24章 完璧で未熟な感情
あれから、随分時間が過ぎた。
それでもまだ君を考えない時は1度もない。
君が基盤になってしまったのか?
なぜだろう?
闇が深くなっている気がした
闇はどこまでも果てがない。
結局、僕は吹っ切ったと思っても
プラスの考えになってきたと思っても
孤独が少しでも覆えば
戻ってしまうんだね…
僕の心は結局病んでる…
治りはしないんだ。
いつか君にこの想いが届く時がくるの
だろうか?
偽り、騙し、自分を守る為に嘘を重ねて
全部僕のせいにしていなくなった君に…
何も伝わらなくてももう、構わないけど
僕と君にこの言葉を送ろう。
自分を守る為に誰かをどんなに利用したって、自分は満たされはしない。
誰かと誰かを比べる自己満足は
いずれ全てを壊すだろう。
君の信じた神は、周りの虫達は
君に何を教えた?
騙す事?偽る事?愛される事?
自分の護り方?自分の取り扱い方?
そんなものに意味などないよ。
きっと僕らに安心した幸せなんて来やしない
これだけは言える悲しい真実…。
ふっ…僕はどうしてこんなにウザイん
だろうね?
君と出会った最初の頃より
闇は深くなってるんじゃないかな?
こんなに色々変えて、何もかも捨てて
来たのに。
向日葵、新しい場所、友達。
そんなんじゃ君の代わりにはならない。
そんなものやっぱり孤独、憎しみ、悲しみの前では…
君への愛の前では無力だな。
いつまで経っても君が消えない。
僕は完全に闇に呑まれた。
何度、光を見ようと思っても憎しみの闇は大きくなり心を黒く染めていく…。
どうして、こんなに醜い悪い心って
奴は押さえ込んでも、押さえ込んでも
収まらず出てきてしまうのかな?
幸せ…不幸…希望…絶望…
ねぇ、君は今幸せかな?
僕と離れて幸せかな?
僕は許せないよ?やっぱり
幸せなんて来ないよ?やっぱり
嘘に作った笑顔じゃ全然笑えない。
嘘に作った君の代わりじゃ、全然
愛せない。
楽しくない、楽しくないよ
辛くなるだけだよ…。
君のせいだ。
全部君のせいだ…
君を恨むおぞましい感情しか
なくなっていく。
強くはなれないものだな…
僕はもう何もいらない。
僕の憎しみは消えない
君への記憶、君への愛。
消えない、消えない、消えない
消えない、消えない!
僕「元にはやっぱりモドレナイ…」
こんなに苦しい愛なんだ。
こんなに消えない愛なんだ。
忘れようとしても、忘れようとしても
消えないんだ。
これが「真実の愛」じゃなくて
何が「真実の愛」なんだ?
けど、あの頃のようには
もうなれない。
神の王国も神も、許してくれるはずが
ない。
君も、もう僕の事なんて
きっと忘れているんだから…
ここまできたら、もう最終的な手段で
しか一緒にいれない…。
君を食べてしまおう
僕の隣にいない君なんていらない。
あの笑顔もどうせ、僕にはもう見せてくれない。
殺してしまおう。
誰かの隣にいる君なんて想像したくないし、そんなの君じゃない!
君の幸せ?
誰かの隣で笑ってる君なんて
許せないんだよ。
全て消してしまおう。
こんなに消せない怒りなら
こんなに消せない恨みなら
こんなに愛する君の為なら。
君の幸せなんてやっぱり望めない。
望むのは、君と僕だけの世界。
どうせ手に入らないなら
僕ごと全部消してあげる…っ‼
ずっと紛らわせてた。
自分を誤魔化し、自分を正当化し、
忘れようと自分の理性を保とうと…。
けど、君に感謝もしてる
こんなにも常に他の生き物に興味を持ったのは初めてだ。
こんなに感情を乱されたのも初めてだ。
こんな僕もいるんだと冷静に思える。
それでもね?僕が出した答えは
僕「僕は君といたあの世界だけでは
絶対だった‼」
僕はここから、君と出会った土地に
帰る為に準備をした。
そして君を食べに行く為に走り出す。
あの場所へ戻る為、どんどん乗り越える。
君を食べる!跡形もなく…。
君の住んでいる所ならわかってる
君の事でわからないのは
君の心だけ。
後は全部わかる。
死に物狂いで僕は君のいる神の王国に
向かった。
何日か走った…我も忘れて
僕「…はぁ…はぁ…はぁ…着いた…」
ずっとずっと走り続けて
僕は神の王国の前にいた。
そして、夜になるのを待った。
君に会いに行く
僕は探るように静まり返った
神の王国を進んでいく。
なんとなくここら辺にいる気がした
場所をキョロキョロ探す。
探し探してやっとで
僕は花畑のベットで君を見つけた。
月の光に照らされて寝ている
君はとても綺麗だった。
久しぶりに見た君は、僕との事が
なかったように安らかな寝息をたてている。
そんな君を見て嬉しさと悲しみが
溢れた…
涙が自然に流れた…
僕はそっと近づき、君の顔を
愛おしい優しい感情で撫でる
僕「…愛してる…愛していたんだ君の事
とても…とても…」
君はうっすら目を覚ます。
君は息が止まるくらい驚いた顔をした
そして諦めた顔をした。
きっと君は記憶を失くしては
いなかった…。
その後はあまり覚えていない…
僕はきっと君をぐちゃぐちゃにした。
逃げようともしない君の最後の顔だけ
なんとなく目に焼きついた。
僕は君を取り込んでまた走った。
必死に逃げた。
君の顔をもっと見とけばよかったな
君の声を聞けばよかったな
君の匂い、温もりをもっと
感じておけばよかったな…
そう思いながら逃げた…。
誰かがこんな事言っていた
「1度逃げたら
ずっと逃げる事になる」
別に構わない
君と一緒ならどこまででも
いっそあの世にでも地獄にでも
逃げてやる。
神など、神の王国の奴らなど、
君がいればもう何も怖くない!
僕の大きな姿、走る足音で
神の王国は少しずつ気づきはじめる。
あと少し、あと少しで神の王国を
出られる
僕は裏の方を通り中立の国を目指す。
神の王国はあの頃と
何も変わっていなかった。
異変に気づいた神の王国の君の家族、
その周りは騒ぎ出した
「あれ…?紋白蝶がいない!
いないぞ⁉
血っ⁉
血がある…っ‼
この足跡は…っ⁉
蜘蛛だ!闇の蜘蛛だ‼
闇の蜘蛛が来たぞぉぉ~‼」
神の王国の虫達は武器を持ち
蜘蛛の足跡を追いはじめる。
そうだよ今度はホントに僕のせい。
君じゃない、僕が直接君を迎えに来たんだ。
僕の中だけで生きればいい
もう離さない!
もう二度と離さない離さない‼
僕は気づいたんだ
これが「真実の愛」だと。
君はこんな事も言ってくれていた
じゃない?
君「私はあなたに
殺されるなら本望だわ」
僕は君を全て腹に入れ、全力で走る
君の血で紅く染まる僕は、
神の王国から遠くへ逃げる。
そして、弱く儚い君に優しく優しく
語りかける
僕「ねぇ…?ねぇ…?
大好きなんだよ…大好きなんだ…」
走ったその跡には、血に染まった道が
出来ていた。
紅い跡に残っているのは
僕と君の愛の記憶。
もう忘れないでおくれ?
忘れたふりをしないでおくれ
外から見たら間違いだらけの愛だけど
僕達からしたら大切な大切な
「真実の愛」なんだから。
僕らにしかわかりはしない
神にも誰にもわかりっこないんだ。
僕らのこの闇を抱えた愛なんて!
僕には心に闇がある
君にも心に闇があった
その2つの闇が僕らを繋いだんだ
この完璧で未熟な愛が僕らにとって
唯一の繋がり。
僕は約束を守る蜘蛛だ!
どれだけ時間が過ぎても
心に闇があろうとも。
僕は愛する君に話しをしながら
走り続ける
僕「ほらね?僕は嘘なんてつかない
僕をろ過したら君との愛の結晶
が残るんだ」
君はあの時、冗談だと思ったでしょ?
僕は優しく笑いかけながら
また語りかける
僕「そのうち君の血の跡を追って
また奴らがくるかな?
でも今度は大丈夫!
もう離さないからね?
ねぇ?楽しいね?」
君と一緒にいれて嬉しかった。
あの頃みたいに、一緒にこの世界を
散歩しているみたいで楽しかった。
あの頃みたいに、一緒に手を繋いで
歩いているみたいで幸せだった。
今度は僕が君の手を離さないよ…?
絶対に!
約束する…。




