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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
二学期
65/133

case:52 【×留学生の場合】Act.3

「ボクのお姉さまに色目使ってんのはこの目か!?つぶしたらぁあああああ!!!」


「HELP!!HELPME!!!!!」


妹に胸倉つかまれていたかと思えば今は妹に馬乗り状態で目つぶしされそうなのを涙目ながらに両手で食い止めている状態になっている。

さすがにこの状態を見てしまうと櫻井さんの顔が頭をかすめ、止めなくては。とも思ってくる。


だがこの状況、無理に止めようものなら妹の暴走もひとさら強くなるだろうし、そもそもの原因はアヴィさんだからとも思わなくもない。

だから触らぬ神にたたりなし、を決め込んでいる私を皆許してほしい。


故に、そんなちらちらとこちらを捨てられた子犬のような目で見ないでほしいのだアヴィさんよ。

今助けに行くのは地雷原の中でタップダンスする並みに危険なのだからやめて。

やめ・・・


「さ、幸、もうそこまででいいんじゃないか?」


やっぱり私には見捨てることはできないようだった。

お人よしと笑うがいいさ。誰か胃薬を持ってきてほしい。



「お、お姉さま!?お姉さまはこの女の肩を持つつもりで!?」


「いや、別にそういうわけじゃないけど、あんまりやりすぎると」

「ケイ!やっぱり貴女の侍魂はbeautiful!!素晴らしいデス!!!!!!!」


何とか場を収めようと私が出張ってみるも、そのせいで生じた一瞬の隙にアヴィさんは妹の拘束を抜け出し私の背中に再度抱き着いてきては私の言葉を遮って訳の分からないことを抜かしている。


ああ、もう面倒だぞこれ。

火に油っていうか、火箱にダイナマイトレベルの厄介の種だぞ、この人物。


「っっずあ!?て、ててて、てんめえぇえええいつの間に!!!!てかボクのお姉さまから離れやがれクソアマがぁぁぁあああ!!!!」


あまりの興奮に妹の口調も本来ありえないほど過激な表現へと変わっていく。


「Oh、あれはケイの妹デス?まるで躾のなってないメスゴリラデスね・・・フッ」


そしてこちらは煽りが過ぎる。

最後私にくっついているからってあの妹相手に鼻で笑いやがった。

さっきまで妹に組み敷かれて泣きそうになってたのが嘘のような態度の急変だぞ。


「お、おまっ・・・お、お姉さまに邪険にされないからって調子に乗りやがって・・・ぶっこ〇す!!!!!!!」


私が間にいるという状態から力技に出れない妹とそれを見破ったのか完全な安全圏から妹を煽り続けるアヴィさん。

両者の口喧嘩はなおも私を挟んだまま続いている。



いい加減今が昼休憩だということを思い出してほしい物である。

私の中もすいていることだし空腹でさらにこんな喧嘩に巻き込まれ、精神的肉体的にも限界に近い状態での午後の授業程地獄なものはないぞ。


いや、もうすでに地獄かここが。くそう。


もうこの際誰でもいい、助けてはくれないものだろうか。

こうなったら私は猫の手でも使うぞ私は。


だからたすけてくれぇい。


「こ、こうなったら勝負よ!!どこのだれかわからないぽっと出のあなたに京様は渡せない!!!!!」



何て思ったのが間違いだった。

一番借りてはいけない人のものが口喧嘩していた二人の間に飛び込んでいった。

さっきのはなかったことにできないだろうか。うん


「「勝負/デス?」」


できないんだろうね。

さっきまで大声で繰り広げていたのにどうしてこういうところは耳ざといのか。


「そうよ、来月の文化祭。京様を一番に満足させた人が京様との」


「「「「ハッピーエンドへ行ける!!!!!」」」」


おおい、どういうことだこれは。

さっきまで死んでく空気だった姉まで息をそろえて四人で何か言い出したぞ!?

・・・実はなかいいんじゃあないかこの四人。


「っていうわけデスね?ワカリマシタ!!その勝負乗ってあげるデスよ!!!」


「ははん、そうなったら勝負にもならないんじゃないのか?ここはボクの一人勝ちでおわらせてやらあぁ!」


「京ちゃんの為ならなんだってできるわよお姉ちゃんは!!!!」


「京様の事なら何でも知っている私をなめ名でいただきたいですね!!!!!」


四者四様に睨みを利かせている。

もちろん私をおいてきぼりにして、だ。



いったいいつから私は物になり下がったのだろう。

というか私の意見を聞く、ということもしないで勝手に話が進むし。

口を挟む余裕もないし。

というか挟む気力すらわいてこないし、もうどうしようか。


『キーンコーンカーンコーン』


何てアヴィさんの腕の中でうなだれていると試合終了のゴング、ではなく昼休憩終了の予鈴がなる。

結局お昼は食べ損ねたというわけでございます。


はぁ、保健室へ行こうか・・・いや面倒になりそうだやめておこう。


そんな私を気にすることなく皆一様にやる気満々に教室から去っていく。


そんな教室には変な空気が漂うことに。


「その、こんなこと言うのもあれだけどさ京ちゃん・・・ドンマイ」


やめてくれ余計いたたまれなさを実感してしまう。


私の平穏よ、戻ってこい。

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