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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
三学期
104/133

case:82 【×三学期の場合】Act.1

新章突入します。

冬休みも何事もなく、とは言い難いがそれでも充実したものを過ごせたと思う。

そして寒空の下、登校と相成っているわけではあるが別段学校というものを嫌っているわけではないので隣の幼馴染ほどぐちぐちしていない。


「はぁ、冬休み終わっちまったよ・・・なぁんで学校なんてあるのかねぇ」


冬の寒さからか顔をしわくちゃにしながらそんなことを言ってのける。

まるでおばあちゃんだ・・・老け込んだのかな。


何て冗談を言いつつもいつも通りと言えばいつも通りの通学路を歩く。



まったくもっていつも通り。

ちらほらと登校する学生がいてそのどれもがけだるげに登校している。


そんな中私はというと、前述したように学校自体は嫌っているわけではないからそこに文句を言うことはないのだが、ことは別にある。


というもの、冬休み中に私を悩ませた私の周りの環境についての問題。

いや、それについては自分の中で一応は解決したものではあるのだが、それに対してこうお礼というか感謝の気持ちを込めてというか。


まぁ、とりあえずクッキーを焼いてきてはいるもののそれをどう渡せばいいのか、という新たな悩みが発生して気恥ずかしさから学校に行くのもはばかれている。

というような状態である。


とはいえ何もしないのもなんとなく申し訳ないというか。

ああくそ、昔の私であればこんなことで悩むことなんてなかっただろうにい。


あ、いや一人がよかったとかそういうことでは無く・・・っていったい私は誰に弁明しているのやら。


「はぁ、まったく」


「ん?どうしたのさ京ちゃん・・・トイレ?」


ヤバい、声に出ていたのかよっちゃんが心配そうな顔でこちらを見てくる。

と思ったらまったく見当違いの方向で心配していた。

っていうより私の悩み顔はトイレに行きたそうな顔だってかくそ野郎。


~~っ、ええいこんなよっちゃんに悩んでいるのも馬鹿馬鹿しい。


「っはいこれ、くれてやる」


カバンから取り出し投げつけるように渡す。


「おわっと・・・なにこれ?」


「クッキー」


ずさんに渡したもののきちんとキャッチしてくれるよっちゃん。

そのまま透明な袋に包装されたそれをみて疑問をこぼしてくるので簡素に返してやる。


「いや、それは見ればわかるよ!どうしていきなりってことで」


「・・・・・・れい」


「え?」


「だ、だからこの前の誕生日のお礼!!」


しつこく突っ込んでくるよっちゃんにやけくそ気味に返す。

正直今の私は誰が見ても顔が真っ赤になっているに違いない。


「はぇ・・・ああ、なるほろって京ちゃん」


そんな私を見て何かを納得したように、それでいてニマニマした表情でクッキーをその場で取り出しほおばるよっちゃん。

まったく、いやな予感しかしない。

がここはあまんじて拝聴しようではないか。


「みんなにも渡すんでしょ?私もついっていってあげよう」


「いや、ことわ」

「うまい!!そして拒否権はないよ!!」


ほら私が断る前にかぶせてきやがった。

拒否権はないっていうか断ったところで勝手についてくる気だろうに。



はぁ、まったく。

いまだに熱が引かない顔を冷ますように手で仰ぎつつ、まぁよっちゃんが一緒に来てくれるという事に若干ながら安心はしている。

誕生日の一件でまぁ気持ちとしてかかわってきた人に贈り物として渡そうとは考えたがこう、今更ながらそういうのはもちろんの事初めてなので気恥ずかしさが勝るというか。


とりあえず緊張するのである。

もちろん受け取ってくれないのでは、みたいな変な不安は残念ながら感じていない。

むしろあいつらの事だ喜んでくれるだろう自身はある。


が、それとは別問題というわけで。

渡したことで変に暴走する恐れがある人物だっているわけだし、よっちゃんみたいに急にどうしたのだろうと考え変に勘繰る人も出てくるだろうし。


「・・・ゃん」


我がことながらまったく大したことを考えたものである。

今更ながらよく他の人たちはこういったことを何のためらいもなくできるというものである。


だからといってやらないわけにもいかないというか。

改めて友達として、遅くはあるがよろしくという気持ちも伝えなければそれはそれで不誠実であろう。

難しい問題である。


「・・・いちゃん!」


はぁどうすれば簡単にことが運ぶのだろうか。

まったく過去の無関心だった自分を戒めてやりたい気分である。

何て自分語りをしても何にも始まらないよな。

ははは、もはや乾いた笑みしか


「京ちゃん!!」


「っ!?な、なによっちゃん」


いきなり大声で呼ばれると吃驚するじゃないか。

と、思ったらいつの間にか学校の下駄箱に私一人棒立ちしていたみたいで。


・・・えずっと一人でここで考え込んでいたのだろうか。

それはそれで、恥ずかしいというか。


「と、とりあえず教室行くよ京ちゃん」

「あ、はい」


よっちゃんに手を引かれその場を後にする。

その最中も悩み事は尽きなかった。



はぁ、自分でもたらしたこととは言え苦行の一日がこれから始まるのか。

もう胃痛が隠せないなくそ。

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