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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
一学期
43/133

case:36 【×夏休みの場合】Act.1

やってきました夏休み。

・・・といえど、来て早々私は分厚い壁にぶち当たっている。


前々からうすうすと勘づいてはいたが、事の発端はおとといのよっちゃんからの連絡。

内容としては

『来週から一週間ペンションを予約しました。海水浴にいきましょー!!』


といった旨である。

そして追伸部分には『藤間京は強制参加です。』といった事が記載されていた時には軽く戦々恐々としてしまった。

そして、この連絡内容は私以外の複数の人間に送られているということだ。


何人か連絡先を知っている人で我々三姉妹に櫻井さんというところなのだが知らないアドレスがほかに一つ見受けられた。

よっちゃんのことであるのだから私の知らない人間を何も言わずに参加させるということはないだろうが、それでも心配は心配である。

念のため、不参加を申し出てみようと通話をしてみたが邂逅一番の却下にはぐうの根も出ない。


それに連絡している最中に閉められたドアの奥からしっきりなしに姉と妹の口論が聞こえてきたときには軽く涙が出たほどである。



ということで、やってきたのはショッピングモール。

半ば無理やりに連れてこられた次第である、よっちゃんに。

残り数日に迫ってくるプチ地獄旅行の準備のための買い物である。


一応、海水浴ということで私の水着を見繕う、とかいう名目で姉と妹は当たり前のように浮いてきている次第。

私としては日用雑貨などを購入したいところではある。

泳ぐ気などないし・・・などとは口が裂けても言えない。

言った日には洗脳されかねないのだから。


だからといってこんな辱めを受けるいわれはないだろう当言うのは正直な所感。

なんで私オンリー水着ファッションショーにになってしまっているのだろうか・・・。


フリルに始まりワンピースタイプ、最終的にはマイクロビキニと苛烈さを増して姉妹が鼻血を出したところでショッピングという苦行は一時中断。

よっちゃんも苦笑いしているが、とりあえずの休憩にほっと一息。

正直水着などスクール水着があるのだからいらないとは思うのだが、一応勝手に買われるよりはこの休憩時間に無難に決めて買っておこう。


なんて水着ショップへ戻ってみたら怪しい人間、もとい生徒会長がこうした表情で私が試着していた水着をすべて手にもって支払いの列に並んでいた。


見なかった振りをしようと一瞬は思ったが手に持っている者が手に持っている物なので仕方なしに声をかけることに。


「生徒会長・・・それは犯罪かと」


「はえっ!?け、京様!?あ、そ、そのこれは違うのよ!?」


いきなり声をかけたことで驚いている生徒会長だが、いったい何が違うというのだろうか・・・。

とりあえず、説教を、といった姿勢を取ったとき

「じゃ、じゃあそれじゃあまたね京様!!!」


いつも思うがまるで嵐のような人である。

ただ、走り去っていくさなかきちんと水着をもとに戻しているところ生徒会長だなとはおもうが、行動が行動故素直に感心できないところが難しい。


とりあえず生徒会長が持っていなかった、それでいて一番質素な競泳水着を購入しといて水着購入は終わった。



戻ってみると、鼻血も収まった駄姉妹が再び水着売り場へ邁進しようとしているところへ水着の入った袋を見せたら目に見えて気を落としていたが、袋の中を見て抗議の嵐。

よっちゃんも含めこれはない!!と怒られる始末。


と、そこに偶然居合わせた櫻井さん。

彼女もペンション宿泊のための日用品を買いに来たという話であったため、彼女含め一緒に行動することとなった。

このタイミングの良さに水着の件がうやむやになってくれたのはうれしい話だが、櫻井さんには申し訳ないことをしたかもしれないと反省。


何とか真摯に尽くそうとおもうもうまくいかないものだということを痛感していると、ちょうど同じ雑貨屋を利用していたのか委員長とも遭遇。


今日は何かといろいろな人に出会う日だな、なんて呑気に思っていたのは私だけだったようで。

妹は見るからに委員長に敵意を向け姉は恐怖心をあらわに、そして当の委員長本人はまるでお化けを見るように顔面を蒼白に逃げ出すように雑貨屋を後にしていった。


いや、まぁ櫻井さんだけ何事とはてなを浮かべてはいたものの、正直私にも何が何だかわからない。

が、よっちゃんだけは訳知り顔をしていたところを見るとこいつが何かをしたのに違いない、ということだけはわかった。



そうこうして準備は進んでいくわけなのだが、本当に行かないといけないのだろうかと思うといまから胃が痛くなってくる。


「それにしても、夏休みも先輩に会えるのはたのしみっす」


「あ゛!?櫻井さんよぉう・・・喧嘩売ってる?」


帰り際再度抗議してみようと思ったが、意外と櫻井さんがこの旅行を楽しみにしているということを知り私は文句のもの字も出てこなくなってしまった。

それよりも妹を止めることで精いっぱいだった。


果たして夏休み最初の一大苦行イベントはどう転んでいくのだろうか。



・・・逃げ出したい。


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