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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
二学期
81/133

case:64 【後夜祭の場合】Act.3

日も完全に沈み校舎には電気グラウンドも照明を利用してライトアップと学園祭の最後にふさわしい雰囲気へとなったところで最後のフォークダンスへとしゃれこもうと校内放送が鳴り響く。


それを受けて皆が一様に校舎の外に出ていくのを見送ってしばらく。

私は何となしに乗り気がせず一人校舎で黄昏て・・・


「んで、京ちゃんはいつまでそこにいるつもりですかい?」


いることはかなわず。

ふと校舎にこもりほとぼりが冷めるまでバックレようとか考えついたとたんよっちゃんが捕獲してきた次第である。


まったくこういう時に限っては目ざとい奴である。

とか言っている場合でもなく。

「・・・あー、はい行きます行きます!!」


おもむろに携帯でよびだそうとしているのだからシャレにならない。


何とかグラウンドに向かうまでゆっくりと時間を稼ぐしかない。



何て希望が叶うこともなく。

行くと決めた途端よっちゃんが無理やり抱っこ&ダッシュで強制グラウンド入場である。


私達が到着するともうすでに、というか当然の如く四人が一か所に固まっている。

それになぜか櫻井さんや小鳥遊さん、委員長やモデル子さんまでいる始末。


そしてそれを遠巻きに見ている数人の男子生徒。

おそらくはフォークダンスに誘おうとしているのに雰囲気から動けないのだろう。


それぐらい四人の間には剣呑な空気が漂っている。


「絶対、ずぇーったいに!!お姉さまはボクを選ぶね!!」


「はん笑止デス、Youはケイのsister。妹さんはおとなしく退場あるのみネ!!」


方や妹とアヴィさん。


「京様の義姉様おねえさまどうぞよろしくお願いいたします!」


「はぁん?あなたに義姉と呼ばれる筋合いはないのだけれども!?」


もう片方は言わずもがな生徒会長と教師。


前者はまだいいけど、後者の二人はこんなところに居ていいのだろうか。

仕事とか委員の作業とか。


「おっまたせ~」


と、のんきに観戦していたかったところなのだがよっちゃんが声をかけてしまうことで四人の視線が集まる。

それにしても皆が皆私を見る目が期待に満ちているのが心苦しい。


そして他の四人の『いったい誰を選ぶんだろう』みたいな好奇心の目も感じるが、正直こっちは人の身も知らずにといってやりたい。


「はてさて、じゃあ京ちゃん!!勝者に京ちゃんという優勝賞品を授与してください!!」


よっちゃんのこの司会じみたセリフで余計に視線にこもる物が強くなってしまう。


こいつ調子に乗りやがってあとで絶対に〆る。

そう思ったことは仕方ないことだ。

皆もそう思うだろう?


が、まぁけど目下の問題は誰を選ぶか、なのだが。


それに関しては私はひとつ結論をきちんと出してある。

これに関しては誰にも文句は言わせないというものを。



「あー、それなんだけれども・・・」


『ゴクリ・・・』


自然と皆が息をのむ。

ああ、そんなのだから私の胃は悲鳴を上げるんだ。


「その、けっと・・・皆と一緒に居た時が一番楽しかったかなーって・・・ダメ?」


「「「「「「「「「えっ・・・」」」」」」」」」


私の回答に九人が見事にハモった。

まぁ、そんなことを気にしていられるほどの余裕は今はなく、どうなることかと内心どきどきなのだが。

なのだが!!


「まぁーそんなこったろうとは思ったけどさ、藤間最近はかっこよく見えたのに普段はこんな感じだもんなぁ、台無し」


「まぁ京ちゃんだし、仕方ないか」

「そうね藤間さんだもの」

「それが藤間先輩なかがしますしね」


「・・・ふーん」


なんと外野組には意外とこの選択は公表らしい。

このままなんとかおしきれれば

「「「「いやいやいやいやいやいや!!!!!」」」」


何て考える時間はくれてもいいのではないだろうか。

何というかやはりというか、当事者である四人は納得はしてくれないようで。


「それはないでしょ京ちゃん!!お姉ちゃんすごい頑張ったんだよ!?」

「ボクの方が頑張りましたよお姉さま!!」

「「あ゛ぁぁん!?」」


特にひどいのが姉妹である二人である。

残りの二人も納得はしていないが姉妹ときたらそこからいつもの姉妹喧嘩に発展してしまっている。


しかし、何とかなるとは思っていなかったがやっぱりというかなんというか。

というわけでここであわよくば使うことはないだろうと思っていた手札を切るとしよう。


「ま、まぁまぁ、だからってわけでもないけど一応四人にはそれぞれ付き合うからさ、予定は空けておくよ、ね?」


「「「「っえ・・・」」」」


またしても私の言葉に四人がハモる。

なんだ、芸の一種かそれは。


「京様が、私と付きあ・・・ゔっ!」

「違うヨ!!お出かけとかデショって鼻血!?」


「お姉さまをエスコート・・・うでがなるぜぇ」

「京ちゃんを独り占め、うふうふふうふ」


・・・おや?早まっただろうか。

なんだかいやな予感しかしないというか。


「ドンマイご愁傷様」


よっちゃんお言葉に外野組が皆うなづいていた。

ああ、やっちゃったか。

でも今更か、腹をくくろう。ええいなるようになれだ!!


こうして学園祭は終焉を迎えた。



ちなみにフォークダンスはじゃんけんの結果小鳥遊さんと踊ることになった。

そして、なんでか小鳥遊さんにも景品として私との一日が贈呈された。


解せぬ。



感想等ありましたら宜しくお願いします。

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