4章 嘘と幸せ…
君は僕に笑いかけてくれる。
僕がここから動けなくても
君が来てくれて僕を満たしてくれる。
僕に「幸せ」という時間をくれる。
だから僕は不安になる。
君がいつかいなくなってしまう前に
僕から離れたいとも思う。
僕「失う事しか知らない僕は…
あげられるものなんて
何もないよ…?」
そう言っても君は
僕のそばから離れない。
君「私がいつなにかを欲しがった?
不信に思わないで大丈夫だから」
それが、全て君の嘘だと気づいたのは
もっともっと時間が経ってから…
ホントの君は頑張っている
自分を犠牲に誰かの為に何かをする事で
自分の価値を見出す。
それでしか自分の価値を見い出せない…
そんな紋白蝶だった…。
僕「じゃあなんで僕なんかと
一緒にいるの?僕といても
ホントに意味がないんだよ?」
僕は疑問を君に投げ掛けた。
君「なんで?私はあなたと一緒にいたい
からいるのだけれど?」
少しムッとしたように、私ワガママ
だからという風に君は言った。
僕「いずれ傷つけてしまうかもしれない
よ?褒められた過去じゃないし
君は神の王国に戻れなくなる
かもよ?」
君「ふふふ そしたらお互い様だね…
お互いに火傷するぜぇい」
僕「なんだそりゃ」
君の目的がわからなかった…
ただ、それから静かな
幸せな時間が流れる。
君をホントに好きになっていく。
もう誰も信じないと決めた昔から、
心を捨てたあの日からどれだけ時間が
過ぎているのだろう。
君と出会って、恋をして、
生き物がくれる温かい優しさを感じた。
過去にいつまでも縛られている
独りよがりの僕は君を
信じてみようと思えていた。
僕「ねぇ?大好きだよ」
君「私も大好き」
僕「けど この想いも
変わってしまうよ…?」
僕は自信なさげに呟く。
君「私の想いは変わらない!
変わってしまうものばかりだけど
変わらないものが1つくらい
あったっていいでしょ?」
君は自信満々に言う。
僕「そうかな?絶対っ!無理だよ…」
君「大丈夫 そんな事ない
私はあなたのそばを離れない
例えあなたが私を傷つける時が
来たとしても大丈夫!
私の心はプラスチックだから」
君は満面の笑みで、強く言葉を発した。
僕「そうだといいな…」
君「それに 絶対って言葉がないと
言ったのはあなたでしょ?」
僕「…っ!そう…だね」
君はいつも僕の痛い所をついてくる
僕が忘れた頃に、僕が君に言った言葉を
言ってくるから何も言えなくなる。
少し話しは変わるが以前、
僕は君にこんな事も話した。
それでも君は自分を曲げる事なんて
なかった。
僕「神なんていないでしょ?
何をそんなに信じているの?」
僕は馬鹿にしたように話す。
君「神様はいるわ 形は見えない
けれど私達を見守ってくれて
いるの」
君は真っ直ぐ信じてと
言わんばかりに話す。
僕「見守るだけの存在で神というの
なら僕にでもなれるよ」
君「違う!
神様には絶対の力があるの⁉
私達になんて理解できない」
僕「…ふっ…この世の中に絶対という
希望なんてないよ…
あるとするなら、それは絶対
という絶望だけ…」
君「…ないとしても私は希望を
信じたい」
君は、最後まで僕の方から
目をそらさなかった…。
ねぇ、痛いよ?痛い。
君の言ってくれた事が全て嘘だったんだと気づく度に僕の心はとても痛い。
そんな事はわかっていたけどさ。
結局、僕の言った事が真実。
僕の言葉が正解…マイナスな言葉が正解だと悲しいけどさ。
これが現実。
神なんて何をしてくれるというんだ?
君の何よりも信じる神は
何を見ているんだ?
けど、あの頃君の言葉を疑いつつ
そうであればいいと信じていた。
救ってくれた君の言葉1つ1つは、
君がいなくなってから1つ1つ蘇ってきて、僕を今傷つけ、心を蝕んでいく。
ちぎれそうになる感情は
涙と変わっていた。
けどね?
あの時はこんな僕でもホントの幸せ
を近くに感じられていたんだ。