29話 超高性能
『任せてください』
オトはそう言った。
私達は何も他に考えが浮かばなかったので、オトに任せることにしたのだ。そして、オトは今ここにはいない。書類を渡すと『少々お待ちを』と言ってどこかに転移して行ったから。
てか、今考えると小さいスマートフォン相手に会話すをする私達は事情を知らない人が見ると絶対に頭の狂った人に見えていただろう。
再び二人きりになった私たちの間には沈黙が流れた。私はその沈黙に耐えきれず、意を決してギリスさんに質問することにした。
「ギリスさんは何故ダンジョンマスターになったのですか?」
「そうだね、簡単に説明すると生まれたばかりのこのダンジョンを見つけたんだ。それまで1200年くらいは生きてたし生きることに飽きてた時だから、創世神様に頼まれてマスターになったんだ。やることもしたいこともなかったしね」
「そうなんですか」
ダンジョンが生まれる理由はまだ発見されていない。魔力が集まり出来るとも言われているし、神が気まぐれに作っているとも。
「レフィカちゃんは?」
「私は旅に出ようと転移したらダンジョンにいました。その転移は場所を指定してはいませんでした」
「じゃあ、レフィカちゃんはダンジョンに呼ばれたのかもね」
「はぁ」
「ていうかレフィカちゃんは何故旅に出ようとしたの?」
「実はですね、この前両親が死んでいまいまして借金ができてしまい、旅をしながら弟妹たちのために家に仕送りをしようと思いまして」
「そっか、災難だったね。そうそうレフィカちゃんはダンジョンマスターになってまだ一年も経ってないんだよね?」
「はい」
「ダンジョンLvいくつ?」
言い難いの聞いてきたな。正直に言っちゃえ。
「えっと、まだ2です」
「そっか、そうだ。ちょっと待っててね」
ギリスさんは椅子から立ち上がると、隣の部屋に歩いていった。




