6章 桜と笑顔
ある日、初めて巣の外に出て君と手を繋いで中立の国に散歩をしに行った。
僕は嫌がったのに、君は強引に手を引っ張るんだ。
手を繋いだ事には悪い気はしなくて、
仕方ないと言い外に出てきた。
絶対、繋いだ手を離さない事を約束に。
君は笑いながら楽しそうに歩いている。
僕は不安で仕方なかった、外に出るのなんて久しぶり過ぎたから。
高い山に咲く桜を見に行こうと君が言って、僕が渋い顔をして君の方を振り向くと君は瞳をキラキラさせて僕を真っ直ぐ見つめるもので断れなかったのもある。
君「こんにちは
今日もいい天気ですね」
君は周りの虫達に挨拶をしながら歩く
僕は無言で歩く。
他の虫達が変な目で見る。
虫達「なんで
あいつと歩いてるんだ!?
食べられるぞ?何をしてんだ?
あの子は…?
しかもいい天気って…今日は
雨降りそうなんだけど…?」
君はしっかりしてそうで、いつもどこか
抜けていた。
そして、ボケていた。
君「すいませーん 一緒にいる所
思い出に残したいんですけど~?」
君は桜の木の下でまた他の虫に声をかける。
僕はもう辞めてくれと思った。
けど、優しいてんとう虫が花の花粉で
大きな葉っぱに僕らを描いてくれた。
強がって無表情に描かれた僕
恥ずかしそうに明るい笑顔で描かれた君。
君「ありがとうございます」
と言って君は楽しそうに笑うんだ。
あの時の桜はまだ蕾だったけど、何よりも綺麗で君の笑顔が満開だったね。
その日、慣れない事をした僕らはお昼頃に疲れて眠くなった。
中立の国で1番高い山の桜の木の下で
僕らは寝てしまった。
僕は下を見てぐーぐーと、君は僕の肩に
寄りかかりすーすーと。
とても暖かかったのを覚えてる。
ハッと君が目を覚まし、僕もそれで
ビックリして目を覚ます。
そして、お互い目を合わせ微笑んだ。
手を見たら、約束通り僕らの手はそのまま繋がれたままだった。
楽しかったねと僕の巣に手を繋いで帰り
巣に着くと君は
「約束守れたでしょ?」と微笑む。
そしてその夜、君と僕は初めてキスをした。
君は初め下を向いて怯えていたけど、
僕が下に潜り込んでキスをした。
君は朦朧としながら、僕を受け入れてくれた。
キスをし終わって、数秒黙り込んだ君は
恥ずかしそうに上目遣いでこっちを見て
君「責任とってよ…?」
とぼそっと言った。
僕「えっ?キスくらいで⁉」
君はムッとした顔を見せる。
けど、その顔が可愛すぎて黙り込んでいる君にもう一度キスをした。
今度は少し深く長く。
そしたら、君は倒れそうになってとても可愛かった。
胸の辺りを抑えて目をつぶり深呼吸をしている。
君「私には刺激が強すぎる」
僕はあまりの可愛さに笑った。
君は鼓動を抑えようと必死だ。
君「明日からどんな顔をしてあなたに
会えばいいのか?」
それを聞いた僕は可笑しくて愛しくて
仕方なかった。
君は帰らなきゃと言って冷静を装い
準備をする。
僕はそれを後ろから抱き締め振り向いた君にまたキスをした。
君「…!!もうっ…!
せっかくドキドキが止みそう
だったのにぃ~…
悪戯やろうめぇ~」
僕「君があまりに可愛いから悪いんだ」
僕は得意気に仕方ないじゃないという風に言った。
帰るもんという風に君は笑った。
途中まで送って帰り際に外で僕はキスを求めた。
君はビックリした顔をして
君「もう~~~!
ワガママなんだから~~~!」
と、言って君は顔を真っ赤にしてキスをしてくれた。
早足で飛んで笑顔で手を振り帰っていった。
君を大切にしたかった…
君とこの世界でずっと一緒にいたかった。
…(君が僕を裏切っていなければ)…




