8話 前世の家族
私は前世の家族と話せることになった。
「直接行って話すとあれだから、家族の夢に入って話すってことでいいだろ?」
「うん、それでいいよ」
「ちょっと待ってね」
水晶の中の前世の家族が寝室に移動した。夜になったらしい。どうやったんだろう?
「はい、この水晶に手を当てて」
言われた通りに手を当てると、手が水晶に吸いこまれそのまま体ごと水晶の中?に入ってしまった。うん、これは神様位の人じゃないとできない。レフィカは目を瞑った。
レフィカが目を開けると、前世の家族、両親と弟が前にいた。しかもレフィカの体は前世の長三川璃奈[ながみかわりな]なっていた。懐かしくて申し訳なくてレフィカの瞳から暖かいものが溢れた。
「ひ・・久しぶり」
どもりながらも家族に言葉を告げた。
母は涙目になりながら私に抱きついてきた。
「おかえり、元気にしてた?」
家に帰るといつも言われていた言葉がやけに嬉しく思えた。
「ただいま」
「で、姉ちゃんこれどういうこと?」
感動の再開をぶち壊しやがって、この野郎!でも変わらない弟にいつもと同じで少しキレながら懐かしく感じた。
「いや~、私ラノベで流行りの異世界転生したみたいでさ。魔獣とかあるよ。神様に特別に許可貰ったんだ」
「へぇ~いいなぁ。あ、言うの忘れてたおかえり」
うん、いつも通りの会話。弟は私より5歳年下なんだけど、全然変わらないなぁ。
「葎喜[りつき]あんた今何歳?」
「俺?今、18」
まじで?!私が死んでから3年しか経ってないじゃん!
「姉ちゃんは?」
「あんたと同い年」
「まじで?!姉ちゃん死ぬ前の顔と体だけど、そっちのはどんなんなの?」
やはりそれが気になるか。さっき神様に前世の姿の方がいいだろうと言われて前世の姿にしてもらったけど、今世の姿へのなり方を教えて貰ったのだ。それは簡単、今世の名前を言うだけ。まぁ、はやく言ってみよう。
「レフィカ・ランカット・ガヴィー」
したから風が吹いたようにスカートがめくれあがった。気づいたら今世の格好になっていた。