17話 卵の正体
「あれ?神様もう帰ったのかと」
「あははっ酷いなぁ」
神様は肩を震わせてクスクスと笑った。
「白っ樹人とかっ君すっごいねぇ」
笑いながら神様は喋る。
「笑いながら喋るのやめてください、ムカつくんで」
神様の顔を呆れたようにジトリと見つめると、笑いはピタッと止まった。
「神様に向かってムカつくとか、すごい勇気だねぇ」
神様は人の悪い笑みを浮かべた。嫌な予感がする。
「そうそう、僕にも名前があってねレフィアゴールっていうんだ、これからはそう呼んでね」
「じゃあ長いんでアゴでいいですか?」
「酷いなぁ、アゴッてほかの呼び方ないの?」
「じゃあーーーフィル」
「うんうん!いいよいいよぉカッコイイし」
今更なんだけど、神様ってもっと威厳あるものだと思ってた。昔の私の憧れを返せ!
はぁ、私はため息をついた。
「で、外に出て収穫はあったの?」
「変な卵を見つけましたよ」
そう言って、異空間から卵を取り出して見せた。
「まじで!?めっちゃ運いいね君」
「私にも名前があるんで、レフィカって呼んでください」
「了解、了解ー」
「君、その卵の正体知ってるの?」
「え?知りませんよ」
「めっちゃ、宝の持ち腐れじゃん」
どうやら卵はとても珍しいものらしい。
「これ、なんなんですか?」
「なんだと思う?」
「竜種の卵だと思うんですが」
「ピンポンピンポーン」
「はぁ、」
「それは・・・竜種の最上位、ファフニール・バハムートだよ」
「はぁ、ってええぇ!」