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7章 太陽と嫉妬

 神の王国の君の周りの虫達は僕と君の関係に気づき始める。

中立の国の者ですら僕に近づこうとはしないのに、君は僕と一緒にいすぎたから。

だんだん僕と仲良くする君を、みんなが許さなくなっていく。


いや、君の僕から離れる自作自演だったんだうか…?

僕と君の事を知らない者達も何故か騒ぎだす。

君を愛する者も、神を信じる者も、君の親も、他の虫達も揃って君に言う


虫達「あの蜘蛛に近づくな!

   食べられるぞ?何してんだ?

   あそこに近づくバカがいるか!

   醜いすべてを奪う、

   闇の世界の蜘蛛だぞ⁉」


心無い虫達の言葉なんて今まで何とも思わなかったのに、その時は凄く痛かった。


そして、君はあまり僕の所に来なくなる。

君は忙しそうになって一緒の時間が少なくなった…僕は寂しかった。

とてもとても、とても…

とても、とても…。


君に会いたい。

ただそれだけ…なのに、なのに…

約束したよね…?

そばにいてくれるって…

君は君だけは僕の味方なんだよね…?


 君の心が僕から離れている気がした。

不安は憎しみを生んで、僕をどんどん醜くした。

強く望みすぎた愛に支配された僕は、君を独り占めしたくなっていった。


君の笑顔も、君の声も、温もりも優しさも全て…君が欲しい…君が欲しい…

少なくなった会える時間。


少ない時間だからこそ仲良くしたいけど

君のいないこの長すぎる時間は、僕を闇に墜落させるのに時間はかからなかった。


僕「…もう、僕を好きじゃない…?」


君はうつむく…


僕「あの言葉はやっぱり嘘だったの?」


僕は平然を装い、君に普通に問いかけた。

けど、君は何かを考える風に黙っていた。

 

 僕は大きな蜘蛛。君は小さな紋白蝶。

寂しい思いが僕から優しさと言う感情を消した。


僕「テリトリーに入った者が、

  ここから逃げられると思うな‼」


君はハッとこっちを見て、目を点にして驚く…


僕「僕が食べなかったから、

  君は生きているんだぞ?

  なぜ?

  なぜ僕のそばにいてくれない⁉」


僕は孤独の怒りが爆発した。

僕の心は歪んでいった…

醜く醜く濁っていった…

僕の心が嫉妬の闇に支配される中、

やけに暑い太陽が僕には眩しすぎた…


君「…んっと、んっと…ごめんなさい…

  ごめんなさい…」


とても怖がっている素振りを見せる君…。


前に君は言っていた。


君「怒鳴られるのが一番苦手、

  そうやって育ってきたから…」


僕「なんで?神の王国にそんな育ち方

  あるの⁉」


君「父親がね、少し可笑しくて、

  家族に愛がない感じだったの

  言う事を聞かないと怒鳴られて

  いた…いつか殺されるとも

  思っていたわ」


君は静かに思いふけたように話しを続けた。


君「夜になんかされないかと思って、

  武器を持って私は寝ていたの

  母親は神の信仰に忙しかったし

  母親にも父親は暴力をするから

  何もできなかった…」


僕「神の王国にそんな闇があるなんて」


君「だから、怒鳴られるとかは怖くて

  怖くて仕方がない

  何も考えられなくなっちゃうの」


そう言っていた、愛する君に今僕は怒鳴った。

寂しくて寂しくて、悲しくて怒鳴った…。


僕「怒鳴られる事をするから

  怒鳴られるんだろ⁉

  自分がいつも被害者ぶりやがって

  悲劇のヒロイン演じてんじゃ

  ねぇぞ‼」


君「…ごめんなさい…

  そんなつもりはないの

  ごめんなさい…」


僕「お前は何に対して謝ってんだ!

  それを言えよ!

  ごめんなさいという言葉は

  聞いていない!

  理由を聞いてる」


君に嫌われたくないから、自分の気持ちを押し込んだ不満と孤独と嫉妬は

一度爆発したら烈火の炎如く強い怒りと変わり止まらなかった…。


 君はますます僕から心が離れていくのを感じた。

僕に怯え、他に助けを求めるようになる。

 あんなに好きだったのに、こんなに儚く消えていくのか?

離れていくのか?心というものは?


ここで消えてしまうのなら、今までの僕らの恋愛事にも意味がなくなるのか?


もう、もう、わからない…。


君は僕から離れる時間が少しずつ長くなり、それからの僕はずっとそんな感じになった。


光はこんなに輝く時でも、

眩しくこんなに照らしているのに

僕の心は闇の中に堕とされていった…。

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