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世界の欠片
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星を想い続けた少女は言った。
この世はきっと、みんなが寄り添う
素敵で美しい所よ。
空は70億の命を抱き、青く燃えてるの。
雲は雄大で
星はどこまでも可憐ね、と。
・
獣達が吠える。
空が灰に染まる。
地に赤が滲む。
美しかった世界を、
少女は知らない。
・
星を思い続けた少女は言った。
私もいつか、
あんな風になるの、と。
「あとがき」
字余り。そのため、本文にあとがきを書きます。
これは、何も知らない少女が世界に憧れて夢を見る話です。世界はきっと美しくて力強いの、と想像をふくらませる少女ですが、世界は彼女の想像とかなりかけ離れています。さあ、憧れと希望だけを持った少女が世界に生まれ落ちたとき、彼女は何を思うのでしょうか。