case:63 【後夜祭の場合】Act.2
後片付けも終わり、日も沈みかけてきた。
いよいよ学園際も終わりの時を迎えようとしている。
そしてその最後を締めるのがグラウンドで行われるフォークダンスなわけなのだが。
それとは別に私にだけ特別な行事が待ち受けている。
正直何度早退しようと思ったことか。
しかしそうすれば最悪暴動が起きても可笑しくないため、あえなく却下。
私は脳内会議の末ある結論に達した。
というのが現状である。
しかし、しかしだ。
最終行事までは時間がまだある。
現在はフォークダンスに向けて生徒会などが中心に動いて準備を進めている最中である。
ちなみにさっきまでかわるがわる最後のアピールとばかっりに件の四人が来ては去って、去っては来てを繰り返していたが、姉と生徒会長だけがパタリと止まった。
代わりに政道副会長の怒声と会長の悲鳴が聞こえては来ていたが。
ともかく、現在最終準備中とのことで一般生徒は教室待機という状態になっているにも関わらずここぞとばかりに残った二人が私の教室に来ることがやまないせいで私は全く休むことができていない。
ぶっちゃけこれから私がとる行動を考えればその行為は無駄に終わるのだが。
それをここで言ってしまっては意味がない。
「しっかし、藤間の妹や留学生も飽きないねぇ」
「ほんとほんと、ま、見ている側も飽きないからいいんだけど」
二人の行動に疲れ果て、机に付している私をよそにそのような会話をするのはモデル子さんとよっちゃんの二人。
「他人事だからって調子に乗るな、ほんと」
この二人は本当にどうにかしたい、いやしてほしい。
「いつもの事でしょ?」
「まぁ、そうだねお京さん?」
「・・・ほんと黙って。特によっちゃん」
二人してニマニマとまったく反省する様子もなく、さすがに私も我慢の限界である。
『私だけ!?ひどっ』なんてよっちゃんの嘆きに過剰に反応するモデル子さん。
一言モノ申すならいつの間にそんな仲良くなりやがったんだこの二人は。
「はぁ、とりあえず飲み物買ってくる」
この二人に付き合っていたらそのうち血管が切れかねない、それに教室にとどまったままだとまた妹やアヴィさんが来るだろうからとりあえずは退却である。
まったく、あの二人。
よっちゃんとモデル子さんときたら本当に私を見て楽しんでいるのか教室を出る私に対して心配の一言をかけるどころか、ついでに二人の分まで買って来いと来たものだ。
私をいったい何だとおもっているのか。
そこのところ一度きっちりOHANASIする必要があるな。
「藤間さん、大丈夫?私も持つわ」
と自販機から三人分の飲み物を取ろうとしたところで別場所から声がかかる。
現れたのは小鳥遊さん。
正直彼女とは学園祭中で一度、私が派手な格好をしている時に笑いに来たぐらいしかこの期間でのかかわりはない。
いや、まぁ私は彼女の秘密を知っている身なのだから気になるのだろうけれでも、なんだかそうなったときと比べると雰囲気がいくらか温和になった気がするのは気のせいだろうか。
まぁ、それはいま関係ないとして。
「ん、平気平気、それより小鳥遊さんもジュース買いに?」
どうして彼女がここにいるのかの方が気になってしまう。
まさか本当に私が心配だからついてきたってことはないだろうし
「いえ?藤間さんが気になっただけよ」
ほらそんなこと・・・は?
・・・彼女は今なんといったのでしょうか、私にはうまく理解ができなかった。
「??藤間さん本当に大丈夫?いろいろと疲れてるでしょ?持つわ」
何て私が小鳥遊さんの言葉に呆けている間に飲み物を取り出して持っていこうとする小鳥遊さん。
ああ、よっちゃんの炭酸だけ降ってから渡そうと思ったのだが。
っとそうではなく。
私はすぐに小鳥遊さんの後を追うことに。
しかし
「それで・・・誰を選ぶか決まったの?」
小鳥遊さんのその一言で私の足は再び止まってしまう。
こいつもか!こいつも出歯亀か!!と叫んでしまいそうになったのは許してほしい。
「・・・いや」
「っあ、違う。別に面白がっているとかじゃなくて純粋に心配というか・・・」
怪訝な顔をして止まってしまった私に対し、そのように返してくる小鳥遊さん。
正直、どうして小鳥遊さんがそこまで心配するのだろうか。
という疑問が心の大半を占めている。
「その、お世辞にもあなたの周りの人はまともとは言えないじゃない。だから事と次第によっては・・・」
ああ、あるほど。
誰かひとりを選んで騒ぎになりでもしたらと考えたわけか。
そうなると納得のいくものがある。
一応彼女の正体を私は知っているのだから、どう口を滑らしてしまうか心配だった、と。
まぁ、それなら言えることはただ一つだろう。
「んー、まぁ心配するほどのことはないよ。私口は堅いほうだし」
「?ま、まぁ大丈夫ならいいのだけれど」
私の返事に一応は納得してくれたのか教室へ戻っていく足を進める小鳥遊さん。
若干はてなを浮かべている気がしたが気のせいだろう。
取り合ず、最後に向けて私も一応教室に戻っておこう。
・・・あ、よっちゃんのジュース振るの忘れてしまった、まぁいっか。
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