case:70 【生徒会選挙の場合】 Act.2
正直、私は今現在これほどないぐらい疲弊していた。
生徒会室にむかわなければ半ば強制的に生徒会長として推薦されてしまうため以降とすれば行かせまいと足止めされ、行けないのであればいかまいとすればそれはそれで生徒会長の親衛隊だろうと思しき方々避難される。
もうどうすればいいのだ、というところで政道先輩が親衛隊の人たちを相手変わらずに口論を繰り広げている。
他人事のように見ているが、消しって他人事ではない。
けども何というか、もうこの段階でいろいろとめんどうというかこの後にあの生徒会長をも相手にしないといけないと思うと軽く憂鬱というか。
とりあえず
「もう・・・いいですか?いい加減通りますよ先輩方・・・」
これ以上ああでもないこうでもないと水掛け論もいい加減聞き飽きたことだし、めんどくさいので真摯にお願いをすることに。
しかし、当の先輩方は何か息をのむように硬直してしまったではないか。
あの政道先輩までである。
いったい何があったというのか。
「あの?いいんですか?駄目なんですか?・・・」
「「「あ、あの、どうぞ」」」
「はあ、どうも。行きましょう副会長」
「あ、ああ、すまない藤間さん」
こう、頭がぼうっとしているのかうまく把握できないがなんか私を見る目がおかしい?気がするが。
本当にどうしたのだろう。
ま、先を譲ってくれるということなら遠慮せず会長のもとに向かうとしよう。
「藤間さんでもあんなに怒ることがあるのだな・・・」
「え?別に怒ってませんよ?」
道中先輩がそんなことを言ってきたがそんな覚えはないので否定をしておいたが心底驚かれた。
心外である。
確かに面倒ごとは苦手だし早く行きたいとは思ったが、そこまでではないと思うのだが。
「・・・無自覚なのが一番恐ろしい・・・」
副会長が何か言っていたがよく聞こえなかった。
なんやかんやでやっと生徒会室にたどりつくことが。
しかしそこに居たのはしたり顔で待ってましたと言わんばかりの生徒会長と、他の役員たちも勢ぞろいしていた。
これには副会長もびっくり、いったい何事だ!?と声を荒げていたがそれはこっちが言いたい。
という突っ込みは飲み込んだ私は他の役員が皆、思案顔であることだけが気になって仕方がなかった。
「さて、これで全員揃ったわけだけれど、もういいわよね?」
そして生徒会長がさっそく口を開くが、いや待って何がもういいのだろうか。
今更ではあるがいやな予感しかしないのはなぜなのだろうか。
頼むから、これ以上何も言わないでくれ。
「この状況でも彼女はきちんとNOと言える、今この学園に私に頼まれていやだといえる生徒は何人いるか、そしてその中に優秀な生徒は何人か。答えは彼女ただ一人。だからこそ私は彼女、藤間京を推すわ」
何て願ってもそうはならないのが私の人生だっていうことはもう知ってた。
しかしこの展開、よもや副会長もグル・・・なんてことはなかった。
がっつり知らずに利用されていたことにショックを受けてるし。
だけどもこの生徒会長、政道副会長が私に伝えに行くのも私が必ず何が何でも会長に抗議に行くのも読んで逆にそれをアピール材料にしようなんてよく考えるものだ。
普通いやだって言ってる人をそこまで推すか?
それに他の役員も妙に納得しているし、ええいこの学校の生徒会にまともな奴はいないのか全く。
正直生徒会長なんぞになったところでメリットがまったく見当たらない。
逆にメリットがあればやるのかといわれてもそれはそれで死んでもお断りする次第ではある。
が、現状は会長の策略にはまり、このまま私という神輿を担ぎあげそうな雰囲気。
完全なるアウェーである。
しかし、かつてないほどの劣悪な状況だからこそ、私の頭はそれを全力で回避しようとフル回転にフル回転を決め込みもはや心理の壁をぶち破る勢いを見せかけた。
・・・うん、見せかけただけでぶち破ってはいない。
だが、おかげでここ数か月での会長との(あまりいいとは言えないが)苛烈な思い出が頭に船名に思い浮かんでいた。
『ただ私は貴女とつながりたいのよ・・・深く一つに・・・んふ』
『ああ、君のかごの鳥になりたい』
『この景色おしえたの京様が初めてですから、ね?』
ああ、きっと会長ははじめから今の今まで、何も変わっていないのだろう。
だからこういうことをしようという風になったのだろう。
それよりも、本当にこういう風に欲望に正直になるとなんと頭の回る迷惑な方なのだろうか、そればっかり考えてしまう。
それぐらい、会長の今までを考えてみたらどうすればいいかが浮かんできて心に余裕が出てくる。
さて、そろそろ副会長も、絶望で灰になりそうだしこれまでが生徒会長の手番であったというのなら、これからわ私の手番ということだ。
いっきにチェックメイトまで行かせてもらうとしようではないか。
ということで私は生徒会長にのみ聞く最大で最悪ながらも最善の一手を打つことにした。
最近胃薬常備を考えていたが、これは本当に常備しないといけないのかもしれない。




