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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
一学期
30/133

case:27 【×体育祭の場合】Act,5

紆余曲折あり、本当にいろいろあり体育祭は無事、とは言い難いが大きな事故はなく終わった。

ちなみに我がクラスは男子の頑張りが実を結びサッカーでは上級生を抑え三位に輝いた。

総合結果としては中の下という状況ではあるが。


ああ、もちろん大いに足を引っ張ったのはソフトボール。

言わずもがな私だろう、ふふ。



蛇足になってしまうが大きな事故はなかったが軽い事件が体育際の最中にはいろいろあった。

男子生徒がやる気に燃え上がり張り切り過ぎて怪我人が出たり、それが尋常じゃない数いて擁護教諭や怪我人担当の生徒会役員だけでは出が回らなくなり、各クラスの手の空いている保健委員にお鉢が回ってきたりと。


正直他人事で済ませてしまいたかったのだが、なぜか私は保健委員。

そして一回戦から敗退しているため手が空いている、しかもそんな保健委員は私しかいないという。

まぁその程度の小事、特にやることもなし呼び掛けられることに文句などが出ることもない。


ただ、なんかよっちゃんが何もしない、というのはなんだか腹が立つので巻き添え、ということで手伝わせることにしてやった。



「はぁぁあ、まぁあ?試合がなくて暇だったし?いいんだけど?」


ちらちらと何かを訴えるように見てくるよっちゃん。


「お姉さまからお願いされたくせに何をぐちぐち文句を言っているんですか弥生先輩は」

「つーかなんで何事もなくなんでいるんですか、さっちんはさぁ。試合は試合」


そして当たり前のように私の隣を占領している妹。

いつもの如く深くは突っ込まず基本無視を。


「そんなものお姉さまといることを考えれば不要ですね、ふふん」


「いや、何そのドヤ顔・・・結局サボりじゃん何とか言ってやんなよお姉さん・・・」


こういうのは何も言わないのが正解である。

というより早くに保健室へと行く必要があるのだから喋っている暇などないだろうに。

まぁ面倒だと思っているのは私も同じなのだが。



と、グダグダとしつつも保健室へ向かうさなか上へと続く階段の端で男子生徒がはしゃいでいるのが目に入った。


はしゃいでいる程度であればどうぞご勝手に、祭りだものよくあるさ。

で、済んだもののその階段を何か見ているのか視線を下に向け上っていく生徒がいた。

ふといやな感じがして足をとめたその瞬間だった。


はしゃぐ生徒も周りを見ていなかったのか、その生徒とぶつかってしまい上っていた生徒が態勢を崩し階段から落ちそうになってしったのだ。

嫌な予感程よく当たるというが、怪我人続出で呼び出されているのにさらにもう一人追加することもないだろうに。


「幸!よっちゃん!!」


そう心の中でぼやく前に私の体はその生徒を助けようと動いていた。


感に従い立ち止まっていたのが功を奏し、すぐ目の前はその階段。

数段上がればすぐにその生徒の落下手前までたどりつき抱き留めることができた。

が、いやまあそこは私、というか試合後で疲弊していたと言い訳しておこう。

踏ん張りがきかず支えきれず、一緒に階段から落ちていく流れに。


階段の上ではしゃいでいた男子生徒のヤバいという表情が目に入る。

だが、私をなめてもらっては困る。

こうなることは織り込み済み、でなければわざわざ声を張ったりはしない。


事前に二人に声をかけていたことにより、階段下で二人はキャッチする構えを取ってくれており、見事に私とその生徒を受け止めてくれた。

何とか二人の迅速な行動に事なきを得たが、これは二人を信頼していたがための作戦であり二人がいなかったらどうなっていたことやら。

まあ、結果助かったわけでと階段の上を再び見るがはしゃいでいた生徒の姿はどこにもなかった。

うむ、顔ぐらい覚えておくべきだったか。



「だ、大丈夫?いきなりびっくりしたよ」


「お、おおおおおお姉さま、お、お怪我はありませせんかかかかか!?」


二人共いきなりの事だったし、それも階段から人が降ってきたのだからさすがに動揺を隠せない様子。

それは仕方ないが、とりあえず心配は私よりも助けた方の生徒であり

「ん、私は大丈夫、けど・・・あ~」


慌てる二人を制し、抱き留めた生徒に改めて目を向ける。

こっちもこっちで何事、と呆けてはいたがその生徒は何とあの生徒会会長だった。


「えと、大丈夫ですか?会長さん」


助けたとは言えさすがに目上の人物に妹やよっちゃんに接しているような態度をとる訳にもいかない。


「とりあえず、保険室でも行きますか私保健いいn」

「貴女!!ごめんなさい、そしてありがとう!!お名前は!?学年は!?クラスは!?」


おおう、呆けていたかと思っていたら急にスイッチが入ったようにしゃべりだしたよこの人。

確かに助けてもらったのだからお礼は当然とも思うが、別に目に入ったから、そして二人がいたから助けられた。

私のおかげと驕るつもりはない。

というより、生徒会としては今はいないあの男子生徒を追うべきなのではないだろうか。


「あ、その、別に大したことはないので。それより仕事の方はいいんですか?」


「っは、そうだったごめんなさい、また、また必ずお礼するから!!ごめんなさいね!!」


何気く生徒会の仕事を引き合いに、あの生徒達を追おうよというような含みも持たせてみた

結果生徒会長は間あるで何事もなかったかのように去っていった。


クラスで噂になっている程度の話内容では清楚で可憐、物静かな高嶺の花のような印象を受けたがあってみれば実に嵐のような人だった。



「大丈夫?京ちゃん・・・」


「あ、うんとりあえず保健室行かなきゃだ」


「え゛っ!?お、お姉さまどこかお怪我を!?」


馬鹿者、保健委員の仕事だっていうの。

妹には軽くデコピンをかまして本来の目的を思い出させてやった。


さて、嵐も去ったし、これ以上遅れると擁護教諭の先生に小言を言われてしまう。

さっさと向かうとしよう・・・うん若干左足が痛む。

おそらくひねったのだろう。


幸には内緒にしておこう。


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