case:79 【冬休みの場合】 Act.5
冬休み中一人でライブの準備をしようと思うと必ずと言っていいほど高嶺先輩が付いて回ってきた。
本当にあのストーカーは、とも思いはしたが逆に考えることにした。
この人はこんなんだがセンスだったり知識は豊富なのである。
ならばいっその事服装だったりそういった用意をこの人と一緒に行えば悩むこともないのでは。
と考えたのがバカだった。
後日無茶苦茶派手なネグリジェとか、もうこれ礼服というよりコスプレじゃ・・・っていう衣装が家に届く羽目になった。
もうあの人には二度と頼まないと決意した。
と、それは置いておいて。
小鳥遊さん率いるJEWELRYのライブ会場に現在一人で向かっているわけだが、こう一人で行動するときは必ず高嶺先輩がくっついてきていたから心配でたまらない。
とはいえ、せっかく招待いただいたのだから行かなくてはならない。
というよりたまには一人で何かさせてもらいたい。
ということで苦肉の策としてよっちゃんに先輩のアドレスに私の写真を見せると今日の予定を事前に埋めさせると同時に、何かあったときにと教えてもらっていた政道先輩のアドレスにも一応これまでのいきさつなんかを連絡しておいた。
まぁ、ここまでしておけば何とかなるだろうという希望も含んで、結局いつも通りの服装で一応手土産にお茶菓子と花束をもって会場に余裕をもって会場に着いたところで。
以外にも、と言ったら失礼なのだろう。
そもそもが結構人気なのだろうことはネットでも記事になっていたがこう目の当たりにするまでは実感がわかなかったというか。
会場はすでに人でごった返していた。
いったい何人来ているのかねっとでも数千単位での来場とは言われていたが目の当たりにするとこうすごい熱気というか。
もうそれだけで彼女を侮っていたというか、軽く見ていたことがうかがえる。
私の態度とかファンにばれたら八つ裂きにされるのではとか思ってしまう。
とりあえず、入場チケットを係委員に渡したところ別で会場に案内されたが少し、というかかなり怖いところでもあるが。
これはVIP席とかなのか?というほど近くで見れる席に、そう席に案内された。
ライブ会場という他の観客からしてみれば立ってみる場所に席が数席用意されているその席に。
私何かしたのだろうか・・・これ明らかに過剰対応だと思うのだが?
確かに学校では唯一なのだろう彼女の本当の姿を知っているのは。
だからといって、ほかにもいるだろうに。親とかそこらへん。
こんな一クラスメイトを招待するなんて間違っているんじゃないか?
とかなんとかその席で不覚考えていたら、他の重鎮みたいな人物も来たりしてあっという間にライブが始まっていた。
そしてそれこそ、のめりこむぐらいこの私ですら見入ってしまいあっという間に年明け一発目のライブは終わりを迎えた。
ライブ中何度もこちらを気にしている様子を見受けられたが、隣に座っている重鎮でも気になるのだろうか。
立派な髭を携えた方だからきっとお偉いさん方なのだろう。
まぁ、そんなこんなでライブの熱気もいまだ冷めやらぬまま、引っ込んでいったJEWELRYの方々へ挨拶をと、私もこの場所を後に。
ふと楽屋へ向かう最中他のメンバーって私の事知っているのだろうかとか、私が知っているってことをばらしても大丈夫なのかとかいろいろ疑問に思って位を痛めそうになったが考えることを放棄することで事無きを得た。
が、やはりいざ楽屋前に来ると考えることを放棄するわけにもいかなくなってやはり胃痛がしてくるわけで。
しかしそんなところでしり込みしていれば当然ということが起こるわけで。
「あれ?あんた・・・ユズのお気にじゃん?」
ノックしようか姉妹かのところで急に扉が開き中から出てきたのはライブでよくよく顔を見たJEWELRYの一人である。
そして一人不測の事態に固まってしまう私がいて。
「え!?藤間さん来てくれたの!?ってお気にじゃないっての!!」
それでも自体は進展していくわけで。
「あ、あの、どどうも・・・」
どうしたらいいか久しぶりに本気でなやんでいたら結局どもった挨拶になってしまう。
今までどう接していたのか分からなくなってしまう。
本当にアイドルなんだと自覚してしまったとたん緊張してしまうというか。
とりあえずこんな胃痛空間にずっとはいられない、と渡すものだけ渡してさっさと帰ろう。
まさに君子危うきにというやつである。
「少し挨拶に来ただけだから、すぐ帰るよ」
それに小鳥遊さんだってずっといられても困るだろう。
そう思ってすぐ帰る旨伝えただけなのだが
「・・・いや、ゆっくりしていきなよ。せっかく来たんだし」
しかし帰ってきた返事は予想外にも歓迎するような言葉で。
けれでもその言葉を発した小鳥遊さんはどこか機嫌が悪そうな表情をつくっていた。
あれ?なんか胃にいやな予感がするぞ?
私何かヤバいことでもいったのだろうか。
とりあえず、今日は胃薬もってきていないことだけが不安の種である。
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