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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
二学期
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case:80 【×二女の場合】 Act.1

え、っと・・・

いったいなんでこうなってしまったのだろうか。


「へ~これがユズのクラスメイト?意外とかわいいじゃん」


「うんうん、ゆずちーの好きな人疑惑があったから正直女子とは思わなかったね~」


「いいえ、ユズちゃんがそっち系の可能性もあります」


「「え!?じゃあ私達も!?・・・って、ないない。あはははは」」


私は珍獣か何かだろうか小鳥遊さんと同じJEWELRYジュエリーの他のメンバーに囲まれどこか物珍しそうにながめられている。

これも好き放題言われている小鳥遊さんのせいなのだが、当の彼女は私を招待して以降どこかむすっとした表情で遠巻きに私を眺めている。


というか好き放題言われるのはいいのだろうか。

というよりいい加減この状況をどうにかしたい、いやしてほしい。


アイドルに囲まれるって別にファンではないけどなんだか緊張するものがあるからやめてほしい。

これがファンなら絶倒物のシュチエーションなのだろうが。



「あ、あの・・・」


「「「ん?どうしたの?」」」


いや皆仲良しか、仲良しなんだろうなグループ組んでるぐらいだし。


それより

「その、長居するのもあれですしそろそろ」


帰りたい気持ちが勝ってため現状をどうにかしないと。

まったく小鳥遊さんめ。


「いや、ユズの友達なら遠慮することないよ」


「そうだよそうだよ、ゆずちーの友達なら私達の友達も同然だよ」


「そうですね、それに私としては疑惑の確認をしたいものですし」


本当にこの人たちは仲良しなのだろう。

正直面倒くさいぞ。


「「「何か失礼なこと考えてない?」」」


「えっ!?い、いいえ?何も?」


本当にめんどくさいぞこの人たち!!

それより小鳥遊さんは本当に何をしているのか、助けを求める意味でも視線を向けてみる。


「・・・ふん」


が、なんでかにらまれ、そしてそっぽを向かれた。

なんででしょうか。


もういい加減にしないとこう、胃の上の方がむかむかしてくるのだが?



とりあえずもうこの空間に耐え切れない、とさっさとお暇しようと考察する。

結果、さっさと目的を達成することこそ最善と考えついた。


「あの、とりあえずこれ皆さんでよかったら食べてください」


取り出したるは高級製菓会社のお菓子、に負けない程度に頑張って作ったスコーン詰め合わせを何人かわからなかったのでとりあえず大量に作って紙袋に投入してきたものを手渡す。


『おお~ありがと~』


正直買ったものの方がいいのはわかるのだが某ストーカー様のせいで購入できない事態に陥ったためやむなく手作りに。

しかし、反応は上々でよかったとひと安心。

それに珍獣的扱いも、関心が私からお菓子に言ってくれたおかげでなりを潜めたし。


ならば、ここにはもう用はなし。

多少強引に言い切ればあってすぐのこの人たちに私を引き留めることはできないだろう。

よし、そうしよう。


ということで。


「藤間さん、もう帰る?」


「え?あ、うん」


私が言おうとしたことをなんでかここに来て初めて口を開いた小鳥遊さんに取られる。

なんだか、帰れることはいいのだがそこはかとなくいやな予感がする。


「そう、なら送る」


「え、ユズそれって・・・」


「デートのお誘い!?ゆずちーだいたーん!!」


「これは疑惑も確信に」


ほらぁ、せっかく皆さんの意識をお菓子に誘導できてたのにこれじゃ私の考えが台無し

「うん、そう。だから邪魔しないでね皆」


『え?あ、はい』


「・・・はぇ?」


今いったいなんとおっしゃられたのだろうか。

あまりのことにメンバーの皆さんもフリーズ、はしていないが返事に困っているじゃないか。


・・・え、いや待ってそれよりこのまま行けば帰られる?

けどなんか不穏な空気でもあるし、いったい私はどうしたら。



とかなんとか悩んでいる暇もなく、手を引かれ控室を後に。


「藤間さんさぁ、なんで遠慮とかしてるの?」


「え?遠慮なんてして」

「してるよ。アイドルだからとかじゃなくて友達として壁感じる」


控室を後にしてすぐにそんなことを、依然手を引かれたままこちらを向かずに、私の言葉を聞こうともせず。

しかし、言われたことに言い返そうとしてもなんでか言い返せない。


私は小鳥遊さんに言われるまで彼女のことを友達と認識していたことは・・・正直、ない。

そんな私が何を言い返せばいいのか口をつぐんでしまった。


だからだろう、彼女が怒ったのは。というよりずっと怒っていた理由もそれなのかもしれない。


「ほらやっぱり、藤間さんの事だから友達という認識はなかったとか考えてそうなんだけど。正直最悪な気分」


「・・・ぐぅの音も出ない」


でもだからといってすぐに友達だなんて思えるのは都合がよすぎる。

何て考えてしまうのも私の悪い癖なのか。


「はぁ、まぁそれでもこうして来てくれるのが藤間さんのいいところでもあり悪いところなのかな。義理堅いというか、八方美人だよね」


こっちが何も言えないからと好き放題言ってくれるね否定しないけど。


「まぁ、ゆくっり友達になってくのがいいのかな。覚悟してね藤間さん、私しつこいから」


それは知っている。

飽きれた様子の小鳥遊さん、怒っている感じはまだ残っているがそれでも自分の気持ちを吐き出したのか幾分かすっきりしている。


けど反対に私の心には暗雲立ち込める、というか悩みがぶり返すというか。


せっかく忙しさで忘れていた『友達とは何ぞや』という考えが頭をよぎる。

そんな表情の私に小鳥遊さんは仕方ないといった様子でそこからは何も言わずに見送ってくれた。



本当に、友達って何だろう。

何をすれば友達なんだろうか、考えたことが無いからわからない。


私は小鳥遊さんを友達と言える時が来るのだろうか。


もしそうなら少しは胃薬が手放せるといいのだが、ね。


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