5話 ディエフの気遣い
買いに来た旨を話すと。
「まぁ頑張れよ、いざとなったら嫁にこい」
と冗談を言われた。考えてみるとなかなか悪くないなと思った。
「早く、武器を見せて」
冗談を受け流して言うと。はいはいといい加減な返事をして店の奥へ行った。
*******
持ってきたのは15~20cm程のガーターナイフとさらに小さい10cm程の双剣、50cm程の大きな刀だ。
「女におすすめなのはガーターナイフと双剣なんだが。どうする?」
私は即答した。
「もちろん、刀」
祖父が冒険者だったことで刀の扱いには自信がある。
「やっぱりな」
ディエフはため息をつきながら刀を渡してきた。
ちょうどいい重さだ。
「これいくら?」
「1万Lilだ」
思った通りの値段だ。
「決定」
「まいど」
「ありがとう」
「これおまけにしとくよ、頑張れよ」
おまけといい双剣をくれた。さっき見せてくれたものよりもやすそうだが、それでも四千Lilはするだろう。ディエフの心遣いに気持ちが明るくなった。
「ありがと、ディエフさんも頑張れよ」
店を出て、この街ももうすぐお別れになるのかたも感慨にふけっていると、ちらと時計を見ると、家を出てから1時間たっている。少し焦りながら家の自分の部屋に転移した。