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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
二学期
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case:44 【×転校生の場合】Act.1

長ったらしい校長先生の話も終わり生活指導の先生からの新学期に向けての心構えや生徒会長からのこれからの学園生活における諸注意、いわば夏休み明けだからと気を緩めず引き締めて学業に臨むこと、と注意されたのだが、生徒会長のこういうきちんとした一面を見ると普段が嘘に思えてしまう。


というか嘘であってほしいと思ったが、ひょんなことでその人と始業式中に目があってしまい現実は無常だと気付かされた。



そんな始業式も終わりを告げ今は教室でホームルームの時間。

とはいえ夏休み明けでも授業はあるわけでこの後すぐ授業があるのかと嘆いている生徒も多々。

よっちゃんもその一人である。


が、男子生徒はどこか浮足立った、そわそわとした態度の者が多いのは気のせいではないだろう。


何せこのクラスに転校生が、それも女子生徒というのだから男子生徒の期待もひとしおなのだろう。

まぁ、理解できないことはないが全く共感はできないところだな。


転校生が男だろうと女であろうと私には関係ないことだし。

と、以前の私であれば読書にでも耽っているところだろうが、今回に関してはそうはいかない。


よっちゃんのくだらない予想ではあるがもしかしたら委員長みたいな人が転校してくるかもしれないといわれてしまえばそれを確かめるまで安心はできない。

ということで現在私もそわそわしているところではある。

男子生徒の心境とは別に。


「いや~本当に京ちゃんがほかの人に興味しめすとか珍しいね~」


とか呑気に言ってのけるこいつは本当に絞めていいだろうか。

いったい誰のせいでこうなっていると

「は~い注目~」


といったところで我が担任の藤間先生が見慣れない生徒を引き連れて入室してきた。

その瞬間教室は一瞬にして静まり返った。


藤間先生の後ろに居たのは丸鉄に左右に垂らしたみつあみおさげが印象的な化粧っけない女の子だった。

男子はその、落胆的な感情で意気消沈。といった雰囲気なんだろうが。


私としてはこの光景は驚愕というか何か第六感的なものが『あの娘ヤバいんじゃね?』と告げているのを感じた。


「ちょ、ちょっと京ちゃん私の予想も捨てたもんじゃ」

「うるさい黙れ」


よっちゃんがかしましくも肩を強くたたいて主張してくるが今の私はそんなことにかまっていられるほど心に余裕はない。

だってもしかしたら、それこそよっちゃんの予想通り委員長二号が生まれかねないのだから。

それだけは何としても避けなければ。


できれば面倒ごとは避けなくてはならないのだから。

私の精神衛生的に!


「え~では小鳥遊さん、自己紹介をお願いします」


一学期早々の私オンリーの紹介珍事とは打って変わって真面目に事をこなす藤間先生には突っ込みの一つでも入れてやりたいところだが、それよりも先生の一言を受けて眼鏡をクイッと上げるしぐさに私は息をのむ。


だって、やってるそれがもはや委員長っぽさを表していたのだから。


小鳥遊たかなし 柚木ゆずきといいます・・・よろしくお願いします」


「はい、ありがとうございます。まぁほかの詳しいことは本人に直接聞いてくれた方が交流はとれるでしょう」



自己紹介を終え、なんでだか私は内心で安心していた。

理由は正直わからない、がこの子は委員長の様にはならない。

という確信があった。


本当になんでかはわからない。

『ということで~』なんて藤間先生が転校生の席を指定しているが彼女の席は私の右横一人生徒を挟んだ一になった。


一瞬視線が交わりはしたがすぐに視線をそらされる。

本当に不思議ではあるが、見ためは委員長以上に委員長しているのにこの委員長二号ちゃんもとい小鳥遊さんは委員長のような存在ではなさそうである。


ただそれも、これも明確な理由があるわけではなく私の館ではないのだけれど変にかかわるとなんだか委員長以上に面倒臭そうなことになる気がしてしまった。


けれどもあいにく席的に意欲的にかかわろうと思わなければ接点はないであろう位置関係。

席替えとかも今後あるだろうが、それでも無理にかかわりを持つ必要性はない。

そこだけは一安心である。


がしかし、この学校には私にとっての姉妹の呪いじみたものがあるから、それら関係で目をつけられてしまう可能性も低くはない。

それになんでか生徒会長とも関係を(半ば強制的に)持ってしまっている状況。

何があるかわからないから最新の注意を払わないといけないのは相変わらず、といったところだろう。


「およ?もう興味なくした系?まんま委員長キャラみたいなこなのに」


「まぁ、今は、ね」


よっちゃんの指摘もその通りなのだが、今のところ私の所感でしかないが彼女の中身は委員長キャラではないだろう。

ただ何が彼女の琴線に触れるかわからない、あとはひたすらに変なきっかけで敵意を向けてくれないことを祈るばかりである。



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