case:71.5 【生徒会選挙への場合(番外)】
★委員長
十一月も終わりに差し掛かって生徒会選挙が近づいてきたとき、私はそれに気が付いた。
何時もは休み時間には教室で宝月さんや転校生の小鳥遊さん、それに留学生や一つ下の学年の妹でさえも追い払って自分の席で読書をしているはずの藤間京がここ最近ではめっきり見なくなっているということ。
そして逆に、なぜか生徒会役員の面々とせわしなく何かをやっているところを多く見るようになった。
正直最初はまた何か変なことに巻き込まれでもしているんだろうな、とか本当に他人事のように見ていた。
一時期は周りの印象もあり藤間京自身もあまり真面目な生徒ではない。なんて思っていたが、体育際や学園祭などを経てその認識は全く違うものへと。
それこそ私が最初に見た『超えたくても超えられないどこか遠くにいるような存在』という認識に戻りつつあった。
まぁ、今では超えたくても超えられないどこか遠い存在どころかすごく面倒見がいいくせに人づきあいが苦手のただの秀才っていうイメージになりつつあるが。
今回もどうせそんな私からしたらめんどくさい性格が災いしての事だろう、ということはすぐに予想できた。
できてはいたが、まさかその巻き込まれ方が彼女が生徒会長になるのではないかというものだという噂を聞いた時には脳がパンクしそうになったのは言うまでもない。
「「はぁ、まったく・・・」」
そんな私のつぶやきが小鳥遊さんとかぶった。
ああ、確かに彼女も最近藤間京に付き合ってはいるが比較的というか藤間メンバーで唯一といっていいほど常識あふれる人だと認識している。
おそらく考えていることは同じだろう。
私と彼女はこの大事に一人奔走している藤間京を見ながらお互い苦笑を漏らしてしまっていた。
★小鳥遊
藤間さんが生徒会室へ向かってから、しばらくして疲弊した様子で戻ってきた彼女に私は宝月さんと共に事の顛末を聞くことに。
正直、よくくじけないというか自棄にならないな、と感心が先に出てしまった。
宝月さんもいつもの事か、みたいな感じで呑気に笑っている始末。
藤間さんは悪い人ではない、というのはよくわかるのだけれど何というか。
うまく表現はできないのだけれど何か欠けているのでは?とたまに思ってしまう。
今がまさにそうなのだが。
それからも彼女は自分の時間を削っては、自分の為といいながら生徒会の手伝いを昼休みのみならず放課後遅くまでやっている様子。
宝月さんに聞いたけど、一度生徒会会長には結構ひどい目にあわされたらしく、それでもこうして変わらず他の人と区別せず避けようとしない。
面倒見がいいのは美点だけれでも相手が誰でも気にしない、というのは私としては末恐ろしい物を感じた。
それを伝えると宝月さんはどこかくらい表情をしていたのが気になったが。
そして今も生徒会選挙のために奔走している藤間さんが目に入る。
「「はぁ、まったく・・・」」
思わずつぶやいた言葉がクラス委員長である新崎さんと被った。
彼女とは交流こそないが藤間さんと話をしているのは何度か見ている。
きっと考えていることは似たようなことだろう、彼女も私もお互いに苦笑いを浮かべていた。
正直、藤間さんにはもっと周りに頼るとかそういったことが必要なんだと思う。
そして、それをきちんと教えてあげれる人も必要なんだと。
・・・あわよくば私なんか、って違う私は藤間さんにそんな気持ちは・・・ないはずだよね?




