ブレア:魔人たちの成長
最終決戦が近いですがストックはありません、すみません。
ふう、北は我も長引かせる気はなかったのですよ。いいアイデアが浮かびましたもので全面的に捨てさせていただきました。結果として建国祭とか稼がせてもらえましたな。小銭ですが。
シルフェイスさんのお陰で我がブレアなのはバレバレですな。まあお互いの顔を知っていた方が戦場であった時になにかと手を打てますからな。ルーフィア殿は情が湧いたら敵でも取り込む人ですからな。
彼女の本質的な敵は飢えだけ。見習いたいものですな。まあ我はもはや引き返すつもりも有りませんが。普通の研究者の道もあったはずですが、……ぶっちゃけ帝国を潰したかったのはあります。
ルーフィア殿には借りが多いのですよね、実は。その時点では多かった新書派を潰すために勇者候補たちを拐ったらルーフィア殿の友人だったらしく、怒りを買ってしまいましたが。
なのでルーフィア殿に挑み続けるのは罪滅ぼしの意味もありますな。しっかり怒って最後には我を叩き潰して、人の力は偉大だと思い知らせてくれるなら、それはそれで我は嬉しく思うのですな。
どうか人類の未来が明るいものとなりますように。
我が勝ったら? ぶっちゃけやること無いんで帝国とか潰すくらいですかな。その後は食料の品種改良とかやりますかなあ。あ、その前にセレナ殿に焼かれますな。
ああ、そういえばカジェルさんが失敗し続けているアンデッドの精霊化に我が目処をつけてしまいましてな。不可能かと思っておりましたがやりようがあると気づきました。さすがに我は天才ですな。
その方法を使って精霊兵をまず強化するつもりです。理論上は精霊将並みの力を手にできるのですが、まずはレッドさんで試しておきたいです。つまりは精霊将からさらに力を上げる。シルフェイスさんにも使えそうな技なのです。
しかしまずは副作用を見てみなければ、危なくて使えません。
それにまずはエリーシアさんとグリースさんの属性に沿った強化を試しているところなのでしばらくはお預けです。バートさんとコッダーさんも化け物になりましたがさらに引き上げれそうですし、人材が豊富になったと言ってよいでしょうな。
使えないと思っていたバートさんたちですが、ルーフィア殿にぶつけてみるのが楽しみです。さんざん罵られそうですな。……いや、原型をとどめてないので逆に呆れられるかも分かりませんが。
しかし今はさらに面白い研究対象を見つけました。この研究が上手くいけば一国盗れそうですぞ!
シルフェイスさんのようなほぼ完成品もレベルアップできますな。実験失敗したら死にますからシルフェイスさんは使えないんですが、いい材料が手に入りますでな。
最後にはクロカミさんの強化なのですが……あの方の属性は難しいですなあ。試せそうなアイデアはあるのですが、有効かさっぱり分かりませぇん。
なのでまたレベル上げしてもらっております。ダンジョンは五つに増えましたのでな。
……ルーフィアダンジョンならレベル上がりまくるでしょうが入り口くらいで精霊将がやられそうですな。あれダンジョンの意味ありますかねえ? 最奥にはコヨリ姫がブレスを咥えて待っているらしいですぞ。死にますな。
まあエリーシアさんとグリースさんは強化が済みますので新しく手に入れたダンジョンに入ってもらいましょうか。クロカミさんでも厳しいと思ったダンジョンですからな。
「あー、早く暴れたいねえ!」
「ぶっ壊す! ぶっ壊すぞ!!」
……正直二人とも炎属性で困っております。エリーシアさんの方は土属性が少し、グリースさんの方は風と雷も少し。多属性なのが逆に扱いづらいのですな。この世界では器用貧乏はなかなか成り上がれません。
アイリスさんを研究してみたいですなあ。あの方は成長が早すぎますのでな。
そういえばレッドさんを見かけませんな。サーチしてみますか……。……。え。……死んでる。
ちょまっ、ええええ?! どういうことですかな?! 誰にやられたんですかな?!
と、とにかく落ち着いて、精霊がなにかを見ているはずです。精霊の記憶の映像化は進んでおりますからな。シルフェイスさんの属性を探り当てたのもそれですぞ。
ふむ、やはりクラリスさんが絡んでおりますな。んん?
どうやってレッドさんを見つけたのかと思いましたが、ルーフィアさんにもしてやられておったわけですな。精霊虫ですか。比較的小さめな精霊の結晶で特徴的な魔力紋を刻むことで追尾がしやすくなると。
では映像をこっちのモニターで……。ポチっ。
『いいのか、ルーフィアに告げなくて』
『ルーは本質的には殺しに向いてない。私が殺る』
恐ろしいことを言っておりますな。この方はセレナさんですな……嫌な予感しかしませんぞ。大量虐殺が得意なお二人ですからな、懐に入られていたらヤバかったですな。
幸いそろそろ捨てようとしていたダンジョンにレッドさんを押し込んでいて正解でしたな。拠点をまたいくつか捨てませんとなあ。
しかし、このセレナさんという方、天才とは言われてますが、我と同じ転生者のような、懐かしい香りがします。
それだけに分かるのですが、キレると無表情になるタイプの方ですな。めちゃくちゃキレております。背中がぞわぞわしますな。寒いですぞ。冬ですからな。あれ、もう春ですか。
『レッドにつけられた精霊虫からするとこの方向だな。ダンジョンとは厄介だ』
『樹属性ダンジョンね。食べ物が多いわ。このダンジョンは確保ね』
『食べ物が手に入るとセレナは機嫌がよくなるな。ルーの応援ができるからな』
『ままままま、まあ、ね』
『お主がルーフィア大好きなのは傍目からでもバレバレだが』
『そそそそそ、そんなこと、は、あるけどね!』
(これ以上ツッコむと機嫌を損ねそうだな。楽しいやつだ)
いいですなあ、百合ハーレムでみんな仲良し。もっと覗きたいですが覗くとゴブリンシャーマンにバレますからなあ。ぐぬぬ。ムバウ殿を殺したらルーフィア殿が絶対にぶちギレるので手が出せません。本当に身内が大好きな方ですからな。あの方は魔族並みに情が深い。馴れ合ってしまうと攻めてこないのが証左です。
セレナ殿はルーフィア殿の代わりに、レッド殿を消しに来たのですな。
あ、遭遇したようです。
レッド殿の火力が霧散しました。相性が最悪にもほどがありますな。体温をゼロにされて亡くなったのですか。炎術、熱吸収。理に叶っておりますが、よく思いつくものです。ルーフィア陣営で一番怖いのはこの方かも知れませんな。
しかし、殺した相手を泣きそうな目で見つめる。……日本人にはキツいでしょうな。我もたまに死にたくなりますからな。
だが、これはもう麻薬なのです。強くなることを止めることはできません。
最後の時は、お互いの全力をぶつけ合いましょうぞ。
レッドさん、おさらばですな……。死体は灰にされましたか。墓は建てますでな……。
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ブレアと激突、まであと少しですね。




