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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
二学期
59/133

case:48 【×アイドルの場合】Act.3

「この『JEWELRYジュエリー』のユズキを知らない娘がいるって意味わからないんだけど!!」


おおよそ平時であれば校内に響き渡っていたであろう大声で自分の正体を暴露してしまった小鳥遊さん。

正直私としてはジュエリーってなに?といった疑問視か浮かばないところではあるのだが。


まぁ今は放課後のしかも校舎裏ということもあり、さらには今この状態に至ってはいい方向に勘違いしてくれたよっちゃんのおかげで人払いされているからおそらく聞いている人はいないだろう。


けれど何というか


「あの」


「なによ!!」


最初とは別の方向でキレ気味な小鳥遊さん。

もう理性が感情に負け自制が効いてない状況じゃないかこれ。


ああ、頭が痛くなってくる。


「とりあえず大声だと他の人にもばれるよ?」


私の発言にはっと息を飲む音を出しながらも両手で口を抑える。

不覚にもその仕草はアイドル"らしい可愛さ"というのを感じた。

口には決して出してはやらないが。



とまぁ、ここまででこの娘が見た目に反して結構なおバカもとい、ひとつの事に集中しすぎると周りが見えなくなることが判明した今、重要なのは如何に小鳥遊柚木を刺激させずに事の本題である[ジュエリー]なるものを知っていくことなのだが。


知らなかった、じゃあバイバイ。

で済んでるようではいまさらこんな状況になっていないのは明らかで。


かといって本当に知らない、と言うこと納得させられるような証拠も信頼関係もないわけで・・・

これはもう本当に崖っぷちですね、はい。


昨日みたいに誰かの助けが来るのを期待しようにも、今現在ここには人が来ないようにアホが一人人払いしていることだし。

本当に私の話術の力量がためされるところ。



いや、ごめんなさい。

諌めるのは姉妹でとか行っておいてあれだけど、私にそんな話術の才能なんぞ有りはしない。


最早乾いた笑いしか出てこない。

新学期そうそうとんだ難問が舞い込んできたものだ。


こんなの私一人でどうしろというのだろうか。

とりあえず

「ごめんなさい」


必殺謝り倒すで切り抜けてしまおう。

ジュエリーというヒントはもらったんだし帰ってから調べることはできる。

あとはいかに小鳥遊さんに私は口が堅いことを証明するか。


正直そんなことはできないから謝ってごまかすしか考えつかなかったとかそんなことではないのであしからず。


「はぁ!?・・・いや、やめて、それじゃあ本当に私のことを知らない子に私一人がてんぱって、みじめになるだけじゃない!!」


いきなりの謝罪にこれまたやはりキレ気味に反論する小鳥遊さん。

いや、ではどうしろと。


「いいわ、いいわよ!!百歩譲って貴女が本当に知らなかったとしましょう。けれど知ってしまった今誰にも言わないなんてことは信用はまっっっったくできない!!」


「お、おおう、そうですね」


とか思っていたら意外なところでは冷静なのか感情勝セではない至極全うな意見が飛び出してきた。

それに対してやはりさっきから考えているように私にはどうにかできる武器はない。


いや、本当にどうやって納得いただいたものか・・・。



と、突然ポケットの携帯にメール着信音が。

小鳥遊さんと彼女にとっては結構大事な話をしている最中に見るのもどうかと思ったのだが、普段携帯を使っていない実からするとこういうときって緊急事態だったりする。


ので遠慮なく携帯画面をのぞいてみる。

結果小鳥遊さんは少し不服そうな顔をしていたが何も言ってはこなかった。


というかそんなことより衝撃的なことが携帯の画面には表示されていた。



『from;よっちゃん

件名;ごめんなさい。

さっちん逃がしちゃった!!京ちゃんも小鳥遊さんと一緒に逃げて!!』



・・・・・・

あまりのことにのが考えるのを停止していたようだ。

まずいなぁ、なんて呑気に考えてしまうほど現実から逃避したかった。


けれどそれも遅かった。ものすごく。


「お姉さまぁぁぁあああぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」


もう怖いぐらい、そこに居たのだから。

ていうかものすごい形相で小鳥遊さんに詰め寄っているのだから。


一瞬このまま逃げてしまおうか、なんて考えてしまったが小鳥遊さんの妹に詰め寄られ泣きそうになっているのを見るとこう、申し訳なさの境地に立たされてしまう。


ので、「お姉さまにいろめつかってんじゃねえぇ!!」とか「お前みたいなやつ川にしずめたろうかああん!!」とか言っている妹をいさめる事に。


「落ち着け妹、小鳥遊さんには少し教えてもらいたいことがあっただけだから」


「は、はぁ!?」


いや、小鳥遊さん、あんたが驚きに声を上げちゃダメでしょ。

けど妹はそんな小鳥遊さんの態度など気にもしていないように私に耳を傾ける。

こういう従順っぽいところは都合がいいんだが。


「どういうことです?」


「いや、恥ずかしながら最近アイドルについて調べていて、小鳥遊さん詳しいということで聞いていただけ。ほらよっちゃんとかにばれると恥ずかしいだろ?小鳥遊さんもそれを気遣ってくれていただけだよ」


妹の疑問にそれらしいことを言い並べ納得させようとしているところで言おうとの視線が『本当かおいコラ?』と小鳥遊さんにも向く。


小鳥遊さんも私の意図がようやく理解できたのか恐怖に顔をゆがめながらも何度もうなずいている。


「そういうことだからさ幸、これは誰にも内緒ね恥ずかしいから私と幸だけの秘密」


「ボクと、お姉さまだけの秘密・・・はぅっ」


私の一言に妹の凶暴性はなりを潜め一人恍惚としているところをひっぱってくる。


「とりあえず、小鳥遊さんも安心して、誰にも言う気はないから」


「・・・わかったわ、とりあえず今日はここまでにしましょうか」


何て妹がいる手前、優等生らしいいつもの仮面をかぶって今日のところはといったことを述べてくる。

とりあえず、これで何とかなったかな?


もうこれで解決して終わりになってほしい。

これ以上私の胃が持たないぞ、まったく。


とりあえず、今日は帰ったらジュエリーについて調べないとな。



まったく、私の平穏よ帰ってこい。

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