case:13 【×不良生徒の場合】Act.2
とある騒動を目撃した私は思わず見てはいられなくなってしまい、とある人物を助けようとそこへ走りだしたまでは良かったのだが、神の啓示かはたまた悪魔の悪戯か私の走りはなぜかとび蹴りとなり騒動の中心人物へと繰り出されることとなった。
結果、場は唖然、考えてみればそれは当然、逃げ出す私運動は全然・・・
いや、うん、韻をふんでいる場合ではなかったな。
そんなこんなで私はとある人物とともに商店街へ逃げることとなった。
とまぁいままでの流れがこんな感じなのだが、その騒動の場所というのが私の通学路途中に年に数回、まれに見る移動式の屋台のの近くで起こった。
とある人物とは男子生徒数人に囲まれた一人の女子のことなのだが、当然私はこの人物の名前なんか知らないし顔も見たことはない。
ああ、お人好しのおせっかい焼きとののしるがいい。後悔しかないぞ。はっは
だが、その屋台から商店街までは大体500メートル前後。
急に手を引き、連れ出したとはいえ逃げる、ということを理解してくれて入るのか後ろのジャージ女子も一応は走ってくれているから、正直長距離走だと思えばこんなのへでもない・・・
いや正直運動音痴の、私にはこの距離だけでも正直きつい。ぜぇ、はぁ。
だが、なんか危ない目にあっている子は、ふぅ、はぁ、見過ごせない。はぁ。
というより、いつだかの幼い記憶に、ぜぇ。
まだ姉妹仲がよかったころに、はぁ、同じようなことがあったような、ぜぇ、気がして、はぁ、それとかぶってしまったのだろう。
ぜぇはぁ。
「てめ。なんなんだよ、離せクソアマ!!!」
後ろで、何かをわめいている。
がどうせ感謝にむせび、ないているに違い
「だからはなっせって言ってんだろ!!!」
ない・・・・・・はぁはぁ
ジャージ女子に無理やり手を振り払われ改めて後ろのほうへ視線が行く。
というより自分のことでいっぱいいっぱいで周りが見えていなかったがどうやらもう商店街の中腹ほどまで走ってきていたらしく、人ごみにまぎれている状態。
すぐ近くに先ほどの男子生徒がいるような感じはしない、が逆にこちらも向こうがどれほど距離をつめているかわからない状況というわけである。
どうやらやっと落ち着けるようだ、と私は呼吸を落ち着け様と
「お前さっきからなんなんだよいったいさぁ!!??」
思ったがそりゃいきなりここまでつれてこられてはそうもなるよな、とりあえず自分だけではなく彼女にも落ち着いてもらおうか。
「ぜぇ、はぁ、その、邪魔ぜぇ、したなら、はぁはぁ、あやま゛っ」
うん、落ち着いてうまく息ができない。
勘違いしないで欲しい私は喘息ではないし体は健康そのもの。
学校の体育の授業だって100メートルきちんと走れるし、マラソン大会だって去年は頑張ったぞ?きちんと8キロを完走だ。
ん?タイム?そんな事いまは関係ないだろう。聞くな。
「あ、い、いや・・・私もいきなり大声あげたのは悪かったよ、とりあえず落ちつけ?」
私が落ち着く前に私の惨状から向こうが先に落ち着いてくれた、まさに塞翁が馬。
私の運動音痴もたまには約に立つ・・・余計なお世話だこの野郎。
「ぜぇ、はぁ、い、いや、とりあえず、にげな゛っ、いと、ぜぇと思って・・・」
「お、おう、そうだな、そうだよな、ごめんな?だから落ち着け?」
そんなこんなで激怒寸前で私の手を振り払ったはずのジャージ女子が、今では私の背中をやさしくさすってくれて私が早く落ち着くよう手伝ってくれている。
おかげで荒かった呼吸も何とか落ち着きを取り戻し
「はぁ、ふぅもう大丈夫、ごめ゛っんっ!!」
は、したがこの長距離を全速力で走ったのだから当然喉が渇く。
しかし手元にあってなおかつ口にできるものは、そうたい焼き。
ジャージ女子とお互い揃ってその状況に、たい焼きに向かって『何だお前は』という視線を向けていた。
確かにそうなるよな、このタイミングでたい焼きは無いよな。
「はははっ、なんだよそれ、走ろうとする装備じゃないっしょ」
なんだかんだいってやはり何が幸いするかわからないということだな。
たい焼きがここに来て剣呑だったジャージ女子の表情をやわらげてくれた。
釣られて私も笑ってしまったが、このかさかさの喉からはかすれた老婆のような笑い声しかでてこず。場に一瞬不気味な空気が流れるが、それすらも女子特有の空気の中では『なんだそれ』という笑いにしかならなかった。
普段学校でのそういうノリ的なのはあまり好ましく無い、と思ってはいたが、ことこういう時は素直にありがたいと思う。
何事も時と場合なのであるな。
そんなこんなで、ひと笑い終わったジャージ女子が目に浮かべた涙をぬぐいながらおもむろに自販機を指差した。
すぐに意味は理解したが、その前の行動だだ。
私はそこまで笑わせるようなことはしていないぞ。
すぐさま前言撤回で申し訳ないが、時と場合を考えなくてもこういうノリは私にはいまいち好ましく無いと思うぞ。
とポツリとひとりごちると二人で数十メートル先の自販機へ向かうのであった。
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