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15章 闇の雨

 君が帰ってきた。

また、1つ1つ紡ぐ時間、久しぶりに

会った君は凄く痩せていた。


僕「凄く痩せたね⁉大丈夫?

  何か美味しいもの食べようか⁉」


君は笑いながら僕の方を上目遣いで見て


君「大丈夫だよ あなたは何も

  変わらないね よかった」


ずっと会ってなかったのに、

何でだろ?この空気感。


ずっと会ってなかったと思わないような

あんな別れ方したと思わないような

特別な愛しい感覚だった。


当たり前に一緒にいるような空気感、

僕はとても不思議だった。


もう、幸せとはほど遠いけど、

もう、「真実の愛」とはほど遠いけど、

君といれる事がただ幸せだった。


もう、傷つけない。

僕は君の力になる、もう君を愛さない、

愛されなくてもいい。


闇に染まる時も、光ある時もただ、

君と一緒にいれればそれでいい。


そう思って君とゆっくりまた、

共に過ごした。


神の王国にまたバレないように

会う時間は凄く短かったけど、

寂しさより君がいる事に僕は

安心していて。


 君は前みたいに僕以外を愛している

素振りもなく、僕だけを愛している

感じがした。

けど、その時凄く君は弱っていて

心がまだ不安定だった。


君「もし、また離れて

  結ばれなかったら一緒に死のうよ」


と、君は言ってくる。


僕は君の力になれればいいだけだから

それをなだめる


僕「大丈夫、止まない雨はない!

  今度は君と僕、死ぬとかじゃなくて

  楽しく生きよう!

  信じていればきっと

  希望があるんでしょ?

  君が教えてくれたんだよ?」


君「…そうだったね、けど、もう

  私には希望なんて、

  だいそれたものないわ

  あなたを失ったら…」


僕はない頭を精一杯使って、

君が元気になるように言葉を選んだ


僕「例えばだよ?

  君が1番欲しいと望むものは何?」


君「…家族が欲しい…

  温かい家族が…私の居場所と

  思えるような…

  私の家族は、普通の家族じゃなく

  いつも私は寂しかったから…」


僕「うん、あるじゃないか

  まだ希望が!

  それを作れるように

  生きていこう?」


君「…っ!

  うん…

  なんか変わったね?

  私が置いていかれそうだよ」


僕「大丈夫 置いていかないよ

  君と一緒にいたいから」


君「うん!

  私も一緒にいたい!

  おじいちゃんとおばあちゃんに

  なっても手を繋いで歩くんだ!

  あなたと!」


僕「うん 歩こう

  おじいちゃんとおばあちゃんに

  なっても手を繋いで、君と」


君はまた僕の巣に来てくれる

そして、君の夢は僕らの夢になる。


君はみるみる元気になった

いつもの笑顔。

少し太ってきたり、けど可愛い。


君「年をとっても私あなたに

  絶対ヤキモチ焼いちゃうよ!」


僕「年をとればお互いそんなの

  なくなっていくよ」


君「いや!

  私はなくならない気がする!

  私のじいさまを取るなって

  言ってそう」


僕「あれれ 困ったさん」


二人は笑顔に包まれていた。

和やかに流れる日々。


 過去は過去。

憎しみなんて今がよければ

消えていくさ。


君は元気になっていって、

前のように明るく戻っていった。


みんな共仲良く、また忙しそうに

ひらひら、楽しそうにひらひら。


羽は無くとも、君は飛んでいるように

ひらひらしている。


だんだん君は元に戻っていく。


僕だけじゃなくなる気がした…。


けど、もういいんだ。

あの頃のようには僕はならないから!

過去は過去。


そう思っても君といるうちにまた、

悲しくなった…。


僕「どうしてだよ…心よ…?

  もう僕は君を愛さないと

  決めたのに一緒にいれるだけで

  力になれるだけで

  それでいいと思ったのに…!


  どうしてまた君がこんなに

  愛しいんだ!

  どうしてまたこんなに

  君が憎いんだ…」


君がいてくれるのに、

僕はまた君を許せなくなる。

涙が止まらない。


 これは、心に降る復讐の雨か…?

雨ならば、ホントの雨よ降ってくれ!


そして、僕から流れる真っ黒な

雨を全て流しておくれ。


そう思う時に限って、雨は降らず

陽が差し込んでいるのだった…。


 君と一緒にいるうちに、また君が

凄く愛しくなり、君を手に入れたく

なっていく。


君を僕だけのものにしたくなっていく。


今、こんなに僕を愛してくれるのは

きっと君に愛する者が僕以外に

いなくなっただけなんだ…。


君の事をまた、愛する者ができたら

君は僕から心が離れて

きっとまた裏切るんだ…。


1度裏切る奴はまた簡単に裏切る。

そう思った…。


僕の想いはまた、闇に支配されていく。


君への憎しみ、嫌な感情、

復讐心が生まれてくる。


 そう、元はといえば君が悪い!

僕を裏切ったから。

復讐の為に一緒にいたんだ。


復讐する為に謝って一緒にいるんだ…


そう思えてきた…君を守ろうとした

僕は消えかかっていた。

こうなってはもう、そばにはいられない。

もう、傷つけたくない!


僕の心が完全に呑まれる前に

離れなきゃと、思った頃には

もう闇は心を包んでいた。


 あの時、君が僕を裏切った瞬間

あの時、僕が君を裏切った瞬間に、

ホントは全て終わっていたんだよね?

僕の想いは、いつも裏切られるんだよ。


嘘であってくれと何度願っただろう?

なのに、悪い事は残酷に真実だったり

するんだ…。


僕のせい?

今までしてきた事のツケ?

今まで散々犠牲を払ってきたから?


そうだよね…?

今更何も許してくれたりしないんだ。


自業自得…全てを食べてきたから。

だから、僕だけの綺麗で

汚れなき君はいなくなった。


僕「ねぇ?

  僕には君と見る空が遠すぎる…

  ねぇ?ねぇ…?

  君よ、僕には君と見る未来が

  今になっては辛すぎる…」


僕はどんなにしても変われない

弱い弱い臆病な蜘蛛。

糸を張って、獲物を縛って

弱るのを待って食べる!

もう、うんざりだよ…こんな僕には…。


君は僕に言う


君「あなたなしの世界は

  もう考えられない

  どんなに喧嘩をしても

  あなたがいなければ私は元気が

  なくなってしまいます


  あなたと共に生きていくと

  決めたから 私はあなたのそばを

  絶対に離れません!

  あなたの事が大好きです」


僕も…僕も大好きだよ。

なのにどうして、こんなにもっと

みんなに嫌われて、どうして、

こんなに苦しいんだ…?


 確かに僕が言ってた通り、

絶対なんてないね…。

絶対なんてないとわかっているから

僕は絶対と言う事で弱さ、不安を

消したかっただけなんだ。


 君はどうかな?

君が使う絶対ってなんだろ?

信じさせたいから?

それだけ自信があったから?

裏切る時、騙す時の捨て台詞?

僕には君がわからない。


絶対と言っていたのに

裏切った君がわからない。


絶対私は裏切らない!

絶対私はあなたのそばを離れない!


不安な時、孤独を感じる時、

絶対って言葉を使うのかな?


僕も君も…。


君は、僕を孤独だけを埋めてくれる

都合のいい者としか、

思っていなかったんだろう?


綺麗な言葉を並べれば、

僕はすぐに君を信じてしまうから。


泣いて懺悔の言葉を並べれば、

僕はなんだかんだ言いながら

結局君を許してしまうから。


何度繰り返せばわかるのかね?

君も僕も、無限のループにでも

迷い込んでしまったようだ。


君といると、僕もおかしくなって

不安定になる。


僕といると、君もおかしくなって

不安定になる。


僕らの愛はやっぱり長くは持たない。

けど、今回は僕が悪いのかもね。


僕は君からもう不信を消せない、

疑いを消せない。


少しでも君が怪しいと思えばもう、

全てを疑わずにはいられなくなっている

自分がいる。


君が欲しいのは、自分を

必要としてくれる自分の事を好きな者。


僕が欲しいのは、僕を傷つけない

都合のいい自分の事を好きな者。


君の嘘、嘘、嘘…

嘘を正当化する為に

君はホントっぽい言葉を並べる


君はどこまでも嘘をつく、いつもいつも

もう、うんざりだ、疲れた。


何が「真実の愛」だ?

もう、なんでもない!


言い訳、言い訳、君は嘘を隠す為にまた

ホントの話しも混ぜたような言葉を並べる。


ねぇ?

僕は君の操り人形じゃないよ?

とりあえず手放したくないだけ?


過去は過去…

そんな綺麗事、僕にはできなかった。


君が僕以外に愛された真実を

どうしても許せなかった。


汚い…汚い…汚い…


それでも、

僕らは一緒にいる事を望んだ。


君は僕を騙そうと…

僕は君に復讐をしようと…


僕の瞳から流れる復讐の雨が

降るたびに、僕の心は深い深い

闇に堕ちていった。

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