鉄の町 エンダイン
鉄の町 エンダイン
朝日が上りきったときに漸く、町の中に入れた。
鉄鉱山があるこの町は鍛冶師が多くいる。
そして、鍛冶師の作った武器を目当てにいろんな業種の者がやって来るので人の出入りが激しい。
隠れるのに絶好の場所だ。
暫くこの町に居て状況を伺おうと思っている。
この町が変わってなくて少しほっとした。
前に来たのは王子の奴隷としてだった。
この町の人は奴隷の私を差別することもなく、逆に気にかけてくれた。
本当にいい人達だった。
今も一人で歩いている私に一人で大丈夫か尋ねたりしてくれる人もいた。
この度に大丈夫だと言いながら宿屋にむかっていった。
フォークとナイフが書かれたわかりやすい看板を掲げた宿屋『炎の満腹亭』鍛冶師達が多く食事に来るからこの名前らしい。
ドアを開けると、しゃんしゃんしゃんと鈴の音がした。
「いらっしゃいませ。お一人ですか?」
「そうです。出来れば、一人部屋で七日間泊まりたいのですが空いてますか?」
「空いてますよ。一人部屋で七日間ですと七千エシルです。朝の食事は料金に含まれています。それ以外ですと、別料金を頂ければご用意します。それと、一人部屋ですのでお風呂が付いていますので別料金を頂ければ此方もご用意致します。どうされますか?」
「んー。食事はその時払います。お風呂は自分で用意できるので大丈夫です。」
「わかりました。では、二階の一番奥の部屋になります。ドアに星のプレートが付いているのすぐにわかると思います」
そう言われて鍵を受け取り二階に上がる。
どの部屋の前にも色々な絵柄のプレートが貼ってあった。
まだ未熟な感じからして鍛冶師見習いの作品を使っているんだと思う。
町の特色が出ていて私は気に入った。
部屋に荷物を置いてさっそく町を歩くことにした。
町はちょうどお昼時で屋台や食堂がにぎわっていた。
セインティア王国にはない明るいにぎわいだ。
私はその中でも子どもが沢山いる屋台で昼食を買うことにした。
パンに野菜が少しと丸焼きにした正体不明の肉を薄く削ぎ切りにしたのを挟んでいるやつを買った。
パンは少し固かったけれど美味しいかった。
ケバブに似ているけれど、あれよりマイルドでスパイシーさより果物の自然な甘さが美味しかった。
(子どもに人気なのも頷ける。私も肉を焼くのに使っていたタレが欲しい)
屋台のおじさんに聞いたがオリジナルのタレで売っていないそうだ。食べたければまた、買いに来いと笑顔で言われたので諦めた。
その後もあっちをふらふら、こっちをふらふらしながら町を探索しながらギルドの場所や情報が集まりそうな場所うでの良さそうな鍛冶工房や武器屋をおおざっぱに見て回り明日いく場所を決めて宿屋に帰って疲れた私は朝まで寝た。
なかなか進まない(。´Д⊂)
ヒーローの理人くんが出てこない(つд;*)
待っても出番が来ない理人くんが飛び出していきそうです( ノД`)…