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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
二学期
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92/133

case:73 【期末・冬の陣の場合】 Act.2

学年末。

色々とこの一年をにぎわせてきたが、もうそれも終わる。


年の瀬、一年は長くも短くも感じるといったところである。

例にもれず学年末テストではか割らずの結果をたたき出した。


もちろんよっちゃんは冬休み補習をうけるみたいだが。



それはさておきこの一年いろいろとあったが今思えばいい思い出とも言えなくはない。

とはいえ同じことをもう一度味わえといわれると謹んでお断りする。


それは目に見えているが、それはそれで濃い一年であってその思い出は私にとってかけがえのないものでもあって。


・・・つまり何が言いたいかというとだ。

不覚にもこの環境が無くなるのが惜しいと思ってしまう私もいてしまうということだ。


生徒会選挙の時から意識し始めていたことだが、冬休みを終えれば残すところ卒業式が待っており漏れなく高嶺先輩は卒業していくだろう。

よもや留学して私と同じ学年で、なんてことは・・・考えそうで怖いがさすがに世間体的にないだろう。


クラス編成自体はこのままだから変わることはないからよっちゃんや妹、それに教師である姉はいなくならないだろうがそれでも、いつも何かと絡んできた一人がいなくなるというのはさみしく感じてしまう。


それがたとえ多少なりとも迷惑を感じている相手だとしても。


そんなことを考えていたから、不意にため息が漏れてしまったのだろう。


「どうしたの?藤間さん」


そんな私に気が付いたのかとなりの席の小鳥遊さん。

彼女ともいろいろあった、ような気がする。


最初こそ衝撃的な邂逅ではあったものの今では落ち着いてお互い過干渉もない実にただのクラスメイト、的たち位置で収まっている。


「ああいや別に、一年ってはやいなぁって甲斐甲斐しくもね」


「藤間さんにしては意外ね、もっとあっさりしてるかと」


「いや、おい」


自分で言っておいてだが、私でもそう思う。

しかしそれを他人に指摘されるというのはなんかこう胸に来るものがあるので一応は突っ込んでおく。


そういえばあれから小鳥遊さん、本名は小鳥遊柚木さんについて、というか小鳥遊さんが言うユズキが所属しているアイドルグループについて調べてみたが本当にあの時のおさげを下ろして眼鏡を取った小鳥遊さんがいた。


まぁ、だから何だって話なんだが、なんとなく今言っておかないとっ的になった。

・・・というかなんというか、久々にこう逃げ場のない嫌ぁ~な感じが。



「ああ、そうだ藤間さんこれ、一応帰ってから開けてね、年明けライブのチケット」


「え?は?」


正直何を言われているのか理解できなかった。

なんのチケットなのだろう。なんて聞かなく手もわかるだろうね、彼女アイドルなんだし。


けど今までこう、何というかお互いただの顔見知り程度で過ごしてきたのにいきなりこういうことに誘うってどう言うこったい?


あれか?どっきりとかか?


「忘れたの?学園祭の報酬の件。私にはまだ回ってきてないんだけど」


何て一人うんうん頭をうならせていたら小鳥遊さんの方から答えをくれた。

というか、学園祭の報酬ってなんで小鳥遊さんがそういうのに乗り気なんだ?

あの時も別段突っ込んでこなかったし、これといって予定を開けておくようなことはなかったのに!


それに周りにはアイドルであることを隠したいのではないのかこいつは。

これでは下手したらばれてしまうだろうに、いったいどういうことなのだろう。


何が彼女に変化をもたらしたのだろう。


「え、いや、いきなり言われても」


「だから事前に渡したじゃない、くれぐれも一人で来てよね」


あ、これ断れないパターンじゃないですか。

しかもきちんと身バレを案じているし。


「でもなんで急に」


「・・・べ、別に。いや違うわ、そうよ。私が藤間さんに私のことを知ってもらいたいと思ったからよ!!」


とりあえず今まで一定の距離を保ってきたのに急接近してきた、と思っていたが本当にそうらしい。

けどそうじゃない、そうじゃないんだよ。

なんでそうなったのかを聞きたいんだよ私は!!


なんで今更距離地締めようとか思っちゃてるのさ、いつも通りでいいじゃん。

「ほ、ほら友達なんだし一応よ一応、ね!」


え、私達友達だったの?とか言ったら殺されそうだったのでその言葉は飲み込んだ。

ああ、これは私にしたら今更だけどみたいな感じか。

え、なんかこれ私が悪いみたいな感じではなかろうか。

しかし、彼女転校せざるを得ない状況に前の学校で陥ったのによく友達とか作る気になれたな。


けど、友達、ね。

まぁ、どうなんだろうな。よっちゃんは幼馴染で友達といえるだろうが、アヴィさんや高嶺先輩、それに委員長やギャル子さん、いろんな人とかかわってきたが、友達だと思われていたりするのだろうか。


とりあえず冬休みはいろいろと考えさせられそうになりそうだ。



それはともかく、早くも冬休みの予定が一日埋まってしまった。

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