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魔王国動乱

 思いっ、きり、寝てました。すみません。



 んで、帰って終わりとは当然ならない。問屋で補充作業しながら南方、魔王国がヤバい話を聞いた。


 なんか強化された魔物の軍勢が北上、つまりは魔王国の王都に迫っているらしい。


 え、それ、なんかヤバい奴じゃない?!


 あああああ、ブレアのヤツだ。魔王国に抜けたのかあ!


 北が無いなら西か南とは思っていた。さすがに東のニターナとはいまさら絡まないだろうとも。南に抜けて魔王国、しかも侵略か。


「レグイーナンさんは?」


「逃げる準備はしているらしい。エルエーナ街道が開通したからな。それで罠を張りながらこちらに向かうようだ」


「また人口爆発う! しかも大食い多そうぅ!」


「問屋……問屋辞めたい」


「魔王のライフもピンチぃ!!」


「だ、大丈夫だ、まだ二回は変身できるからな……」


「問屋に切り札使っちゃダメえ!!」


 どこの魔王がパンを売るために変身するんだ!


「我の販売力は五十三万だとか、セレナが言ってたけどもう二千万以上売ってるんだが?」


「なにその謎数値?!」


 たまにセレナは意味が分からないこと言うよね!


「それはもう置いておこう。レグイーナンさんは反撃しなかったの?」


「それがずいぶん広範囲を攻められてな、四天王が戦力をバラけさせられて各個撃破されたらしい……くっ!!」


 マジでガチヤバい状況じゃないですかあ。


「うちの四天王、送る?」


「いや、戦力が足りない。コヨリ姫に安全圏からブレスを撃たせて撹乱して動きを止める、とかはあるが……」


「敵の戦力が分からないでは切り札にもなってるコヨリ姫は使い難いよねえ……。補充は終わったし帰ってみんなで作戦練るか……」


「そうしよう」


「そうしちょう」


「あ、コヨリ姫ちゃんだ、よーしよーし」


 唐突に現れたコヨリ姫(エンシェントドラゴン)をなでる。そうしちょうってなんだ? 喃語というやつかな? おさは忙しくてみんなも相手をしてくれないから嫌だと言って適当にしている。いや、すでにクラリスさんが問屋のリーダーなんでね、四天王はパン屋の幹部社員。


「なでろ! われはかわいいのである!」


「なにこの子マジで可愛いな」


 めちゃなでるでー。


「二千才超えているらしい」


「マジで?!」


「ふふん、わらわはがんちくがあるのであるぅ!」


 猫かな?! エンシェントドラゴンだと思うとこんな扱いしたら殺されてもおかしくないが?


 頭を持ってくるのでなでるが。


「そういえば頭をなでると魂が消えるからなでてはいけないって文化の土地もあるらしい」


「セレナはいろいろ詳しいね。キスしたら結婚しないとダメな国とかあるのかなあ?」


「カエデ女王国法に記そうか?」


「レイプ並みに不味いから止めて?」


「ルーのキスもレイプ並みに不味いけどね」


「え、マジ、そんなに?」


「軽い……」


 うわ、思いっきりジト目で見られた。あれじゃん、女の子同士のキスなんて挨拶じゃん?


 メルフィーナ伯爵もしてくるし。え、ダメなん?


「それで魔王国の話なのだが」


「メルフィーナ伯爵かと思ったらクラリスさんだったってことが最近よくある」


「似てきたよね、なぜか」


「勇者と魔王は仲が良いよね~」


「普通は殺しあう」


「平和で良いじゃないか。ところで魔王国の話だが、どうせまとまりやしないので全部くれてやることにした」


 大胆な戦略だけどまとめるのが難しそうな魔王国をまるごと押しつけて、元々戦力が薄い敵陣営をじっくり削っていこうと考えているようだ。いや、よくそんな国治めていたね?


 治めてないか。殺しまくってたんだし。ブレアも実験材料が手に入りやすそうで喜んでるかもね。力こそ全てな魔族多そうだし。……あれ、なんか忘れてる気がする。


「そういえばニターナが十六年前くらいから開戦を煽って新書派を作ってたけど、なんで戦争になりそうでならなかったの?」


「我が強いから?」


 それもあるんだろうね。開戦に踏み切ろうとした魔王は殺されたし。


「だよねえ。今はニターナはテルナ様がコントロールしてるから魔王不在でも仲良しみたいになってるけど……」


 これニターナが大変なやつじゃん。だいたいこういう援軍派遣はセレナがとっくにやってたりするけど。


「セレナすごいな」


「違う世界が見えてるんだよねえ」


「照れる」


 クラリスさんとボクは感心しきりである。盤面を上から見てるんじゃないの?ってくらい状況把握が早い。


「帝国もカジェルを通じていくつか戦力を得て、反撃となると、ほぼ無傷で西方を征したうちとは戦いづらい。そこにニターナが東西南北に戦力を分散させている現状、南から魔王国の反乱と侵攻、こうなれば挟み撃ちだからクレモット帝国は特に魔王国側と繋がらなくてもニターナ領土を剥ぎ取れる、と、考える。なので私たちはセメレーナから軍を出してクレモット帝国を牽制しつつ魔王国の反乱軍と対峙して行かなければならない。戦力は足りてるからブレアを潰したいところだけど、シルフェイスのこともあり、強すぎる。なのでまずはカジェル、帝国を潰す一石を打ちたい。ニターナは保護するように動く」


「「おおぉ~」」


 読みが深いなあ。そんなのボクは全然考え付かないよ。南にブレアがいてヤバいからそっちから潰したい、としか考えてなかった。ところでクラリスさんやっぱり脳筋なのね。思いどおりにいかないなら殴っちゃえば、って人です。


 頭が悪いんじゃなくて考える必要がないほど強いんだよね。そういえばリンゴのお父さんも魔王と近い時期に亡くなってるな。魔王国の歴史っていまいち分からん。


「魔王は十人くらいいつもいて、気にくわないやつは殺す歴史?」


「バイオレンス! バイオレえンスぅ!」


 魔王国の歴史を編纂できる人はいなさそう!


「私の旦那は停戦協定をニターナに持ち帰ったところ、殺されたらしい」


「……お、重い」


「今の旦那は浮気性で辛い」


「ごめんなさい!! 断固謝罪する!! やめないけど!!」


「添い寝一回で許す」


「逆に扱いが安くない?!」


 ヤンデレはイヤだけど!


 ところでボクはどこを攻めるといいのかね?


「妻を?」


「戦略の話ぃ!!」


 セレナによると南の動きが急激な上分かりづらいので、まずは南は留め置いて北を攻めたい。南は情報が入るまでレグイーナンさんを中心にとにかく守り、戦力的に格下の帝国を潰し、そちらはニターナに任せて反転するのがいいようだ。


 セレナ、先の先まで見通してるのね。まあ読み通りになるか分からないらしいけど。


「北はわりと楽。冒険者の国クレスタール公国には北のデーモンを見張る必要がある」


 なるほどね、クレモットがデーモンを使っているから冒険者の国としては倒さずにいられないと。


 その間に北を潰すでも魔王国を潰すでもやらなきゃダメだけど、盤面を支配してるのは完全にうちだね。


 正直ブレアと決着つけたいんだけどね。どうする?






 少しでも面白いな、続きを読みたいなって思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!


 評価はできれば☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします!_(:3」 ∠)_


 セレナのは予測ですので外れます。外れても大丈夫な状況ですが。



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