26話 吸血鬼
「改めまして、このダンジョンのマスターをしてる、吸血鬼のギリスです。よろしく」
やっぱり、吸血鬼の人がこのダンジョンのマスターだったらしい。
ギリスさんね、覚えた。
「先日、ダンジョンマスターになったばかりのレフィカ・ランカットです。ただの人間です。こちらこそよろしくお願いします」
前世のくせで頭を下げる。これは小さい頃からのくせで直そうと思っても、無理だった。
頭をあげると、ギリスさんは手を前に突き出していた。
ん?あっ、握手かな。
レフィカはギリスさんの手に自分の手を重ね、握手した。
握手で正解だったようだ。この世界にも握手あるんだな。
「サークルについてだったよね?」
「はい」
ギリスさんはダンジョンの奥に戻ると、こちらに戻ってきた、手に沢山の紙を抱えて。
紙と言っても前世の紙とは違い白色じゃなく、黄色近い色をした紙だ。前世での昔の紙と言ったらわかるだろうか。
「それはなんですか?」
「これはね、書類だよ」
ギリスさんは得意げな顔を答えた。
モンスターもそんな書類なんて使うんだ。感心する。
「なんの書類なんですか?」
「あっ」
今思い出したわみたいな顔をしたギリスは何だか可愛く見えた。
ちょっと天然な人、いやモンスターなのかな?
ちょっと恐怖が薄れたかも。
「サークルの書類だよ」
「そうですか」
「そうなるね」
ギリスの口調とレフィカのギリスへの呼び方訂正しておきました!




