case:76 【×冬休みの場合】 Act.2
毎年恒例の宝月家と我が藤間家合同でのクリスマスパーティーはつつがなく終了。
特筆していうことと言えば、今年は少し奮発して姉妹にプレゼント二つ贈ったことだろうか。
まぁ、刺激的な日常をくれたお礼ということで皮肉半分以上感謝そこそこでくれてやったら喜びすぎて姉に関しては鼻血吹いて倒れたが。
ドン引きである。
え?よっちゃん?どうしてもと土下座してきたので仕方なくケーキは恵んでやることにはした。
が、しわ寄せとしてプレゼントが想像の通り姉妹に流れたということだ。
ま、きちんとしたものは明日にでも渡してやろうと、ちょっとした意趣返しである。
ガチへこみしていたが私の労力を考えればそんなこと大したことではないだろう。
ちなみに明日開催されるクラスでのクリスマスパーティー用のケーキはすでにできており、チョコレートとショートケーキの二種を用意しておいた。
のはいいが、肝心の開催場所を私は知らないのだがそこのところどうなのだろうか。
何て心配は杞憂でよっちゃんが半べそかきながらに教えてくれた。
ということで、家族でのクリスマスパーティーはお開き。
特に何かが起きるという事はもちろんなく・・・今年はやけに姉妹がおとなしかったのが気になるが。
現在は翌日の午後14:00過ぎである。
確認したところ集合場所は二駅先のモールで時間は17:00からとの事。
特に持ち物はなし、藤間は例のもの忘れるなとはギャル子さんのお言葉らしい。
連絡先を知らない私によっちゃんを介して伝わってきた。
代わりといっては何だけれどなんでも会費は不要らしい。
会費を取るということはどこか会場なのか、誰が来るかわからない不安に加えそんなどこに行くかわからない不安までくわえて来るなんてギャル子さんは相当のドSだということがわかる。
と、言うかわざとな気がするのは学園祭での出来事のせいだろうか、気のせいだとありがたいのだが。
とりあえず、クラスでの集まりとは言え服装には気を配らないと、とクリスマスっぽく。
何て思ったはいいがそもそも私は服装にはとんと無頓着。
故にいつも通り姉の着せ替え人形と、ただ昨日のプレゼントを二つ渡したのがよかったのがそこまで着替えさせられることもなかったので得した気分である。
等と時間をつぶしていれば時間は16時近く。
携帯にももうそろそろよっちゃんが家に到着する旨のメッセージが。
マフラーを首に巻き家を出るとちょうどよっちゃんが来たみたいで、来るまで外で待っていてやろうと思ったのに待ち甲斐のない奴である。
「お、待たせちゃったり?」
「いや、今出てきたところ」
恋愛小説の定型文みたいなやり取りをしたかと思えばよっちゃんがポケットに入れたままの私の手を握らんとそのままポケットに手を突っ込んできたのである。
当然よっちゃんの手は冷たく。
「ひょわっ!?」
「ひひひぃ、あったかぁい」
私の悲鳴とは逆によっちゃんは満足そうな表情を浮かべる。
今すごくこいつの顔にケーキの箱をぶつけてやりたい。
中身が崩れるからやらないが。
「さて、行こうか」
ひとしきり温まったよっちゃんが時間を見て一言。
確かに時間も時間だしそろそろ行きたいが、ただ一つ突っ込んでおかなければならない。
「このままで?」
なぜかよっちゃんの手は私のポケットに入ったままである。
「まぁまぁ、今日ぐらいはいいじゃない、たまには、さ」
・・・・・・。
・・・はぁ。
「今日だけね」
ま、最近よっちゃんを甘やかしていなかったからよっちゃんもよっちゃんで甘え不足なのだろう。
ここで変に邪険に扱ってかまってちゃんモードになられても面倒だしここは素直に従っておこう。
そしてモールへ到着。
あいにくと、ここまでよっちゃんの手は私のポケットINのままだった。
モールに到着してから、さっそくそれをネタにギャル子さんに絡まれるわ、あいにくと集まっていたメンバーは顔はわかるけど名前が一致しない人がほとんどと名前も顔もわからない人ばかりだった。
ただ、ケーキに関しては皆一様に驚きそして喜んでくれたみたいで作った甲斐があるというもの。
そしてなんと会場はカラオケ。
私はケーキを持ってきたおかげで皆からおごりらしい。
皆が皆歌えや騒ぎで大盛り上がりを見せていた。
まぁ、こういうクリスマスも悪くはないのかもしれない。
あいにく縁がなかったもので新鮮に映るが、よっちゃんは普通に楽しんでいたから慣れているんだろうけど。
以外だったのが委員長が来ていたことと、なんで学園祭からモデル子さんとは仲良くさせてもらっているとか、意外。
なんとも一番びっくりしたのは小鳥遊さん。
なんと持ち歌を惜しみもなく披露して皆にうまいといわれドヤ顔。
私はハラハラしながら聞いていたが案外ばれないものである。
そして私も一曲披露しろと言われたので、慣れないながらも機械を操作して一曲。
皆もしっているだろう人気アイドルグループの『世界は一つだけの花』
は、よっちゃんの手によって途中で止められた。
皆苦笑い、へたくそと一思いに言っていいのだぞ?泣いてやるから。
ああ、こういうものならたまにはいいかもしれない。
解散しても楽しさは夜遅くまでさめることはなかった。
久しぶりに胃薬のない一日だったかもしれない。
毎日こうだといいのに、と思わずにはいられない、いい一日だった。
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