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13章 堕天使

君と僕の愛には、結局安定などない。


ひっそり隠れ、お互いにまた嘘を重ね

愛していると身体を重ねる。


それでも、性格はまた合わなくて

歪み合う。


何かと言えば神が、神が!

全部君だろう?


君が神を利用して欲深いから安心が

来ないのだろう?


君はけど、僕が羽を奪ってから大きく

変わってしまったのかな?


 そうして君と喧嘩をしたり、離れたり

くっついたりを繰り返した。


そうしていたら、またあっち(神の王国)

のバカ共が僕らを離そうとしてきた。


もう、会わないようにと君をどこかに

連れていくと、僕を今度こそ追放すると…。


僕「なんなんだよ、ホントに

  僕が何をした?

  君と恋をしているだけだろ?

  何も悪い事なんてしてないのに…」


僕はイライラしていた

もう君と離れようとした。


神だと…?バカげてる。

そんなに突き放したいなら

もういいよ、めんどくさい。


僕は諦めた。


そしたら、今度は君が全てを捨てて

僕の所に来たいと言う。


僕は以前、君に言っていた。


僕「全てを捨てても、僕と

  一緒にいたいと願うものがいたら

  僕は幸せかな?」


君はそれを覚えていたのか、

そう言ってくれた。


僕には神の存在が邪魔だった。

ついに、

君の心に巣食う神がいなくなる!


僕は嬉しかった、僕も来てほしかった。

ずっと願っていた。

君の心から神がいなくなる事を。


だから、神と全てを捨てて

君に来てほしかった。


君を受け入れて君の居場所を

作ってあげたかった…。


 けど、僕がどれだけ新しい場所を

用意したいと思っても、

僕がどれだけ一生懸命君を想い、

大切な場所を与えたいと思っても、

僕が作れるのはどうしても

蜘蛛の巣…。

君を縛る、弱らせる蜘蛛の巣…。


そして、僕は全てそれにかかった者を

食べてしまう蜘蛛…

どれだけ君を愛しても

どれだけ君を守りたくても

僕にはそれしか用意できない…


 君は夜に神の王国を抜け出し、

誰にもバレないように僕の巣に来た。


君が出てきてから、君の周りは大騒ぎ。


王国側「あの子がいなくなった‼

    きっとまたあいつの場所だ!

    場所を突きとめて、

    あの子を騙してるあいつを

    捕まえろ‼」


ふふふ…騙されていたのは

結局僕なのにね?

蜘蛛ってだけで悪者か…?


 二日間、君は僕の所にいた。

君の様子は可笑しかった、

精神が定まってない様子だった。


たくさん泣いていたのを覚えてる。


僕は君が来てくれた事は嬉しかったが、

ここまで神の王国側が攻めてくるとは

想像していなかった。


僕はその時、怖くなった。

君が僕といる事が、こんなに神の王国側

からすれば大変な事なんだと、

初めて神の王国の恐怖を知った。


それでビクビクした僕は君に

キツク当たる。


僕「どうしてちゃんと話して

  こなかった?僕をどうする

  つもりだ⁉」


君「わからない、あなたに会いたくて

  必死だったから」


僕「凄い数だぞ!この場所がみつかれば

  僕と君の恋どころではないじゃ

  ないか⁉」


君「あなたと一緒にいたいから

  神を裏切りここに来た、

  私を愛してよ…」


僕「僕は捕まるのか?

  なんで?なんでっ⁉

  恋をしただけなのに、どうして

  こんな目に」


君はそんな僕を見て

情けないと思っただろう?


君には強く言うくせにホントは

凄く臆病で君を守ろうとしない。


自分の事ばかりな僕に

失望したのだろう…?


 夜になり、神の王国側も少し静かに

なった。

僕は少し安心して君と横になった。


君がいなくなる前の夜、

僕に聞こえないような小さな声で

君は言った。


君「やっぱり、あなたのホントに

  愛する者に…私はなれないのか…?」


僕は聞こえないふりをして眠った。


まぶたを閉じる少し前の僕の目に、

月の光に照らされて見えた君の

瞳には、涙が浮かんでいて水溜まり

のようになっていた。


次の朝、君は僕にいきなり愛を求めた。


君「私をめちゃくちゃにして?」


僕は君を強く抱きしめる。

そして、激しい愛を与えた。


その日は雨が降っていた。

そういえば君と一緒にいる時、

君がいなくなる時、

いつも雨が降っていた。


 そして、ふと目を離した瞬間

君はまた、僕の前からいなくなった。

僕は探した、できる限りの場所を。


いなくなられても仕方のない

態度だったのに。


僕はその時


僕「なんでだよ⁉また、なんで

  僕のそばからいなくなるっ⁉」


と苛立ちを覚えていた。


次の日の朝、心配して探し疲れた

僕の所に君が、僕がいつかあげた指輪を

見せつけ戻ってきた。


僕「なんで出ていった?

  こんな時に、どうしたら

  出ていける?」


君「あなたは守ってくれない!

  私が神の王国を裏切りあなたの

  所に来ても!」


僕「どうして?全てを捨てて

  出てきた奴が出ていくんだ!」


君「神の王国があなたの場所を

  突き止めたの!

  私も牢獄に罪人として捕まるわ」


僕「何を言ってる?

  どうして僕が…

  僕は捕まるのか?

  追放されるのか?」


君「………」


「ゴォォォォォォ‼」


大勢の何かが僕の巣の前に来た事が

わかった。


王国側「出てこい‼蜘蛛めっ‼

    お前が拐ったのはわかって

    いるんだっ‼」


神の王国側の虫達が大勢、

僕の巣の前に来ていた。

ビックリした僕は、冷静を無理矢理

作り深呼吸をして君に言った。


僕「ちゃんと話せばわかってもらえる

  だから話しをしてみよう?

  君は僕の隣にいてくれれば

  いいから」


君は無言で下を向いていた。


虫達が攻めてくる!

僕は君が隣について来てくれているもの

だと思い虫達の所に向かっていく。


虫達が大きな声で言う。


王国側「出てきたな蜘蛛め!

    紋白蝶を何処にやった?

    いるのはわかっているぞ!」


僕はあれ?と思いながら君の方を

振り向くと、下を向いたまま

僕を通りすぎていった…。


君は何故か大人しく神の王国側の虫達

の方に向かった。


王国側「紋白蝶を確保したぞ~‼

    蜘蛛を捕まえろぉ~!」


僕は初め、状況を飲み込めず

何もできないまま大勢の虫達に

囲まれた。


そして、君はどこかに消えた。


 僕は意味がわからないまま君を

探しながら、攻めてくる奴等に攻撃した!


僕は無意識に君が連れて行かれると

思い必死になった。


僕「彼女は自分の意思で僕の所に

  来たんだ!

  連れて行くな!許さないぞ!

  てめぇら‼」


と、僕は大きな牙を振りかざした‼

あちらの大群の攻撃に少し怯んだが

怒りが前に出ていた僕は

次々と神の王国の者達をなぎ払った‼


その時、君が来た時につけていた指輪

が僕の巣に丁寧に置かれてるのを

見つけた。


僕はそれを見た瞬間、君に「サヨナラ」

と言われている気がした。


ふと、遠くを見つめると君は

他の虫に抱き抱えられていた…


あいつは誰だと王国側の虫に聞くと

婚約者だと言った…


 僕は力が抜け、虫達に取り押さえられた。

それから、神の王国の虫達は

僕の巣を壊し、僕を捕まえて、

この場所から追放した。


僕はそんなのもうどうでもよかった。


君がどうしていなくなったのか?

君がどうして指輪を置いていったのか?

婚約者?何を言ってるんだ?


ずっと悶々と考えていた。


君はいなくなったのか?

神の王国の者達は勘違いしてるんじゃ

ないのか?

もう、会えないのか?

婚約者がいたのか?

僕は一体君のなんだったのか?


君がいない、辛すぎる…

悔やみきれない…


そう考えていた矢先、

もっと酷い事がわかる…

神の王国の者達に捕まって追放される

時にふっと漏らした奴等の言葉。


王国側「よし!紋白蝶のおかげで

    ついに闇の蜘蛛をここから

    追放できたぞ‼」


…そう…


僕を騙して居場所を教えたのは

追放したのは、紛れもない君だった…


出ていった時、婚約者と名乗る奴に

迎えにきてもらい、僕の居場所を

教えたのは君だった…


僕は何がなんだかわからなくなった。


僕を憎んでいたんだろ?

全てを奪った僕を…

君の想いに答えられなかった僕を…


薄々感じてた…

僕以外に誰かいると…

そして、裏切っていると。


君が裏切っているからと

その強い嫉妬で君を傷つけ過ぎた…


君は何がしたかったのかな?

婚約者がいたのに…


けど、君に僕も仕返しされても

仕方ないのか?


君からしたら、僕に騙されたとしか

考えてないのかもしれないもんね…?


ねぇ…?

君はもう、僕を消したかったんだろ?

邪魔になったんだろ?

僕が神を邪魔なんじゃない

みんなが、君が、僕の事を邪魔だったんだ。


僕がいなくなれば、それだけですむ話しだったんだ…


だから、僕をこんな目に

合わせたんだろ?


君は僕を恨んでいたんだね。

そうだよね、恨まれて当然か…。


けど、このやり方は汚すぎるだろう?

僕を奴等に引き渡し、自分の手柄に

して神の王国に戻ろうとするなんて…


元はといえば、君が婚約者がいたのに

僕に手を出したのが悪いのに…


結局、僕だけ悪者に仕立て上げた

君を僕は恨んだ。


 神の王国と闇の国の者は決して

結ばれてはならない。

そこに「真実の愛」は絶対

生まれないからだ。


それがもし、奇跡的に生まれたら

今まで信じてきた神の絶対的など

簡単になくなってしまう。


神の王国は僕らに恐怖を植え付けて

あってはいけない愛を引き離した。


どんどんお互い、心に憎しみを

作っていった。

好きだからこそ、

もっと許せなくなった。


 僕らの愛は、弱い儚い憎しみの炎…

偽物の愛と知りながら、

墜ちてはいけない愛と知りながら、

お互いの心の隙間を埋めるだけの、

孤独を消したいと求めるだけの愛。


今までこんな愛を守る為に、

たくさん失って来たから何か得るまで

失敗と認められない欲望の醜さが

生んだ結末だった。


こんなに恨み醜くなろうと、

君と僕だけではもう、離れられないから

神が僕らを突き放すんだ。


て、何を言おうと僕は君に

ただ、騙されていただけだった…

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