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恋と僕に憎しみを込めて
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「あの子が好き」と言った君を羨ましく思った。
酷く広大な世界の上で
僕だけが立ち止まっている気がした。
無情にも回り続ける時計を他人事のように眺めた。
ずっと前を行く君と
増えていく愛の形に目眩がして
何も掴めないままだ。
どうして先に行けるのだろう。
どうして変われるのだろう。
どうして受け入れられるのだろう。
どうして。どうして。どうして。
とくとくとくとく心臓がなる。
これが恋だったら僕は楽になれるのに。
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「どの子が好き」と聞いた君を妬ましく思った。
分からないことだらけの世界
気が狂いそうだ。
いつまでも回り続ける時計がカラカラと嘲笑っていた。
「おかしいのは周りじゃなくてお前だ」
そう言われた気がした。
どうして進めないのだろう。
どうして変われないのだろう。
どうして受け入れられないのだろう。
どうして。どうして。どうして。
とくとくとくとく心臓がなる。
これが恋になりえないから僕はずっとこのままなんだ。
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「この子が好き」と言った僕を恨めしく思った。
こうやってまた嘘を積み重ねて
脚を重くするんだ。
アロマンティックの話でしたm(_ _)m