13話 白樹人
白い肌の男の人を連れてまず回復石を買いに行った。回復石とは魔力を込めて人や動物を癒す石だ。回復量が込める人の魔力量に限るのでまぁまぁ安い。上級魔術師程の魔力量になって初めて重傷を回復させることが出来る。私は中級だったのであまり使わなかった。でも今の私はダンジョン主となって魔力量はかなり多いので、この人を治す程はあるだろう。
でもここで治すと騒ぎになるのでダンジョンの近くの森に入ってからにする。
私達は森に入った。
「あの、名前はなんというのですか?」
「奴隷の私に名前を聞いてくださるのですか?」
「おっと、その前にその奴隷首輪を外しましょう」
カチャッという音がして奴隷首輪が外れた。
「これであなたは奴隷じゃないわ」
「ありがとうございます。私の名はエルシヴィア・フレイアと申します。私は白樹人[シラキビト]です」
白樹人?!白樹人とは緑の女神の眷属で植物を統べる人達だという、伝説の民族だ。この世界には何人か神がいる、例えば先程の緑の女神、他にもおり、この世界をその全員で作り出したのだという神話がある。そして、その管理を眷属の人間に任せたという。
「そうなの?!」
「そうです。私達は貰った恩は忘れません。この身は一生あなたの助けとなりましょう」
「いや大丈夫よ。てか、あなた喋ることが出来たのね。ちょっとまってその瞳と傷を癒すわね」
「ええ、喋りませんでしたから。癒すとはさすがにこの眼を治すことはできないでしょう」
「いえ、できるわ」
回復石に魔力を込める。
2・3分たった頃には石の魔力は満たされていた。
それをエルシヴィアさんにかざし「癒したまえ」と唱えると石が薄みどりに光だしエルシヴィアを包み込んだ。