case:71 【生徒会選挙の場合】 Act.3
高嶺生徒会長がまったく関係性のない一般生徒である私をこともあろうかいきなり次期生徒会長に推薦するという珍事から早数週間。
今やっと、全生徒の信任投票が終わり新生徒会長が決定したところである。
今の心境を言うのであれば、疲れた。の一言に尽きるだろう。
まったく、いやどうして私がこんな目に合わなくてはいけないのだと何度発狂しそうになったことやら。
だが、そのかいあって、今私は壇上にいる新生徒会長である生徒を暖かい拍手で歓迎している。
いや、本当にあそこに私が立ってなくてよかったと思うばかりである。
さて、あの状況で私が何をどうしてこうなったのか、というわけで回想にいこう。
あの時私は会長にただ一言こういってやったのだ。
「会長、今回の件いささかやりすぎです。それにただこうも強引だと私会長の事嫌いになってしまうかもしれません」
そう真正面から言ってやったのだ。
「・・・え゛」
結果は上々、というか効き目がありすぎた。
「ちょ、ちょっと京様そんな冗談私には効かなくて、きゅう~」
『か、会長ぉ!?』
あまりの出来事に高嶺会長が動揺のあまり言葉半ばで倒れてしまうほどに効果覿面だったのである。
だがこれで形勢は一発逆転。
結局、新生徒会長として推薦されるのはもともと生徒会に所属していた書記の子がやることとなったのである。
と、いうか元から書記の子が立候補を申し出ようとしていたところでこの珍事である。
書記の子には申し訳ないというかなんというか。
なんで私が罪悪感にかられなくてはいけないのだ!とも思ったが政道副会長の『あの生徒会長だから・・・』という一言で納得してしまった。
ともあれ、これにて私はこの件から完全に無関係に。
とはいかないのがこの学園のというか生徒会長様のおかしなところ。
このまま受動的に巻き込まれるぐらいなら、ととりあえずなんでこのようなことをしたのかを問いただすことに。
その答えは
「だって、最後に京様と生徒会の仕事したかったんですもん」
うん。
いや、もんってかわいくいったってごまかされないけどね?
ただそうかぁ私と生徒会の仕事をしたかったのかぁ。
と現実逃避するしかなかった。
確かに、推薦なり立候補なりあれば必然的に行動を共にすることはあるだろう。
けれどもやっぱり今回の件に関してはやりすぎである。
「はぁ、まったく会長のわがままに付き合うのも最初で最後ですよ?」
だが、それでそっかじゃあバイバイ。
なんてできるほど私は薄情ではない、というか。
なんというか、意外と高嶺椿姫という人物に対し文句がありながらもどこか甘いところを見せてしまうほどには心を許してしまっているらしい。
とりあえず一時客員として生徒会を手伝うことになった。
それとこれ以上会長が問題を起こさないようにとストッパー的立ち位置も。
生徒会長は私の提案に感涙し副会長他生徒会長に振り回されていたメンバーも『救世主だ!!』といわんばかりにほっとした表情を見せていた。
よく回っていたな生徒会。
だが、そこでも予想外というものは起こるものである。
私の仕事は客員ということもあり、通常生徒会メンバーより少ない。
となるとすぐに終わってしまうもので、それでは手伝いの意味がないので普通に仕事を回してもらうことに。
それでも仕事はすぐに終わってしまう。
それこそ本来この時期には終わっているはずが後回しにして溜まっていたものですらきれいさっぱり無くなるほどに。
そして修正箇所も見つけられないほど適格だという。
それを受けて調子に乗る生徒会長。
とりあえず言葉の暴力で〆といたが、生徒会長を本気でやらないか他メンバーからも打診され挙句には会長じゃなくてもいいからという始末。
まったく困ったものである。
もちろん選管の仕事も一通り手伝いをしていると必然的に人に顔を覚えられていくということで、今では生徒会の新しいメンバーと思われているふしさえある。
生徒会選挙が終われば無関係になるというのに、これには困ったものである。
そして、選挙当日見事に元書記の子が新生徒会長となり現在に至る。
というところである。
これでやっと私も開放される、というもの。
元生徒会長の高峰先輩も満足の表情だったし、これで生徒会に絡まれることはなくなるだろう。
・・・まぁ高嶺先輩個人には絡まれるのだろうけど。
余談だがよっちゃん情報で生徒会として活動していたせいで一部で、生徒会長に引けを取らない手腕と普段眼鏡をかけているせいで気づきにくいがなかなかの風貌。
そして運動ができないところがギャップとなり隠れファンができているとかなんとか。
さらには私目当てに生徒会には入ろうと考えている一年生が複数おり妹が占めている現場も目撃してしまった。
私生徒会役員ではないのにどうしてそうなったのだろうか本当に、ほんっとーに困ったものである。
はぁ、まったく冬休み前だというのに疲れるものである。
今月だけで胃薬にいくら使っているのだろうことやら。
おや、これが最後の一錠・・・買いに行くか。
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