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20章 白旗

 僕はよく他の闇の虫達、同じ蜘蛛達と

話すようになる。

きっと寂しいから、何となく優しくした

そしたら、そばにいてくれるから。


けど、どんなに笑顔を作ったって

どれだけ平気そうに振る舞ったって

いつも心は泣いていて落ち込む心は

治らなくて、もうあれから随分時間は

過ぎたのに…

なんにも治りゃしないんだ。

治ったと思ってもまた、ふとした時に

傷が開いて君が消えない。

もう、どうすればいいんでしょうね?


どれだけ文句を言ったって、

どれだけ君が悪いと責めたって、

どれだけ僕が悪いと認めたって

気持ちは一瞬だけ晴れては、

また僕を元に戻してしまう。


僕は過去の君との恋で死んでしまったのかな?

元からそんな生きた人生じゃなかったけど、いつも同じ事を繰り返しているんだ。

毎回、同じ事思っては結局こう考えて

いるんだ。


そんなに器用に生きられないよ…

過去の傷を、消えない傷を

今の傷で埋めて、忘れようとしているからずっと苦しいのかな?

この嫉妬、痛みはなくなるのかな?


傷は消えない

いつまでもたっても心に残って

誰も信じられなくする。


僕も裏切っているから、誰もが僕を裏切る。

そんな生き物しか寄ってこない。

自分も裏切るから、愛した者の裏切りを

許せる?そんなわけない。


裏切っているから、裏切る者の気持ちは

わかるけど、それはとてもくだらない事で…

その理由は、とてもとても弱い

くだらないもので…。


大切な者を裏切る、バレなきゃいい。

確かにわからなければいい。

知らなければ裏切った事すら

無いものにできる。


なのにさ、とてもとても苦しいんだ。

君に裏切られていた事が…こんなもんだよね…世界なんて…

小さい小さい僕の欲に溺れた世界なんて…何もない…。

女々しいでしょ?仕方ない。

僕は君を愛した事を後悔していた。


まだ、君の事を忘れられないまま…。


僕「僕は裏切られるのが1番許せない

  神の王国でも裏切りはあるの?」


君「正直だって言う者達だって

  裏切る時は裏切る

  そんな事よりも私は裏切られる事  

  を恐れているうちは本当に相手を

  愛していないと思う


  だってそれは自分の保身以外の

  何者でもないじゃない?」


僕「あるんだ…そんなの綺麗事だよ

  愛していたら裏切らない!

  僕はもし君が裏切ったとしたら

  いくら君でも嫌いになる

  もし別れたらどうする?」


君「そうだよね…あなたに嫌われたら

  その時はあなたを好きになれた

  気持ちを千切って私のライフ

  ストーリーの一片にする

  たまに思い出して

  あなたの幸せを願って…

  ってそんな感じ

  また誰かを好きになれたって

  自信も持てたしね 感謝も込めて」


僕「僕はそんな綺麗には思えないな…

  裏切られるのが1番苦しい…」


君「私は裏切られた時より

  もう二度と会えなくなる辛さの方  

  が苦しかった

  どんなに憎らしくてもまた

  会えればね?殴れるじゃん

  

  愛した者が存在しなくなるのは

  この上ない悲しさ…

  愛した者といられないなら

  いっそ孤独の方がいい」


僕「どうなんだろう…?

  そうなのかな…?

  心は難しい」


君「心は動機の座

  心は生き物じゃ変えられない

  悲しいけどそれも心理」


僕「心は変わってしまったり

  変えられなかったり

  矛盾のようにも思えるな…」


君「そうね…」


僕「心はわからないけど僕は君が好き

  無邪気な君も淫らな君も

  どんなに綺麗な言葉を並べても

  愛し合う事はただの欲望


  僕は君の身体があればいい

  生きていると感じられる

  その目に見える愛だけでいいや」


君「本来 愛情表現は綺麗なものよ?

  確かに生きている感じ

  悦びは感じるものかもしれないけど

  それは一瞬でしょう?

  終わればまた虚しさや寂しさを

  感じる

  本当の喜びってずっと持続するし

  心の底から満足できるし

  私達を成長させてくれるもの」


僕「ふん けど僕らの愛は神から

  したら間違いなのでしょう?」


君「確かにね…生き物は愚かだから

  善を知っていても自分の間違った

  欲望に負けたり周りの影響で

  道を踏み外してしまう…

  自分の弱さをどれだけ克服して

  理性的な大人になれるのかな?」


僕「欲望には勝てないんじゃ

  ないかな?

  生き物に対して本当に強いのは

  神ではなく欲望という闇だよ」


君「そうなるとね…自分の存在意義を

  考えてしまう

  何の為に生きているんだろう?

  この心臓が止まる時に

  この生き方に何を感じるだろう…」


僕は思いにふける君を見つめ

思いにふけていた。


もう何もなくなったはずなのに、

君との出来事は忘れられないものだね。


 何度も失ってきたから慣れていたはず

なのにな、どうして君は僕に残る?

君の言葉は複雑でこちらに疑問を

抱かせ話すからかな?

君は難しい。


ただでさえ何もなかったはずなのに

君といて君がいなくなっただけで

この喪失感。

何もないなら別にいいはずなのに

つよくなれないものだな。


何かあっても、何もなくても…。


 もし君の言うようにホントに神様が

いるのなら、上から見ていて楽しいかい?

神とやら?

ダメな者に罰を与え、苦しんでいるのを

見て楽しいかい?

僕は神すら理解できないよ。


僕も巣の上から、虫達を見下ろして

恨みはなくとも巣にかかければ食べるけど、神と蜘蛛立場が違うでしょ?


僕「はは…また意味のわからない事

  考えてる…」


僕の精神は壊れていった

自分でも何を考えているのかわからない


参ったよ、紋白蝶。

降参だ…。


僕の完全なる敗けでいい…

もう苦しめないでくれないか…?


今も巣の木のそばに飾ってある

昔、てんとう虫に葉っぱに

描いてもらった

君と僕に話しかけた。


そして、少し見つめて木から

剥がして破った。

その葉っぱは、君のようにひらひら

舞い踊り、風に飛ばされていった。


僕は君がいなくなり、独り言が増えていた…。

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