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擬人化!萌え萌え世界大戦!  作者: 惣流・キリコ
7/7

会話

今回は会話が多いです。見苦しいところもあるかと思います。

6月23日 16:21 ワシントン州


ヤキマ演習場にて実弾訓練を行う日下部ら。空港から出ると貨物船で先に来ていた先発隊が迎えに来ていた。そこから3時間強でヤキマ演習場に着いた。


ヤキマトレーニングセンター。

自衛隊ではヤキマ演習場と呼ばれ324,000へーカーと広大な面積の軍事演習場。砂漠の様な荒野が占めており、機甲部隊、航空部隊などが射撃訓練をしている。カナダ軍やイギリス軍もここで演習をしているとの事だ。


ヤキマの施設でひと段落する隊員たち。そこに本部隊の部隊長が前にやって来た。

「諸君、長旅でさぞ疲れているだろうが…。明日から2日間は米軍と合同演習。その次の日は数少ない実弾射撃をするんだ。時差ぼけ無くして、しっかり飯食ってしっかり寝て体調整えとけ!以上解散!」

大声で淡々と喋る部隊長。上につく人がこんなさっぱりとした言葉で良いのだろうか。だが部隊の中では人気のある部隊長だ。

日下部は指定された自分の部屋に荷物を置きうつ伏せに倒れる。

。いつもは菜々がひっついたりうるさかったりとするのだがここでは1人1部屋に割り当てられている。もちろん74式にもだから気が楽だ。

「なんか…。寂しいな。あいつが居ない日常はこんなものなんだな。」

構ってくる相手が居ない静けさに、涙が湧くような湧かないような。そんな中途半端な気持ちになった。日下部は初めて彼女の居ない日に独り身を感じた。

「くそ…。でもうるさい奴なんだよなぁ…。」

ベッドの上を不規則に寝転びもがく様に動く日下部。まだ彼女の性格にまいっている様だ。

「旦那様は私がお嫌いですの…??」

「あぁ…重っくるしい…って!?お前!?オートロックをどうやって開けやがった!?」

オートロックで入れるはずのない部屋に何故かいる菜々に驚きはねる。

「だって、キャリーバッグを挟んだんですもの!」

と、キャリーバッグをかかげ見せる。それじゃあロックは掛からないし誰かに入られる。まさかそこまで手を混むとは思わなかった日下部だが、菜々を強引に押し出す。

「各個人の部屋が割り当てられているだろう!お前は自分の部屋へ行け!」

廊下まで奈々を押し出す。奈々もそれに抵抗して声で訴える。

「だってあたしたち夫婦ですよ?何も悪いことは…。」

「今は職務中だ!!控えろ!!」

「なら職務以外はいいのですね!」

目を見開きしまったとした顔で目をそらす日下部。

「とにかく!今もだめで今後もダメだ!」

周りに響く声で喋り扉の音が響くくらい強く締める日下部。菜々の迷惑もあるがこいつもこいつで周りに迷惑である。

「あぁん!旦那様!私の荷物ぅ!」


ガチャ!! ガンゴロンっ!バタンっ!!


扉を素早く開け菜々のキャリーバッグを投げ捨て締める。廊下に残された菜々とキャリーバッグ。彼女も渋々自分の部屋へ入っていく。


夕方。日下部は夕食を食べに食堂へ行く。米兵も居て中には一緒に会話をしながら食事する隊員も見受ける。


食事中 何も起きなかったよ。


夕食を食べ終え部屋に戻ろうとするが、自分の部屋の位置がわからなくなり迷ってしまった。部屋を探し歩いているとタンクトップで筋肉質な女性が歩いてきた。アメリカ兵ならここの場所もわかるかもしれないと思った日下部は彼女にぎこちない英語で挨拶する。

「エクスキューズミー。マイルームナンバー401。ウッドュテルミーザ…」

外人とあまり話さないのか。声が固まり緊張する日下部。だが。

「君の英語は聞き取りにくい。日本語は話せるから日本語で話してくれ。」

突然流暢な日本語に目を丸める日下部。驚いたせいで数秒のラグはあったが言葉が出た。

「すまない。401号室の場所を教えてほしいんだ。」

「ああ良いよ。ちとばかしトレーニングルームで付き合ってくれないか?その後に教えるから。」

「OK。飯食って身体が重いんだ。ちょうど良い運動になる。」

日下部は後ろから女性兵士についていき、トレーニングルームへついて行った。


菜々は1人で広間にいた。片手には財布。目の前には自販機。ジュースを買おうとしているようだ。

「旦那様はなんで私に構ってくれないんだろ。」

独り言をする菜々だが財布からお金が溢れる。溢れたお金がコロコロと転がり自販機の下に転がる。

「んあああ!!貴重なお金がぁ!!給料日前なのにぃ…。ぐすん…。」

しょげる菜々。屈んで自販機下にあるお金を必死に取ろうとするが奮闘むなしく取れなかった。

奈々は自衛隊隊員になってから2週間しか経っていない。給料はおろかお金も持っていないのだ。給料を受け取るまで日下部が無償でお金を出してくれたのだ。

お金を取るのを諦めて立ち上がると後ろから声が聞こえた。

「お金に困ってるんですか?ジエイタイさん?」

後ろを見ると豊満な胸を支えるように腕を組む女性がいた。

「はい、自販機の下にお金が潜り込んじゃって…。」

「私が買ってあげるネー。どれがいいですか??」

「あのオレンジジュースで。」


菜々はアメリカ女兵士と気が合ったのか会話をしている。

「貴女、彼はいるのですカ?」

彼女が奈々に質問する。

「彼と言うより旦那様です。」

「ワァオ!じゃあケッコンしてるのですね!」

「はい、でも…半ば強引のような感じで…。それで旦那様、構ってくれなくて…。」

下を向き暗い表情で話す奈々。それをみた彼女が応える。

「旦那様の事も考えなきゃ。ずっとAttackを仕掛けても相手は顔を出さないです。でも相手が本当にスキが出来たトコロに1発決めるのですよ!」

自信満々に語る彼女に菜々の顔は笑顔になる。

「なんだか私、自信が出てきました!」

「Yes!女の子はこうでなくっちゃ!暗い顔だと可愛くないです!笑顔がイチバン!」

所々下手な日本語が混ざるが、彼女を笑顔を見ると何故か笑顔が出てくる。これがアメリカンポジティブなのだと思った。

「それでは。マムの所に行くので、また会ったら話しましょうネ!」

と言うと彼女は去って行った。

「あ…。ジュースのお礼。まだなのに…。」

菜々は飲み干したジュースの空き缶を強く握りしめた。



トレーニングルーム

「中々走りますね…。あと500m…スパート!」

「Yes!私も負けないよ!」

日下部と女アメリカ兵士がランニングマシンで走っている。残り500mのラストスパートの設定は時速38km。陸上選手並だ。徐々に2人共はスピードが落ちマシーンの後ろへと下がっていく。残り100mの所で同時にマシーンから降り安全装置のピンが外れる。

「はぁ…はぁ…。凄いですね…女性でここまで…走るなんて…。」

「えぇ…貴方も…今までの男より…良かったわよ…。」

2人とも息が上がっている。長くに走ってながらラストスパートは短距離走と同じ速さ。なのに息切れしながらも会話をしている。凄い体力だ。

また2人はランニングマシンを使い息を整えるためにウォークの速さで歩いて呼吸を整えていた。

「そういえば、名前を聞いていませんでした。私は日下部裕二。自衛隊の戦車長をしてます。」

「私はカレンアント・ロドリゲス。私も戦車長を務めてるわ。カレンって呼んで。」


カレンアント・ロドリゲス

アメリカ出身 年齢25歳 アメリカ陸軍の大尉 M1エイブラムスの戦車長を務める女性兵士だ。


「カレンはどこで日本語を?すごい流暢だから驚いたよ。」

「日本語は小さい頃から学んだ。マスターしたのは最近だけどね。」

皮肉にも自分を笑いながら話すカレン。

「私は学校で習った程度ですからどうも微妙で。」

手を頭の後ろに乗せながらカレンを見る日下部。

「そうか。けど少し頑張ればスラスラと喋れるぞ。ユウジは英語は出来る。後は人といっぱい話すだけだ。」

たわいのない会話を続ける2人。息も整うとカレンから約束通り運動に付き合ったお礼に部屋の位置を教えてくれた。

案内してもらっている道中。

「ユウジは奥さんはいるのか?隊員は愛妻家と聞くが。」

その言葉に身体が反応してピクっと動く。重そうに口を開け話を始める。

「いるんですけどね。半ば強引で結婚になって…。アイツ、重いんですよ。一緒に寝て欲しかったり、一緒にシャワー浴びようとか、ハグして欲しいとか…。」

菜々の事だろう。今までの嫌な日々が頭で思い浮かぶと同時に口にも出る。どんどん溢れてくる。

「私もそんな相手が居てな。同じ兵士で。私たちアメリカ兵はすぐ戦線へ行くことになる。いつ死ぬかもわからない。それを考えると彼女にも色々としてあげたいって思ってな。彼女の期待に応えてやっている。」

カレンは前を向いて堂々と話をする。やはり同じ軍人でも、国の違いでここまで覚悟は違う…。日下部は覚悟の度合いを真近で感じた。が。

「彼女!?女性ですよね!?」

「あぁ。日本人には疎遠な事だと思うが。私はレズでね。君たちで言う女性同士で愛し合っているんだ。」

突然の事に驚くがここはアメリカ。同性愛も珍しくない世の中だ。日下部は落ち着く。

「甘やかしてあげれば。ユウジの奥さんも理解して少しは我慢してくれるだろう。」

「ありがとうございます。すいません、何かとお世話になってしまって。」

「良いんだよ。私もこんなに楽しく運動できたんだ。こちらもお世話になった。さあ着いたぞ。」

話をしている間に自分の部屋に着いたようだ。長いようで短い会話が終わってしまった。

すると後ろから。

「マ〜ム!!探しました〜!!」

「おっと、すまない。ああ、さっき言っていた彼女だ。」

日下部は彼女に頭を軽く下げると驚く光景を見る。

彼女が唇をカレンに向けるとカレンは何の躊躇もなく熱いくちづけを交わす。流石に目の当たりだと男として湧き上がってしまう。

「マム…。彼が見てる。」

顔を赤くしてカレンを見つめる彼女。

カレンは彼女の耳の横で喋る。

「すまない。じゃ、後は部屋で楽しもう。すまないね、刺激が強すぎたかい?」

どうだと言わんばかりの顔で日下部を見るカレン。

「日本人には目のやり場にこまるシーンですね。」

赤くなりながらも応える。

「あ、今の私たちのキス。さっき話ししてた見本よ。覚えといて。」

とカレンはウィンクをすると2人は日下部の部屋の前を後にした。


同日 22:47 401号室

日下部は頭の中で奈々との関係を考えていた。

((やっぱり菜々の甘えも飲まないと行けないのかぁ…。))


同日 同時刻 307号室

同じ頃、菜々も日下部の事を考えていた。

((旦那様の事も考えなきゃ…。))


翌日 4:30

朝の合同トレーニングが始まる30分前。日下部、菜々は身支度をしている。

((今日の演習終わったら、少しは菜々に甘えさせてやろうか。))

((今日は旦那様に迷惑をかけないように…!))

「よし!時間だ!!」

2人同時に部屋から出て訓練へ向かった。

次回!演習開始!

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