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必要なこと

 思いきって二話投稿します。二話目は夕方になります。いいね、やブックマーク、有り難う御座います。



 お祭りが終わり、ボクは救った金魚たちを池に放してから片付けに回る。セレナと今後の方針について話しながら片付けた資材を倉庫に運んだりする。


「これからは帝国との戦いかあ……」


「帝国を仕留めたら当分戦争はない。少なくとも私たちが生きている間は(ニターナの動きは分からないけどね)」


「そか、頑張らないとね」


「もうすぐ冬、雪が降ったら春までお預け。春は畑や山菜や薬草の採取なんかで忙しいから暑さが出る頃までは戦争もできない。夏祭りもまたやりたいし」


 冬の雪の積む頃は本当に戦えないし、しかも世界的に寒いから冬が長い。農繁期を戦争に使うと飢えが進む。でも飢えるから奪うしかなくなる。悪循環だね。


 セレナとしてはボクが居なくても食糧自給率を200%になるくらいまで上げたいらしい。魔王国に輸出もできる。帝国を倒したら帝国領にだって。


「現実問題として、ハングリー伯爵は領民にかなりの重税を課してる。領民が逃げないように領境は封鎖され、商人も寄り付かないからどんどん困窮してる」


「なにそれ、許せないね!!」


「騎士たちは優遇されていて、貴族以外は家畜扱いらしい」


「ソックセンがいなかったらソッコー攻め落とすところだよ!!」


 民たちが飢えている。許せるものか。ボクの中でめらめらと炎が燃え上がる。今すぐにでも攻めたい!


「計画はニターナのテルナ様と練っている。おそらく来週にも出陣することになるわ」


 楽しみだね、外道の骨が砕ける音をたっぷり鳴らしてやる。ハングリー伯爵に全力の一撃をおごってやろう!


「攻めいるためには準備が必要。食料品の在庫は増やしておいて」


「わかった!」


 ボクの戦いはいつもパンから始まるね。パンより始めよ! ボクからすべてを終わらせてやろう!


「帝国との開戦に必要な話し合いや準備などある。ひょっとしたら冬にずれ込むかも知れない」


「寒いのはやだなあ!」


「雪が積めばどのみち進軍はできない。戦力が多すぎるのもある。なので、冬の間に騎士団の再編も行おうと考えてる。それで、ゴブたちに地下闘技場を作らせた。選抜をする」


 面白そう! 全部で主力軍を一万人、冬でも強攻できる部隊を作るらしい。騎士団は衛兵、一般兵込みで十万にも上る。戦争で使われる兵力は最大でも四万くらいだし、そのほとんどが後方支援部隊だ。前線に出るのは実際は一万五千から二万かな。


 一国の兵力だからね、メルフィーナ伯爵やペリテー侯爵、ハゲーン公爵までが兵隊を出してこれくらいだよ。伯爵領のひとつやふたつは落とせるよね。輜重、後方支援もいざとなれば戦えるように鍛えてるし、防衛戦力なら五倍出せるよ。


「明日はテルナ様と会議がある。足はむこうでテレポート使いを出してもらえるからね」


「村とか救っていっても良いんだよね?」


「そのための作戦会議」


 それもそっか。なんだろう。すごく気持ちが燃えてる。貧しくて苦しんでる人たちに、ボクがパンとスープをおごってやろう!





 作戦会議当日。実はニターナ軍はまだ前線でハングリー伯爵とバチバチやりあっていたりするので会議は一日かけて行い、次の日には作戦開始となる。ボクは会議が始まるまでパンを積み上げまくった。お迎えのテレポート使いさんが来る予定なのでギリギリまで積む。


 戦時中も商品数は減らしても営業を止めたくはないからね。


 注文が入ってから一ヶ月連絡がない商品も売りに回す。……パンが一ヶ月も湿気も腐りも来ないで持つとかすごいよね。スキルの力。


 二千万くらい? かなり積み上げたところでお迎えが来た。周りに連絡を頼んですぐにテレポート。目まぐるしいなぁ。





 移動先はいつものニターナ王城会議室。城の中枢にポンポンテレポートできるのかと思ったが登録してないとダメらしい。


 いつもの面子だね。ニターナ軍のお偉いさんが壁側に一列に座ってる。ボクはテルナ陛下の横に座る。ボクもルーフィア陛下! ……嫌だよぉ。面倒くさいよお。


 そして窓側にハスター王子、モアリースト司教、クラリスさん、リンゴ、アイリスと座り、セレナはボクの後ろに立つ。よく意見を求められるんだよね、セレナ。


「それでは、始めよう」


 テルナ陛下の宣言で会議が始まる。むこうの大臣さんが流れを説明しているよ。主な議題は、クレモット帝国との本格的な戦争についてだ。


 クレモット帝国とニターナは東西に長い国で、その間を北ニターナ山脈で阻まれているとはいえ、広い国境線を接して隣り合っている。つまりどこから攻められるかわからない。


 こちらは西端のソックセンを取り込んだことでハングリー伯爵を攻めると決めているがなぜか敵本国は積極的には攻めてこない。もし奇襲となるとニターナは東西で挟み撃ちの格好になりかねないのでなるべく早くハングリー伯爵領を落としたら、飛び地になるけどカエデ女王国で占領してほしいということだ。これはソックセンで本丸攻めをニターナに譲ったお返しという形になる。


 セレナはこれを利用してニターナに礼金として資金供与することにしたらしい。その額一億グリン(三十億円相当)。国を動かす上ではそんなに大金ではないけどね。戦費としては有り難いだろう。むこうの大臣さんたちもおおっ、って唸ってた。


 実際は一日か二日で稼げるんだけど内緒だ。十倍くらい出しても戦費なら良いくらいだけどうちも騎士団に払うお給料があるからね。


 ニターナの描いた青写真はまずはカエデ女王国とニターナで帝国を挟撃、帝国が倒れたら帝国領、ソックセンに部隊を配置しカエデ女王国北方を攻め、そのまま南下してカエデ女王国を攻めとる、ってところなんだけど、たぶんそんな絵はテルナ様は考えてないと思う。勝てないのは分かってるとよく言われるし。


 逆の見方をしたらソックセンが挟み撃ちだもんね。


 ハスター王子としては共存できるようなシステムを作りたいらしいけど、最近まで新書とかで遊んでたニターナの大臣たちが制御できるのかってことだよね。一応贈り物としてお酒を主要な公爵に贈ってる。


 ちなみにカエデ女王国内で果物を育成したり水田を作って稲作を始めたり、お酒を作ったり味噌とか醤油っていう調味料を作ったりし始めている。セレナが。ボクがいない場合を想定しているらしい。


 お米は品種改良しないと寒い地方では育たないらしく、セレナは実験を始めた段階だって言ってたよ。本当になんでもできるよね、セレナ。


 酒造とかはメーカーから人を引っ張ってきたらしいけどカエデ女王国進出はどこも狙ってるから人集めは楽らしい。お給料が高いと職人にも話題だ。


 説明を聞いてもよく分かんなかったんだけど、きょうさんしゅぎたいせいにするとこの時代の人は絶対に怠けるのでトップに資金提供して横領が起こらないかは見張っていくしかないらしい。???


 とにかくハングリー伯爵領はソックセンと同じくボクらとニターナで攻める。今回の主戦は、ボクらだ!






 少しでも面白いな、続きを読みたいなって思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!


 評価はできれば☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします!_(:3」 ∠)_


 しばらく戦争で、そのあとは日常が続きます。どっちが好きですか?


 ちなみにそろそろルーフィアだけでは勝てなくなってきます。



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