そして 4
待ち合わせの時間を過ぎること2時間……
初めの30分は何かあって遅れているのかもしれない、そう考えていた。次の30分は、もしや担がれたのかもしれない……流石に1時間、連絡を取ろうと携帯を確認した……のだが。
着歴が、ない。
そんなバカな?登録をしていないのは彼女だけなのだから見間違うはずもない……。
……とはいえ。結構ドジくさかったりするため、寝ぼけてとか……なんらかの拍子に消してしまったのかもしれない。
問題は、そのおかげでこちらから連絡をとることが出来なきなってしまった、、ということだ。なんたる、不覚。
そして、2時間が過ぎる。
彼女の怯え方は尋常ではなかった。だから、というわけではないが紛れ込めるファミレスを択んだのだが間違いだったのだろうか。
『……そもそも私にはデートなんて縁のない人生をおくってきたからなぁ……20代くらいの女性には待ち合わせ場所として、ちょっとアレだったのかもしれん』
そうこう考えているうちに3時間が過ぎた。
『さてどうしたものか。……混んでいるならまだしも、もう少し待ってみようか』
と、突然。代わり映えのなかった空気に新たな動きが加わる。ようやく来たのか?
「いらっしゃいませ。……おひとりさまでいらっしゃいますか?」
店員の愛想の好い声が店内に届いたのとは裏腹に、新たなお客の声を聞き取ることはできなかった。だが、すぐにそれは解決した。
「お連れさまがお見えになりました」
接客したと思われる店員に案内され、どうやらこちらに来るようだ。
『……。……ぁあ、はぃ』
店員の声に、私は残り少ない5杯目のコーヒーを飲み干し、顔をあげた。
『……ありがとう、……ぇ。』
……おま、だれ;
そこに居たのは、おそらく20代だろうと推測できる、美少年……もとい、青年が立っていたのだった。
たぶんつづく。
もう、ソレについての記憶しかなくなったのであった。