case:40 【×夏休みの場合】Act.5
生徒会長が乱入してからはそれはもう酷いという表現では収まりきらないほどだった。
とりあえず、洞窟から櫻井さんを救い出してあげたところで櫻井さんの悲鳴を聞いていた妹が櫻井さんに嫉妬の炎というかなんというか、を燃やしていたが事情を知ったるであろう二人のもとへ。
「よっちゃん、それとオーナー。これはいったいどういうことで?」
おそらく今の私の表情は過去最高に生かしているだろう。
一緒に居た姉まで軽く『ヒッ』と声をもらすほどだ。
「え、えっとそれはその・・・なんといいますか、ごめん、ね?」
「わ、私は姪に頼まれたことをしただけで、サプライズと聞いたのだが?」
なるほど確信的犯行は生徒会長とよっちゃんだけ、ということかまったく。
「そう、ですか。じゃあよっちゃん・・・行こうか?」
「え、ちょま、いやぁああああごめんなさいいいいいいい!!!」
あまりのことにきょとんとしていた面々だが私とよっちゃんの行動に何かを察したのか我が姉妹に至っては南無南無と念仏をとなえたり委員長 はやれやれといった表情をしていた。
よっちゃん曰く私を連れて行けばペンションをただで貸し出してくれる甘言に乗せられたとかなんとか。
軽くきつめに灸をすえてやった。
ただ、その夜からだった。
ふと何かを感じた私は目を覚まし喉が渇いたと見ずを一口流し込んだその瞬間。
『ガチャリ』
確かに閉めた鍵が静かに開錠し、扉の向こうから・・・・・・なんと生徒会長がそれはもうド派手なランジェリーで珍入してきたことは最大の恐怖だった。
もう本当、残り二日全力で私は寝不足に陥ったのは言うまでもないことだろう。
帰り、合わせてペンションのオーナーにお礼を言う中げっそりしている面々とその反対にすっきりしたような顔をしている両者に分かれていた。
もちろん私はげっそりとした方である。
ちなみに帰り生徒会長が車に同乗したいと難題も持ち出してきたがそこは妹と姉の強固なる壁は越えられなかったようだ、私は眠たい目をこすりながらその様子を見ていたが内心ほっとした。
ついでに言うとそのせいで帰りの車の中で爆睡してしまい、夏休みの予定表に私の意志を無視してまた珍妙な予定が組みこまれたのはどうにかしてほしいものである。
まぁ予定自体は夏休み終盤に開催される商店街のお祭りで毎年姉妹で行っていたことなので今年も同じことだと思えば心も幾分かは軽くはなった。
ただ、例年通りに、とはいかない予感がビシバシするのは気のせいではないだろう。
特にあの生徒会長に限っては。
しかし逆にあらかじめ来ることがわかっているということはいくらでも対策は講じて置けるということで、あとはその日に備え私は夏休みというものをできるだけ満喫することに徹しよう。
ちょうど姉妹二人も部活やら仕事やらで家を空けるようだし。
たまには心休まる日もないとやっていられない。
とかなんとか、別にだらだらと無気力に過ごしていたわけではないのだが気が付けば夏休みも終盤。
いや、本当にだらけていたとかでは断固ない、断固ないのだがなんの用意もないまま夏祭りを迎えようとしているこの状況。
我ながら頭を抱えたくなってくる。
とはいえここまで来て私だけ行かないとなるとまっこと面倒なことに迷惑がほかの人に被る可能性が、というより確実に誰かに飛び火するのなんかは火を見るよりあきらか。
というわけで参加する以外にはないわけなのだが、なんんていったって生徒会長の件の対策をまったく練っていないことである。
余談ではあるが今回の夏祭りには去年まではいなかった櫻井さんという人物まで参加することになっている。
確実な不確定要素が森に持っているのだ、櫻井さんに恨み言を言うのは検討違いなのではあるがどうしてこう彼女は何かとチアミングが悪いのか。
せめて妹と櫻井さんの険悪な間柄が何とかなってくれていればと無い物ねだりすらしてしまう。
さてどうしたものか、このまま悩んだまま当日を迎えるなんて私は嫌だぞ!
・・・
「け・い・ちゃ~ん」
なんて盛大な前振りをしておいて結果はこの通り、結局何も浮かばずに当日を迎えてしまうざまである。
ああ、笑ってくれ、指をさして笑ってくれ。
そうすればもういっそのこと開き直れるというものだ。
家の前ではすでに浴衣に袖を通した姉妹とよっちゃんに櫻井さんが待っている。
ただこの時点ではまだ生徒会長は動いていないようで、後々が怖くなってくる。
というか毎度のことながら反対方向なのによくもまぁ内まで来てくれるというものだ櫻井さんは。
この娘になるべく迷惑がいかないようにとか今からお腹が痛くなってくる。
やっぱり逃げ出してもいいだろうか・・・。
とりあえず私だけは毎年のことだが私服で出陣することに。
何故私服なのかはこの際説明は後々でいいだろう。
今はこの後に起こるであろう事を予測して対応を考えなければ。
と、やはりなぜ私はこの日までに考えていなかったのかと自分にビンタしたくなってくる。
重ねて言うが別にぐうたらしてたわけではないのでそこは間違えないように。
そして願わくばこのまま毎年通りの何気ない夏祭りで終わってくれることを祈って。




