2話 不幸のどん底
「んーふわぁ」
起きたら朝10時だった。寝坊した!8時に起きようと思っていたのに!
朝っぱらからなんだけど、なんか嫌な予感がする。
私のかんは何故かよく当たるのだ。
前世、死んだ日も嫌な予感がビンビンしていたし。
まぁ、用心はしていたけどあっさり死んだから、役に立ったとは言えないんだけど…。
着替えてからリビングに行くと、兄と知らない男性が話し込んでいた。
こころなしか兄の顔色は青ざめているように見える。
「おはよう、どうかしたの?」
「レフィカ…父さんと母さんが…」
と兄に話しかけてみると、隣国のレユサスに行商に行った両親が盗賊に襲われ、亡骸で見つかったという。
ここからレユサスまで距離がある為、知らせが届くのが遅くなったそうだ。
激しい目眩がした。
今回の行商は借金をして行ってたのが頭をよぎる。成功していたら返せたはずなのだが今はそんなアテなどない。私達はどうなるのか…。
当主となる兄はまだ商人見習い、私も稼ぎはない。
……詰みじゃん。
「すまないが俺、の稼ぎじゃみんなを支えられない孤児院へ行ってくれ」
嘘でしょ?!孤児院とか嫌なんですけど?!孤児院はかなり劣悪な環境だと聞くし…。
これからどうしようかと頭を悩ませていると、男性は帰って行った。
いいことを考えついた!大変だと思うけど、らせばいいんだ!自給自足とか…。
あ、祖父と同じよう冒険者にでもなろう!
その事を兄に話すとそれは、ダメだ!と即反対された。
兄の許可を取るのが無理ならば、私は家出をすることにした。