表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

128/167

新年のお祭り

 暑いからなんか感覚が狂いますね。



 新しい年が明けるよ。大晦日!


 ボクらはお昼は掃除して、珍しく問屋も閉めて、(その前日に屋台用輸出用で徹夜で五千万もパンを出したのは置いといて)のんびり年越しすることになった。


 何故かセレナが無人島で0グリン生活しようかとか笑ってはいけないパン屋にするかとか大晦日だし歌合戦?とか、わけのわからないことを言ってたけど総スルーした。たまにセレナに任せたらダメな空気が発生することがあるんだ。


 スモーレスラーを総合格闘技に出したいとか言ったのは全力で止めた。土俵が違うからね。ぶっちゃけ総合格闘技の選手がスモーでは勝てないと思う。自分の土俵って大事よね。


 ……なんにしろ魔物を倒せたらよくない? セレナってたまにわけがわからないことを言うんだよね。


 まあ、このまま一日が終わり、一年が終わり、新年が、新しい年がやってくる。


 これから帝国と本格的に戦争だけど、ボクはワクワクしているよ。


 アンデッドはデンジャラス聖水で流します。キモい。


 なんか、いよいよ戦争が終わりそうだなって、そう思っていいんだよね?


「ルー、悲しいけれど戦争はそう簡単には終わらないと思う。ニターナですら係争地がある」


「……うへえ」


 ボクらが争う気がなくても明確に区分けされていない土地は多く、どこからどこまでがうちの土地かというのは明確になってない。だから税金の二重取りなんて問題も起こる。


 一つ一つ外交官が話し合って調整している。同盟国のニターナはお金で解決できたりするけど敵地は無理だろうね。やりたくなくても殴って奪わないと、民が困る。嫌になるよねえ。


 年越しはみんなでセレナが作り出したアイリスホイホイ、こたつなるウェポンに囚われて年を越す。お蕎麦をセレナが作ってくれたから食べるよ。面白い食感のヌードルだった。出汁がうまい。


 年越しの料理とお酒もたくさん用意して、今晩は(も)徹夜で、明日の初日の出を拝むよ。


 そのあとは新しく作った神殿、カエデ神殿に参拝する。ステンドグラスとかたくさん使って幻想的な施設になってて、見るだけでも楽しいらしい。


 神殿は宗教的には女神様が立ち寄る宿のような役割らしい。オレンジお姉さんと遭遇するかも? しそう。あの人暇そうだし。実務としては裁判所とか治療院の経営が行われているよ。


 年越しの大掃除というのが定番らしいのだけど、うちはゴリラたちがいつも清潔にしているので二十階層を超えるダンジョンなのにチリひとつ落ちてないよ。


 ダンジョン化しているのでどこも明るい。じっくり見て回ることがないからちょっと探検してみる。


 ダンジョンとはいうもののほぼ住処なので迷うような作りじゃなくて一本道。部屋はたくさんあるしゴブたちもゴリラたちもお洒落な羽毛布団や寝巻きを着ている。……なんで似合ってるの? ナイトキャップとか可愛すぎない?


 これらの商品を卸してくれる商人さんとは長い付き合いになっているのでと、かなり負けてもらえる。四割引とかさすがに悪いと思うのだが在庫が捌けるし儲けも出るからと喜ばれている。


 新年まで飲めや歌えの大騒ぎだよ。ゴブたちやゴリラや狼や、オーガにオークにコボルトまで、いつの間に集まったのかリザードマンとかもいるし、本当に賑やかだね!


 寒さに弱いリザードマンはこたつがお気に入りらしい。魔石を消費して温めるタイプだからたくさん魔石は確保したよ。


 さて、一晩飲み明かして朝がそろそろ来る。ボクらは外に出て初日を拝む。


 ゆっくりと白む空、雲がなくて荘厳に感じるね。日の出なんていつ見ても同じだろうとは思うけど、滅多に意識しては見ないから感動するね。


 こんな風に世の中が明るくなったらいいなあ。頑張ろう。


 さて、神殿に参拝に行こう。大きくて白い神殿にはたくさんの参拝客がもう集まっていたよ。なんか見たことある人が神殿の入り口でお捻りを集めている。クラリスさんは首をかしげてるよ。


「オレンジの姉様、お金に困ってる?」


「大金には困らないけど小銭には困ってるかもね。国営の両替商作ろうかな。女神が頻繁に利用する両替商ってなんだよ」


「それは助かる」


「見つかっちゃったよ。命令とかされないけど言われたら作るしかなくなるよね」


「ごめんね?」


「神様謝らないで~」


 威厳とかないよねこの神様。逆らったら怖いらしいけど。なんか教団の新書派の人たちはたちまち腐れ落ちたとか、千人単位で生臭坊主が腐れ落ちて生臭どころか死臭が漂ったとか聞いた。まあボクらが逆らうことはないけどね。


「前に世界なんて滅べばいいとか言ってなかった?」


「感情的になることってあるよね」


 本心ではないとも。精霊がホントかなあ?とかささやいててこわい。


「これから新年の屋台巡りしてきます」


「我も行こう。おかいもの!」


 なんだこの女神可愛いか。まるで女神のようだな! 女神だが。


「お捻りも金貨とか多いなあ……」


「みんな本物の神には気を使うであろうな……」


 ボクも魔王も屋台で使えないお捻りの大金貨の扱いに困る、ってどんな状況だよ?!


「これ、お釣りもらえるのかな。魔王よ、両替を頼む」


 魔王に両替を頼む女神ってなんだよ!? そんなにお買い物したいの?!


「豚串ください。焼き魚串ください。たこ焼きください」


「健啖家あ! 食欲も女神クラス!!」


『おかあさまはあいどるだからといれいかない』


「精霊までついてきてるう!!」


 怖いんだが? 女神様の気分損ねたら襲われたりしない?


 あ、ちなみに女神についてる精霊は神級精霊でブレアが使ってる意識を持たないレベルの最下級の精霊とは存在のレベルが違うよ。大陸をお遊びで消せる炎と焚き火の火花くらい違う。


 クラリスさんと二人でビクビクしながらオレンジお姉さんを連れてお祭りを楽しんだよ。寿命が縮まるわ!


 リンゴはなんかピンポン玉を救うゲームをやっている。可愛いなあ。着物が似合ってる。リンゴの角ってたまに触りたくなるんだよね。


 アイリスとセレナはくじを引いていた。二人とも小吉だったらしい。小吉って吉よりいいんだっけ?


 エリメータさんは聖水を買っていた。なんに使うのアンデッドなのに?! 敵のゾンビ対策?!


 オレンジお姉さんはくじ引きとかとことん当てるので(精霊が当てさせている)荷物が多くなりすぎている。収納スキルでしまった。そりゃそうだ、この人がスキル作ったんだからなんでもできるよね。


「パンと水も出せる」


「従業員に女神一人ほしいなあ」


 さすがに働けとは言えぬ。っていうかめちゃ働いてそう。スキルの管理とか大変そうだ。


 世界はそこに住む生き物に与えられた物。いい世界か悪い世界かは、その生き物たちが決めること。


 たまに理不尽に腹も立つけど、すべての者が同じ条件で生きてるんだものね。


 頑張るしかないか。また一年、生き残って、お祭りをやろう。






 少しでも面白いな、続きを読みたいなって思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!


 評価はできれば☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします!_(:3」 ∠)_


 お祭りを書きたいために書いてるような。皆様が楽しめたらいいですが。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ