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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
二学期
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case:69 【生徒会選挙の場合】 Act.1

学園祭もそのあとの面倒ごとも何もかも終わった。

なんとすがすがしいことか。


こんな気分を味わえるのならああいったこともなくはないのかもしれない。

・・・いや、今のは完璧に失言だ。

あんなこと二度とあってたまる物か。

来年は全力で逃げてやるさ、何が何でも。


と、それはさておき今学期の最大行事も終わり残るは冬休みを待つのみとなった今日この頃。

三年生は受験で忙しく一年生では来年の選択科目がどうの徒言う問題が浮上してくる。


そうなると二年のこの時期程時間というものを有意義に活用できる期間はないといってもいいだろう。

趣味に使うもよし、来年度に向けて勉強するもよし、もちろんバイトなんかもありだろう。


兎にも角にも高校生にとって二年のこの時期が一番自由度が高いのである。


何が言いたいかというとだな、季節も相まって私にとっては読書の秋ヤッホー、といったところである。


うん、私としたことがはしたない。

柄にもなく興奮してしまったな、あまり新書で本を買うものではないな。


とは思いつつも、この前の連休で買った本を読み返しに再度パラパラとめくっていく。

何度読んでも、否何度も読むからこそ都度新しい発見をして物語に深みを感じるのが読書のいいところである。



なんて、のんびりできる機会など私にはほとほと縁遠いものだと改めて自覚させられた。


「け、けけけ、京ちゃん!!」


せっかくの休み時間の読書を邪魔するのはいつも通りよっちゃん。

こいつもいい加減何とかしてほしい。

しかし、ついと本から顔を上げてよっちゃんの方を見てみると驚き。


肩で意気をしている政道副会長が一緒に居るではないか。


櫻井さんに続く私の知り合いの中では数少ない常識人だ。

が、そんな人が焦った表情で私のもとにかけてきたのだが、いや完全にいやな予感しかしないがたまには私の勘も外れてくれるだろう。


「藤間さん済まないっ、会長がっ!!」


はい、これは面倒ごと確定ですね。

どうしてこう、私の周りには面倒ごとしか転がっていないのか。

せめて、せめてたまには一人で読書する時間ぐらい欲しいものだ。切実に。



「えーそれで何がどういった具合ですか?」


本当は訪ねたくないのだけれど、こう自分から聞かないとなんだかやる気が起きないというか。

そもそも嫌なんだけど、他の人に全部言われると実感がわかないようなもので。

とりあえず、政道先輩に質問を投げかけてみる。


「それが、落ち着いて聞いてくれ藤間さん」


「はい」


「高嶺生徒会長が次期会長に君を立候補した」


「・・・はい?」


よく理解が追い付かなかった。

そも立候補とはやりたい人が自身で申し出るもので、他人からのは推薦というのではないのか。

それに、仮に推薦だとしても本人が了承していないのにまかり通っていい物なのだろうか。


「いや、藤間さん現実逃避したいのは僕もわかる」


いや、わかっちゃダメでしょ。

という突っ込みは飲み込んだ、政道先輩もそうだから。

だから何となしにどうしたらいいのか、政道副会長がどうするのかがわかった。


「行きますか、先輩」


「ああ、すまない」


どうってことない、なんてったって私自身の事なのだから。

とりあえず生徒会室に殴り込みにいこう。


私と政道副会長の表情はそれはもう物々しい顔だったとはよっちゃんが語っていた。



「しかし、またなんで私なんですかね」


「・・・表向きは、二年での成績や学園行事への貢献度などを加味した結果との事だ、それにこういうことも過去に何度かあった。ゆえに必ずしも生徒会役員から会長を選出する必要はない、ということになっている」


「はぁ、なるほど」


裏側がいろいろとややこしいということだけがわかった。


「ただ、生徒会長のことだ、どうせろくでもないことを考えているに決まっている。ゆえに止められず済まない、と」


それには完全に同意せざるを得ない。

しかし、さっきから謝っていた理由はそれか。

別に副会長が気にすることでは無いのだろうが、責任感が強いということなのだな。

・・・なんでこの人が会長やってないのだろう。


何て疑問を口にする前に複数の人影が私達の行く手を阻んだ。


それは・・・見たことない女子生徒だった。



「貴女が藤間京ね!!椿姫様の推薦で会長になろうとしている不埒な輩は!!!」


いや、概ね間違っているのだが、椿姫様って何なのだろうかこの人達は。

最初に声高らかに文句を言ってきた生徒以外は皆一様に『そーよそーよ』とか言っているし。

あれか生徒会長のファンか?


とりあえずここは穏便に、誤解を解いて先に進ませてもらおう。


「いや、その」


「君たち、今からそのことで生徒会室に行くのだどいてくれないだろうか!」


え?政道副会長、それ聞き様によっては

「なんと、会長がその子を推したのは本当のことなのね!?」


ほらさらにややこしくなりそうじゃん!

そうだ、この人結構周り見えなくなるタイプの人だった。


そして副会長と、おそらく生徒会長の取巻だろう女子生徒達の口論が激化していくのを私はただただ黙ってみていた。



これ、生徒会室にたどり着けるのだろうか。

今からもう胃が痛んできたぞコノヤロー。




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