃんと申告しなさいね?」
これはもう仕方ないので、こっそりパンと水のスキルの話をする。ものすごいビックリしてるけど声を上げないのはさすがだ。
「それはなんとまあ、商売に向いたスキルねえ?」
「ちなみにこの子、リンゴが土術でコップとか作ってくれるんでそれも売りに出す予定です」
「さすが神様のスキルだわ。頑張っていってらっしゃい!」
「有り難うございます、行ってきます!」
セトラさんは若いけどしっかりした受付だと思う。声のトーンをしっかり変えて話してた。さて、行こうか。
場所についたらスキルがBランクになって覚えたポーションで、浄化水を大量に出してきっちりコントロールして場所全体を清潔にする。
ゴミなんかも小さければ消えるんだよね、便利すぎ。トイレをこれで流すと一瞬で綺麗になるからタンクから流せるようにリンゴに作ってもらった。これが無料とかチート過ぎる。
店構えを整える。昨日と違い簡易屋台を十日で千グリンで借りた。お客さんを屈ませるのが申し訳ないからだ。りんごジュースタンク、オレンジジュースタンク、お酒はどうかと思ったけど軽めのビールを少しお高めに売る。値段設定は昨日より高くした。適正価格を教えてくれたお兄さんの決めた値段にした。
「おう、坊主、今日ももらうぜ、って品揃え増えてるし価格しっかり直してるしビール? 屋台で? もらおう!」
ビール買うんかい。売ってるんだけど。まいど!
「くうおおおおおっ! キクー! なんだこのエールに比べた時の冷たさと炭酸の強さと泡の細かさ! 今日は仕事やめてここで飲む!」
「仕事はしてね?」
「いいんだよ、こちとら屋台なんだから」
「なに売ってるのお兄さん」
「雑貨だなあ。まあ今度見にこいよ。って暇がないか!」
「お陰さまで大人気だよ!」
この親切なお兄さんはロンさんというらしい。仲良くなった。ちなみにホントに閉店まで並んでは飲んでたから飲食スペースが欲しくなった。最後まで潰れないのはなかなかの飲んべえさんだね。
この日はお酒あるし、もしかしたら荒れるかと思ったけどお客さんがかなり協力的できっちり行列を作ってくれた。時間が昨日の倍で売り上げは値段を上げたのもあってなんと四倍の二万四千グリン、税金を引いて二万千六百グリン、屋台レンタル千グリン。人件費は頑張ってくれたと言うことで端数の六百グリンを出して二万グリンの儲けだ!
これはけっこう売れてる店の二ヶ月分! 儲かりすぎじゃない?! ブームはそのうち過ぎるけどひと月に一週間も働けばいいからダンジョンの籠城戦になってもお金には困らないね。神スキルで原価がかからないし税金が安いにしても儲けすぎた。まあその神スキルの魅了に近い能力のおかげなんだけどね。
シスターウィンリーにはもらいすぎではと恐縮されたけどものすごい儲かったから寄付してもいいくらいです、と言っておいた。余り物と嘘をついて大量のパンを渡しておく。
その日はロンさんと約束していて、開店祝いをすることにした。男の人は怖いので女の人を何人か呼んでもらってある。パーティーは賑やかが一番だ!
「小さな男の子が女の人呼んでって言ったと聞いたからとんだおませさんかと思ったら女の子ね」
「女あっ?!」
あ、バレた。いいけどね。ロンさんリアクションいいよね!
ここだけの話と能力公開して好きなお酒を注文してもらった。メニューは作ってある。サンドイッチもお肉、野菜、フルーツで何種類も出しておく。残飯はこっそりライムが回収した。
ロンさんは最後まで良い縁ができたと大喜び。みんな上機嫌で楽しかったよ!
ちなみにリンゴが魔族バレしたけどみんな珍しそうにするだけだった。町住みの魔族はこの町だと少なくないらしい。助かるな。
ちなみに三日目、四日目とお客が減るどころか増え続け、さばききれないので孤児院戦力を三人に増やして注文を二人ずつ聞くなどしてメニューも作ってりんご酒まで売り出して、大変なことになった。休むと怒られそう。
そんな中、二週間目に事件は起こった。
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