case:23 【×体育際の場合】Act.1
新編突入になります。
今回は少し長めになります。
中間考査も終わり、体育際までもう残り一ヶ月をきってきたところで誰がどの競技に出るのかを決めるホームルームがやってきた。
この時期になると昼休憩と放課後に多少ではあるが体育祭のための練習期間が設けられ、その間は部活よりも練習を優先しても良い決まりになっているため、やる気に満ちた所だと特に3年生とかは練習期間初日から練習を始めてたりする。
それで誰がどの競技に出るのかを決める際、本来であるならば体育委員が教壇に立ち皆をまとめていくところなのだが、我がクラスではなぜか新崎さんが教壇に立って指揮を執っていた。
しかし体育委員からも他の生徒からも文句の一言もないのは普段の委員長然とした態度から一定の信頼はある、という証拠なのだろう。
私に対してだけは何故か極端に敵意むき出しだが。
まぁ、それは置いといて。
我が校での体育祭ではは男女別に競技が異なっており、男子はサッカーとバスケ、女子はバレーにソフトボールとなっている。
「それでは、出場競技を決めていきたいと思います。」
この委員長の言葉を皮切りにクラスがざわざわとしだす。
一人一人の声は大きくないものの皆が一斉に、となると意外と騒がしく聞こえるものである。
が、これには委員長予想内と言った顔で時間を見ている。
恐らく最初から相談する時間は設けているということなのだろう。
となると本格的にあの時の宣戦布告前の内容は建前だった。
ということになる。
まぁ、どうでもいいのだが。いや良くないが、今は気にするところでは無いのである。
「それでそれで、お京さんはどの競技にでるのかな?」
なんてニマニマ顔で問いかけてくるよっちゃん。
こいつは私が運動が出来ないと知って毎回こういった運動行事ではこの質問を投げかけてくるのだ。
故に無視、と周りの声に耳を傾けることに。
すると、男子も女子をあらかた相談は終わったのか話の内容は別のことに向いていた。
それは何でもここで活躍すればモテるのではないか、という話題である。
それもある特定の人物を指して。
この体育祭、生徒会が主催となって執り行う物なのだが、その生徒会長と副会長がそれぞれに人気なのである。
特に生徒会長である高嶺先輩は容姿端麗頭脳明晰と名高い、らしく男子生徒からの人気は高くまさに高嶺の花という存在なのだろう、それに負けじと副会長も顔がいいとか。
故に男子生徒のみならず女子生徒まで生徒会にいいところを見せられるチャンスだといきまいていた。
というかだ、こんな所で息まくのではなく普段からアピールをすれば良いのではないだろうか?
などと小声でよっちゃんに聞いて見たら鼻で笑われたため軽く目潰しを食らわせてやったが。
「はい、では今から競技を決めるので希望者は挙手をお願いします」
時間が来たのか委員長の一言で騒がしかったのが静かになる。
しかし、いざ決めるときとなると男子生徒は何でもいいのかすんなり決まったのだが、やはり女子は外での競技では汚れるからと妙に身なりを気にする女子(ほとんどの女子なのだが)がバレーに手を上げていた。
この高校は進学校として名高いのだが生徒の服装や身なりに関しては妙に緩いところがあった。
これには新崎さんもしかめっ面を隠せずにいた。
正直私としてはどの競技でもいいのだが、この時新崎さんから『貴女はこいつらと同じこと言わないわよね』みたいな視線を投げかけらられたのでおとなしくソフトボールに手を上げといた。
もちろんよっちゃんを巻き込んでやったがな。
だが、それでも私のように何でもいいという女子も少なく、時間がかかるかとも思ったがあまりの割れ様に一部の女子が空気を読んでソフトボールに変更してくれていた。
おかげで無事に競技決めがおわり、下校といったところで委員長が驚きの発言をソフトボール班に投げかけてきた。
「さぁ、早速練習を始めましょうか」
「ちょ、委員長それはっ」
これにはソフトボール出場者全員が驚いた顔をして、一部の女子は猛反対とばかりに息を荒げ用としたが有無を言わさぬ委員長の笑顔にあえなく惨敗。
そしてもう少し頑張れよ、と思う私に向けられた『貴女はもちろん来てくれるわよね』という視線に赴かざるを得なかった。
驚いたことに、その日は不承不承ソフトボールに挙手したと思しき女子生徒までサボることなく練習に参加していたのだから委員長を敵に回すのは不味いのではと頭をよぎった。
が、すぐにそもそも敵視されていることを思い出した所、何か大したことないように思えたのはここだけの話である。
ちなみにグラウンドではやはりというか3年生のクラスがほとんど練習を始めていたが、その中になんと妹のクラスも早々に練習を始めていたらしく、櫻井さんの顔を見つけた。
おたがい頑張ろうという話でその場は終わったのだが、後日その櫻井さんから妹に『お姉様に勝ったらこ○す』と脅されていると相談を受けたことは心のそこから申し訳ないと思った。
と、同時に妹に精神的制裁を与えたのは言うまでもないことだろう。




