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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
一学期
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case:32 【×高嶺の花の場合】Act,5

いきさつを説明すると、教室に忘れ物をした私はあろうことか誰もおともに連れることなく単独行動をしてしまった。

それゆえ、私のことを長く観察していたであろう生徒会長に旧校舎へと拉致されてしまった。


そこで打ち明けられる生徒会長の心内、そして私への行き過ぎた恋心。

身動きが取れない私に対して、迫りくる生徒会長の手。

その手が私の制服の胸元にかかったとき、会長の背後から勢いよく蹴破られ飛んでいくスライド式の扉と一緒に現れたのは、商店街のロケットウルフと恐れられている私の妹・藤間幸であった。



「な、なんで貴女がここに!?そもそもこの場所は誰にも知られていないはず!!」


「はっ、愚問!!お姉さまはボクだけのお姉さまでお姉さまがお姉さまってだけでお姉さまなんだよっ!!!!!!!」


あまりの出来事に膠着していた私の体にもしなやかさが戻ってきたところで、会長の得も言われぬ焦り、慌てている様子が見て取れた。

それほどにこの場所は会長にとっての秘密基地的、生徒や教師にとってはかなりの穴場になっているのだろう。

いったい何に使われているかはこの際考えないことにしておくが、それにしてもその会長の質問に対しての妹の返答たるや、まったく答えになっていないにもほどがあるだろうに私も頭を痛める。


が、しかし

「くっ、そこまでとは・・・不覚っ!」


会長には今の答えで十分だったようで。

まったく、こういった者たちの思考回路というものは私の理解の範疇を余裕で越えてくるから厄介である。


その背後から、普段からは見慣れない人物がひょこっと息を切らしつつ苦虫をかみつぶしたような顔をして入室してきた。

ただ普段は見慣れていないだけでその人物が誰かはこの学校にいるものであればだれでも知っているだろう。

生徒会副会長その人である。


「ま、まったく・・・はぁ・・・はぁ、学校の備品などをこうもたやすく破損する現場に出くわしても目をつむらないといけない状況とは、頭が痛いぞっ」


「なっ、なんで政道君まで!?」


政道副会長というのか、こめかみを抑えながらも驚きを隠せない生徒会長に睨みを聞かせていた。

やはりというか、会長のこの様子から独断暴走。

政道副会長は会長のストッパー役といったところだろうか、妙なシンパシーを感じる。


「会長の腹はあけすけに見えてその実つかみどころが難しかったですよ、ですが最近は尻尾を出しすぎでしたね・・・ここいらが潮時ですよ」


この件以外にも会長は何か生徒会でやらかしているのか、そのことに関しては私達が首を突っ込むことではないが。



「んんんな事より!!!!お姉さまに!!!迷惑かけくさりやがってぇえええ!!!!!!」


ああ、不本意ながら今の状況に関しては私も妹に同意である。

その妹の咆哮に二人がはっと表情を変える。

副会長はそうだった!!と本気でこの状況に目が行ってなかったかのような反応。

それに反して会長はしたたかな表情を作っていた。


「迷惑?何を根拠に迷惑と言っているのかしら?京様はここに来て一度も悲鳴を上げていないことから本人もまんざらではないことは明白でしょう!!」


いえ、慣れすぎて反応するのも面倒臭かっただけです。とは口が裂けても言えない。

というかこの発言、まさか会長は私の気持ちなんかを勘違いもとい妄想しているのではないか・・・いや妄想しているのではないかではなくて妄想している。

断言できる。


「んんんなわけあるかってんだ!!お姉さまはボクと相思相愛なんだよ!!!」


うん、そんなわけないぞ、妹の発言含めて。

だがあえてここで言及はしない。


そこから始まる私の方がボクの方が、と見慣れた水掛け論が始まった。

正直妹のおかげで窮地を脱せてはいるが、いい加減この状況をどうにかしたい。


「「ちょっと・・・」」


と、私がここに来て発言しようとしたときと同時に副会長の声が重なってしまった。


「ここはいいかい?藤間京さん」


「・・・どうぞ、お任せします」


正直私が話すより、副会長の方がより客観視ができておりて適格な発言ができるだろう


「とりあえず、誰の視点から見ても藤間京の意志を無視しすぎているきらいがある、というより会長・・・その肩書を利用してのこの暴挙、僕としては今すぐ会長の座を辞してほしいところでもあります」


なんてことはなかった。この人もこの人で波乱中真っ黒だ!!!!

この状況を先んじて会長になろうとか考えている口だ、なんてのは私の所感ではあるがそう思ってもしょうがないだろう。


結論・誰が発言しても私の存在はどこへやら・・・利用されているようにしか思えない。

なんて悩んでいるうちに三者三様の意見の張り合いが始まっっていた。


まったく、再三いうがなんで私の周りにはこう言う人しかいないのだろうか。

ため息しか出てこない・・・はぁ


「はぁ・・・いい加減にしてください・・・しろぉお!!!!!!」


久しぶりに声を張った。

姉妹以外に声を荒げたのはよっちゃん以外では初めてだったがもう現状は変わっているんだ、この場に私は必要ないだろう。


その一番の被害者である私の主導のもと、改めて話し合いが設けられる運びとなった。

もちろん、会長に拘束は外してもらったけどね。

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