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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
二学期
52/133

case:42 【×新学期の場合】Act.1

久しぶりの波乱万丈な夏休みも昨日で終わりを告げ、今日から新学期。

休み明けすぐには、運動系の部活では大きな大会が多いため夏休み引き続き朝練でうるさいのがいない。


特によっちゃんや妹なんかはなまじ運動神経が他より優れているからって夏休み前半には私を面倒ごとに巻き込んでくれた前科があるためその後のほとんどが部活動で消えて行っているのを私は知っている。


だから夏休み明けといっても私の心はとてつもなく軽いといえる。

とはいえそれは私だけの事情であり、登校中の生徒の顔を見ると皆一様に死屍累々と言ったような表情で見るからに憂鬱をぶら下げている、といった惨状である

ただまあ、そんな夏休みを十分に満喫したであろう人たちには申し訳ないが私としては結構すがすがしい。


なぜかって夏休みだからとところかまわず時間も問わず姉妹に絡まれたりする、ということが格段に少なくなるのだから。

少なくとも授業中だったり、何かと姉妹の行動に頭をなやますということは少なくなることは確実である。


まさに学校さまさまである。

なんて大仰によっちゃんとか、ほかの生徒の前で言おうものなら余裕で姉妹の供物にされかねないので口はつぐむが。

それでも自然と学校へ向かう足取りは軽やかになってしまうのも仕方ないだろう、うん。



なんて久しぶりの、しかも私一人での登校を済ませ校門前につくと朝から元気に、運動部の声がここまで届く。

運動が苦手な私からしてみるとただ一言『よくやるなぁ』としか、正直今も思っていたりするが。

ただまぁ、体育祭でのなんでもいいからとりあえずひと汗流してみる、という行動の爽快さは理解できなくもない。

だから一応は心の中でグラウンドにいるであろう陸上部の阿呆二人に応援はしておく。


顔を見せに行けば面倒になるから行かない、絶対に行かない。


「ッ!?」


と、校舎前でぼ~っとしていると急に寒気がしてあたりを見渡す。

が何かあるわけでも

「け・い・さ・ま」


「うひゃぁうっ!?」


と思ったら急に耳に息を吹きかけられる。

急にどこからか現れた生徒会長様である。


「か、かわいい悲鳴・・・っ」


ああ、そうだこの人のこともあったんだ・・・。

夏祭りから向こうコンタクトがなかったものだからすっかり忘却の彼方へと飛ばしてしまったが。


「・・・おはようございます会長、では私はこれで」


かまっていては陸上部に顔を出しに行くより面倒そうになるから素早く切り上げることに。

横をすり抜けようとするが腕をつかまれ・・・というかなんか恋人つなぎ見たいな感じで腕を絡みつかせてきたぞこの人!!


「いやぁん、京様のい・け・z」

「高嶺会長!!」


生徒会長から怪しげな雰囲気を感じつつも身動きが取れない状況にどうしようかと考えを巡らせていたところにナイスタイミングで副会長様のお出ましである。


「む、君は藤間さんか。おはよう、けど今は生徒会の仕事があるからねすまない、では会長行きますよ」


「政道副会長おはようございます、いえいえ仕方ないです、では会長今度こそこれで」


なるほど生徒会で始業式の打ち合わせをしていたというところだろう、済まないも何も私としては彼の登場はありがたい。

なので副会長にあやかり足早にその場を離れる。


が、会長・・・副会長が来た時の舌打ちはきちっと聞こえてましたよ、正直ないと思います。



そうこうしてようやく教室にたどりついたのだが、教室に入るなり委員長と目がばっちり。

とたん鬼の形相で睨みつけてくる。

が、その表情はどこか恥ずかしさにまみれどこか赤らめているような気がしてならない。

夏休みのペンションでの肝試しをまだ引きずっているのか。


ただ問いただしてみようにもそれは火に油な気がするのでここはあえて挨拶だけで済ませることに。

挨拶しないでそのままスルーして穏便に済むならそれに越したことはないだろうが、目があってしまった以上挨拶しないわけにもいかないわけで。


「おはよう委員長」


「・・・ええ、おはようございます藤間京」


引きつった笑顔で挨拶を返してくれる委員長、とりあえず私は無表情を顔に張り付け自分の席へ着席する。

・・・うん、はずかしがっているとかは私の勘違いだな。

これはあれだ、ただ恥ずかしいところを見た私に少し憤怒の感情があるだけだ。


最初の感じこそ正しくて恥ずかしがっているとかは完全に間違いだな。

だれが言い出したんだまったく。


なんて軽く現実逃避していると始業のチャイムと同時におなじみの集会の為の校内放送が流れる。


さてと体育館にでも向かいますか。

どうせ始業式には各自向かう形式であるため、廊下で朝練から帰還してきたよっちゃんや妹と遭遇することになるだろうし、二人やほかの、櫻井さんとかへの挨拶はあったときでいいだろう。


だが、その始業式に向かう連中の中にいるわけだが、こう朝の登校時より皆顔に生気がない気がする。

まぁ、楽しかった長期休暇を終え再び学園生活となるのだからわからなくもないが。


楽しいこともあるだろうに。

ただ私は面倒ごとが起きないように、その一つだけを願って体育館へと向かっていくのであった。


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